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領土問題における論の内の正義。

2015-11-04 23:23:34 | 政治
3日米国防長官のカーター氏は中国の常万全国防相とシンガポールの
クワラルンプールで会談し中国側に南シナでの埋め立てと軍事化を
中止するように強く求めた。

中国側は国際法で認められている航行と飛行の自由を尊重支持すると
答え、滑走路の軍事化の意図は無いと釈明した。

これに対して米国が国際法の航行の自由の原則を守り今後も国際法で
認められているあらゆる地域で活動するとした。

しかし領有権に関しては中国にもベトナムにも肩入れしないと答えた。

今後米国側は南沙諸島付近を3か月に2回ほど南シナ海の人工島近くに
米国艦を派遣することを決めた。

日本の中谷防衛相は米国のこの行動を支持するとした。


何処か拍子抜けしたような米国の南シナ海情勢でもある。
米国は艦船を中国の人工島12カイリ付近を航行することで中国の領有権を
認めず、「航海の自由」を主張するとしている。

しかし米国はベトナム側が主張するスピ岩礁の領有権にも肩入れしないとなると
これは当初から騒がれていた領有権の問題ではなく、航海の自由の原則に
まつわる攻防と主旨が変えられてしまった。

つまりは米国はこの中国の人工島をベトナムにも中国にも帰属させずに
「航海の自由」を守る建前を武器に漁夫の利のような形で占有することも
可能となってしまった。米国の大義名分が少し変わった方向へ進んだ。

これまでベトナムは中国の人工島建設に対して領有権を主張する際に国連に
その批判文を提訴していた。フィリピンも同じく国連に提訴していた。

しかし領有権問題で国連が関与し解決に至るには長い歳月が要されるとして
仕方なく米国に依存したのかもしれない。もう少し国連の安全保障が
アジア地域で機能していたらばこのような状況には成らなかっただろう。

常々国内の無知な右派や保守派が唱える(集団的)自衛権が使える普通の国に
なる為とする主張が国連の(集団的)安全保障と勘違いしているギャップが
ココにある。 完全に今の安保法は日本の安全保障を間違えた方向へと
進めてしまっている行政の形が朧けながら姿を現した。

・日米同盟  集団的自衛権   米軍
・国連    集団的安全保障  NATO軍国連軍(もしくはNATO参加の米軍)

しかもどこか地味な米国の3か月に2回艦隊派遣だ。
中国脅威論に色めきたった右傾化論に今では具体的な中国の人工島と
日本の沖ノ鳥島の比較が流行っているらしく、幾らグダグダ言っても日本の
沖ノ鳥島の防波セメントは中国の人工島とは五十歩百歩でしかない。

人工の埋め立てによる領有権の主張に国連側がどのような判断を下すかも
注目すべきことなのだが、中々そこまでは議論が進まない膠着状態を
避けるかのごとく日本はこの領有権問題を中国とがぶり四つに組むことが出来ない。

こうした日本にとって不都合な事実を当然のように中国が知っている訳で
それに対抗するための尖閣諸島へ中国漁船を送り、沖ノ鳥島のある小笠原諸島
ではサンゴを密漁するという暴挙に出たわけだ。

中国はスプラトリー岩礁に人工島を作るに至りこうした事実を意識的に活用し
論の内に正義を作らせない効率的な領土拡大を図るがどうも日本のそれに対する
対抗策は石原慎太郎の不法建設に代表されるような失態ばかりが続いている。

尖閣ばかりでなく沖ノ鳥島へ視察に行った石原慎太郎の都知事時代にも中国は
沖ノ鳥島は島では無く岩礁だと東京都に非難した。こうした揺さぶりや圧力に
石原慎太郎はめっぽう弱い日本の領土問題におけるザルだといえよう。

今の日本がしてることは島であれ岩礁であれそこに人が住めるようにすることと
経済的な意味合いを強くすることだ。果たしてどこまで効果的であるかは
未知数である。またこの事が後々問題のきっかけとなる場合もある。
そこは十分に肝に銘じておかなくては日本の領土問題も脅かされることになる。

少なくとも政治家の沖ノ鳥島上陸作戦などはするべきではない。



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