松実ブログ

松実の教員が書き込んでいます。面白い先生がたくさんいますよ☆

清少納言が蒔いた種

2019年10月30日 17時28分47秒 | Weblog

みなさん、こんばんは。 明日で10月も最後、2019年も残り2ヵ月となりますね。早い!

高等部では、再来週に迫ったスポーツ大会、そして12月の松実祭への企画発案など

行事が差し迫ってくる目まぐるしい中で、授業もどんどん進んでいきます。

 

さて、最近、私は『枕草子』漬けの日々となっています。

1年生の国語総合でも、2年の国語表現でも、ちょうど単元の内容が古典で重なり、しかも枕草子が双方に出てくるからです。

 

枕草子とは、作者である清少納言が1つのテーマについて思い馳せたこと、宮廷での華やかで優雅な生活っぷりや、

あらゆる人や多様な自然の観察を書いた、およそ300の章段に渡る、長編エッセーです。およそ1000年前に書き綴られました。

 

私はその大作に対して、そこまで興味を持ってきませんでした。国語教員なのに。

高校時代に何となく知って、大学でも、私の専門分野は国語学だったので古典分野は表面的。

そして教員になっても、担当教科や担当学年のめぐりあわせで、古文・漢文はそこまで触れずに来ました。

そこで今回、久々に古典を教えるにあたり国語の教科書だけでなく資料集、図書館の関連書籍5冊、資料集2冊など、諸々調べ上げていました。

 

今回、枕草子に向き合って初めて知ったこと。清少納言は、『笑いの天才』だったということです。

先ほど、『宮廷での華やかで優雅な生活っぷり』と書きましたが、それは、そういう場面が描かれていたからです。

そういうイメージとは逆に実は、清少納言のお仕えした主人(中宮定子)は、25歳という若さで亡くなっており、

その父親や兄弟たちも政治の混乱で人に裏切られたり、早死・流罪などの悲運に見舞われたりします。

羅生門の舞台設定でもありましたが、疫病や飢饉、大火災に見舞われることもあった時代です。

それでも清少納言は、自分がいた宮中の楽しかった出来事や皆で笑いあった記憶を書き記します。

 

ある資料によれば、同時代に書かれた『源氏物語』では、泣くシーンが笑うシーンの2倍登場するそうです。

しかし『枕草子』では、笑うシーンは泣くシーンの、なんと10倍も登場するそうです。

長編小説と長編エッセーの違いもあるでしょうが、仕えていた主家が栄えた紫式部よりも、

主家が落ちぶれていった清少納言の方が、笑いの種を作品中に大量に散りばめたのです。

 

その種は各時代において脈々と花を咲かせ、種を落とし、読み継がれて今に至ります。

私たちが教科書で読んで、くすっと笑ったり共感したりするのも、その種が開花した証ですね。

 

さて、いろんな事件や事故、さまざまな自然現象による天災に見舞われるのは、清少納言が生きた1000年前も、

私たちが生きている今も、(規模や状況は違えど)共通する部分があると言えそうです。

そんな今、自分は目の前のことをどういう風に切り取って、どういう風に伝えていくか。

G先生のブログでもありましたが、同じ現象を目の前にして、どう感じとるかは十人十色なのですね。

そしてそれが、どんなんにせよ発信すべきときには発信できる人間でありたいと強く感じた今日この頃です。

 

 

(駅前のイチョウの木が黄色くならないまま枯れていって裏寂しい心境の)マリオより


そういう人間

2019年10月24日 07時35分35秒 | Weblog

つい先日は秋晴れの一日でした。
すごく清々しい気候でした。
最近は雨(それも大雨)や曇りの日が続いていたので、
余計に気持ち良く感じられました。

通勤
の為に鉄道を利用しています。
数日前、
「あと一駅」というところで電車が止まりました。

あと数分乗れば目的地まで到着するところで、
長時間足止めをくらいました。

止まった原因は明らかです。

電車を止めるほどの事故を起こしてしまったその人は、
どんなに辛かったでしょうか。
どんなに苦しかったでしょうか。

気持ちよく晴れた空、
少し冷たくて澄んだ空気とやわらかな秋空の陽の光をもってしても、
その方の心は少しばかりも晴れることはなかったと思うと、寂しいです。

駅は通勤、通学で先を急ぐ人々でごった返しています。
急いで電話をかける人、スマホを操作する人、
怒りの表情を浮かべている人、無表情の人。

オイラもはたから見れば「無表情の人」だったと思います。
しかし、心の中では涙がこぼれ落ちていました。

たった今、自分の目の前にあるこの線路に続く…
そのわずか数キロ、十数キロ先の線路で、
苦しみと悲しみが弾けた…。

そしてそれは数十分後、数時間後にまるで何も無かったかのように
「運転再開」という言葉で日常を取り戻してしまう現実があります。

オイラは、この流れ作業のような時間にうまく順応できません。
こういう出来事を前にして、立ち止まってしまう自分がいます。
大人だし、社会人だし、「自分には関係のないこと」と、
気持ちを切り換えて前に進むべきなのでしょう。
しかし、そんなに強くはなれない自分がいます。
心が痛むのです。
どこの誰だかも分からない相手の事故であっても胸が苦しくなるのです。

偽善者なのかもしれませんが、
昨日抱いた感覚は、このとおりでした。


「被災地」という場所がどんどん増えています。
少し前まで地震、津波、原発事故の爪痕、傷跡の残る場所を
指すことが主でしたが、
最近では台風による豪雨、暴風、洪水の爪痕や傷跡が残る場所
が加わってきました。

新聞等の報道を見ると、
その両方の被災地になっている場所があるようです。
福島県や宮城県の一部地域です。
8年前に被災地になり、そして最近もまた被災地になった。

該当する人にとれば、もう、言葉にならない程の絶望でしょう。

そんな経験、一度だって立ち直れないほどの痛みをともなうはずなのに…
二度とは…。

当たり前の生活が、一瞬で奪われていく…
神も仏も信じられなくなる瞬間とでも言うでしょうか。
大切な家族も家も畑も学校も職場も全てを失う地獄。
到底耐えられません。

一日も早い被災地の復旧復興を祈り、
そして亡くなられた方には哀悼の意を捧げます。
自分がやれることは引き続きできる範囲でやらせていただきます。
それしかできず、すきません。


素晴らしい皇室行事、
ラグビーワールドカップ、
プロ野球日本シリーズなどで盛り上がる一方、
少し世間に目を向ければ辛く悲しい出来事もそこかしこにあふれています。

偽善者のオイラは、
どちらかというと、その辛く悲しい出来事に目がい
き、
おそらくこれからも、そういう人間であり続けると思います。
それ自体、オイラの生き方ですから何でも無いのですが…。

これを読んだ方に誤解していただきたくないのは、
「優しい人だね」「いい人だね」と思わないでいただきたいのです。
(思わないか!!!)
むしろ、こんなことをブログで軽々しく言うやつは、
「信用ならん」「薄っぺらい」と思っていただければ幸いです。
実際、そのとおりの弱く情けない男なのですから。
「自虐」でもなんでもなく。

少し前にはキンモクセイの香りが街に漂っていました。
少し元気になる瞬間ですが、本当に短いですね、
キンモクセイが心地良く香る時間は。



 G 


台風接近に備えて

2019年10月11日 16時48分45秒 | Weblog

みなさん、こんばんは。

 

 

台風が接近しています。

色々なメディアから最大限の準備と警戒が促されています。

今日は初等部から高等部まで松実高等学園の全部署で生徒を早く下校させ、私たち教職員も早く退勤して自宅で台風に備えることになりました。

 

なんとかなるだろうでなく、大雨で家の近くの川が氾濫するかもしれない、暴風で物が飛んできて窓ガラスが割れるかもしれない、停電になるかもしれないなど、被害が起こる想定で準備をしましょう。

 

天災は避けられるものではありませんが、せめて被害が最小限に収まりますように。

そのためにはまずは私から、しっかりと家と家族、そして自分を守れるように準備します。

みなさんも十分な備えをしてください。

 

 

また来週学園で待っています。

 

 

こーへい


後期もよろしくお願いします。

2019年10月04日 17時32分27秒 | Weblog

みなさん、こんばんは。

今週から後期が始まり、平常授業もスタートしましたね。

スタートした途端に、高等部ではスポーツ大会のクラスTシャツの話し合い、

松実祭の学年企画の方向性の話し合いなど、行事に向けた動きだしもありました。

 

気候変動の影響なのか、10月なのに真夏日があって秋という感じはしませんが、

着々と夏から秋へ、そして冬へと季節も移ろいでいきます。

 

登校日数、すべて登校してもおよそ50日で冬休みがやってきます。

さらに言うと、年明けは高校3年生においては家庭学習期間もあるので、

今から数えても80日足らずで卒業式を迎えます。

 

日々の授業に加え、行事の準備と本番、検定試験、受験対策などなど

いろいろやっているうちに、わわわーっと、あっという間に過ぎていきます。

 

ホントに本当に、あっという間なんです。

でも、だからこそ。

限られた時間で1つでも多くの経験をしていってもらいたい。

1つでも多く大事なことを伝えておきたい。できれば今いるみんなで共有したい。

勉強のことも行事の楽しさも健やかな心や体を作っていくための土台についても

気付くこと、省みること、学ぶこと、発見すること、出来るようになることが

みなさんの日常に、ちょっとでも多くあれば嬉しいです。

リミットがあるからこそ、教えるこちら側としても仕掛け作りをするのに本気です。

うかうかしている場合じゃありません。動いたもの勝ちです。

そんなこんなですので、みんなで面白いことが出来たら嬉しいな♡

 

たとえ、思うようにいかないことがあったとしても、

背筋伸ばして、口角あげて、どうにかやっていきましょう♫

今年度の後半戦、よろしくお願いします♡

 

(先月、とある雑誌に自分の仕事へのこだわりや勉強法が掲載された♪)マリオより。