minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

総立ち1000人の観客の前で。

2012年05月29日 | ライブとミュージシャンたち
そう言えば、デニスが「俺がプロデュースしたアルゼンチンのバンドがヒットチャート1位になったんだぜ。」って自慢していた事があったけど、それがこのグループだったのか・・・・。「Dancing Mood」の人気の高さはこの観客の喜びようを見たら一目瞭然だった。



「Dancing Mood」はフロントがトロンボーン2人、トランペットはHugo、サックスがアルト&バリトンのRuben Mederson、テナーのSantiago de Francisco、フルート1、ハーモニカ1の7名。

そしてリズム隊はドラム1、パーカッション1、ギター1、ビヴラフォン1、シンセサイザー2、エレクトリックベース1。これに歌のお姉さんが2曲ほどゲストで登場。盛りだくさんだ!全部で15人!私ら入れて18人。ひゃ~~~w。

このシンセサイザーの2人は並んでンチャッンチャッとほとんどスカのリズムを刻んでいるのだが、なんで2人なんだろうw?スカでは当たり前のスタイル?



大変面白い編成のリズム隊はどこかで・・・ああ、渋さ知らズとスカパラを合わせたようなバンドなのか。人気もまさしく。


リハーサルが終了すると楽屋でいろいろな人たちが笑顔で話しかけて来てくれた。わからないけどw。その度にRioが上手く話してくれるのでわたしゃ横でニコニコ笑っているだけ。Graciasしか言えない。ドイツでもそうだったな~とこんなところでデジャブが。それでもここブエノスアイレスでは土産物屋とミュージシャンはたいてい英語ができるからきりかえてくれるので有り難い(ってそれほど英語が得意な訳じゃないけど)。

一人の男性が「日本から?」と話しかけて来て、ミュージシャンかと思って話していたのだが、なんとPAのエンジニア。あとで分かるのだけど、もの凄くエンジニアも腕がよくて、仕事のできる男だった。10年くらい前に日本人の女の子3人のロックグループがブエノスアイレスでツアーをしたときにPAを担当したこともあって日本人が懐かしかったのかとても親切だった。名前聞いておけばよかったな~。

リハーサルが終わってほっとしたら、お腹がめちゃくちゃすいているのに気がついた。Defensaの祭りで入ったレストランでは男たちが豪快ハンバーガーを食べるのを見ながら、プリンを食べただけだった・・・・。そう思っていたら、高野ご夫妻が「じゃ、このあたりで食べられるものを買って来てあげますよ。」と近くのレストランでチョリパンをさっと購入してきてくれた。チョリパン、食べてみたかったからチョ~ウレシイ。Masa、高野さん,本当にありがとうございま~す(涙)。

9時半にウーゴのお父さん率いるフォルクローレバンドが始まった。こちらでは演奏時間は1時間くらい遅れるのは当たり前のようだが、今日は1000人のスタンディングの観客たちが暴動をおこしては大変からか(?)、比較的時間通りに始まったのでびっくり(とはいえ、30分押し)。


フォルクローレバンドも大所帯

Ruben Lobo (Hugoのお父さん)

4,5曲ほど演奏して、あっという間に終了。フォルクローレって、ああ、この曲もアルゼンチンの曲だったのか、と聞いた事のあるメロディが沢山。ほとんどが私の大好きな3拍子(6/8)のリズムで構成されているので、楽しかった。Rubenのドラムセットはパーカッショニストがよく使うようなフロアタムがフォルクローレ用の変則ドラム(ボンボっていうのかな?)。

会場も暖まってきたところで、さあ「Dancing Mood」の出番だ!1曲目のスカから黄色い歓声が飛び、みんな飛んだり跳ねたり揺れたりと大騒ぎだ。今日本やアメリカで問題となっている「ダンス禁止条例」のようなものがブエノスアイレスでも前からあるようなのだが、今日は解禁なのか???



曲はなじみのあるジャズなどをスカでやっていたが、チャック・マンジョーネの「Feel so good」まで!!80年代クロスオーバージャズを通ってきた私たちにとって「きゃあ、この曲、懐かし~~~~!」と楽屋でMASAと盛り上がってしまった(年齢バレバレ)。


5曲ほど演奏があってから、私たちがステージに喚ばれた。大きな歓声とともにステージに降りて行く。ああ、この瞬間がたまりませんw。




Rioも堂々たるもの。あたしの19歳の時からは考えられない大きなステージデビューだ。もの凄く良い経験をしているなあ。こういう宝物のような経験を積んでプロとしてミュージシャンは自信ができていくのだから。



どうせ譜面見てもリズムが違っていたし、いいや、だいたい覚えちゃったから、と私は譜面なしでみんなの音を聴きながら[Take Five]のテーマを吹き出す。そのほうが観客の反応が見えて面白いしねw。



テーマが終わると一番にソロがやってきた。たった1コーラスのソロなのであっという間に終わってしまったが、興奮しすぎてリードがはずれていく、というアクシデント(汗)。次にRioのソロが無事終了。しっかりと後ろの音を聴きながら演奏していたから凄い(親ばか)。私の方が緊張してたのかしらん?そして最後はトシキのアップライトベースもソロがまわる。ウーゴはエンターテイナーとしてきちんと私たちをリスペクトしてくれているのが伝わってくる。



はっと目の前の観客たちを見るとみんながこちらにカメラを向けているw。いやはや、あっちもこっちも大興奮のおおはしゃぎ。


ジャズのコンサートで1000人以上のところで演奏したのはドイツのニュールンベルグ大聖堂のステージとピットインの何周年かの厚生年金以来か。小さなライブハウスで生音も楽しいが、こういう場面になると観客のエネルギーが半端でなく伝わってくるからこちらもアゲアゲ。

しかしオールスタンディングの1000人がウエーブになって、途中でなだれがおきそうになりながらもなんとか踊り続けているお客さんたち。客層も若者ばかりかと思いきや、私にウインクを送ってくれた年配のおじさん、孫と一緒に一番前で踊っている杖を持ったおばあさんまで幅広い年齢層!!!恐るべし、ブエノスアイレス。



スカ版Take Fiveが無事に終了すると、ミュージシャンたちはバックステージへ戻って行った。私たち[TReS]とパーカッショニスト、そしてウーゴがドラムで参加することに・・・。あんなに大勢だったステージに私たち、たった5人。このまま盛り上がってくれるかしらん???ワクワク、ドキドキのアドレナリンでまくり状態だ・・・やるっきゃない(さらに続く)。


Foto: Edgardo Andrés Kevorkian ,高野博昭氏


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