新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月13日 その2 岸田総理のアメリカ議会での演説に思う事

2024-04-13 08:38:23 | コラム
あらためて「岸田総理、素晴らしい演説でした」と賞賛したい:

典型的なA型として滅多に他人様を褒めない私は、昨夜改めて細切れではなかった総理の演説を聴いて「素晴らしい内容であり、立派な英語でした。恐れ入りました」と敬意を表したいのだ。在職中に、私が褒めるのを聞いた方が「貴方が褒めるのだから、余程優れているのだろうと解る」ときつい皮肉を言われた事があった。自分から言うのもどうかと思うが、それほど辛口だと看做されているようだ。

岸田総理が冒頭「これほど拍手を受けた事が我が国の国会ではないこと」と切り出されたユーモアも素晴らしかったが、随所にアメリカ人が好むユーモアのセンスを織り込まれていたのは、彼等に評価される一つの要因になっていたと思う。原稿を余り読まれていなかったようだったが、あれほどの固い内容を記憶されるまでリハーサルを重ねてこられたのではと察している。そのことだけでも素晴らしい。

文章の構成も固すぎず、柔らかくはならず、総理大臣の演説に相応しい荘重な表現が自然に使われていたことにも敬意を表したい。ビジネスの世界しか知らない当方には、あのような品格を備えた原稿を現職の頃でも書けただろうかと思いつつ拝聴していた。失礼を顧みずに言えば「日頃英語でのスピーチなどとは縁遠い職務に従事されていながら、あれほどの演説を淀みなくこなされたのは立派だし凄いとすら感じた。

細かい具体的な点に踏み込めば、英語の単語一つ一つのアクセントの付け方が正確だったのも賞賛したい点なのだ。我が国の英語教育で育った方たちには、あのようにキチンと正確なアクセントは付けられないものなのだ。総理は中学から高校で余程優れた英語教師から学ばれたのか、あるいは外務大臣在職中に職務上チャンとしたnative speakerから学ばれたのかな、などと考えていた。私が聞いた歴代総理の中では最優秀だと思っている。

誰だった失念したが、native speakerが「ジョーク(ユーモアがある表現)」を言われた後で微笑まれていたのでは、意識して言ったことを見せてしまうので、この点だけが惜しかった」と指摘していた。だが、あの和やかさにそこまでの過剰な意識があったとは思えない。泉健太は「国会で拍手が少ないのは当然」などと狭量なことを言っていたが、自国の総理大臣がアメリカの議会で立派な演説を為さったことを賞賛するのが礼儀ではないのか。

不行き届きなマスコミ報道

2024-04-13 07:16:26 | コラム
マスコミ報道は不親切ではないか:

水原一平元通訳の問題:
既に取り上げた事で、YM氏は「大谷が知らなかったと言うのは不自然だ。自分の預金口座に移動があったと知らないはずはない。それは10日毎に銀行から文書で明細の通知が来るの。如何に大谷が10時間も寝るのであっても、その通知を見る時間くらいは取れたと思うから」と指摘していた事は取り上げたし、「ではあっても、水原がその郵送されてくる通知を握り潰していたのだったら、話は変わるが」と語り合ったことも取り上げた。

今になって連邦捜査局の捜査の結果で判明した事は「水原が口座の電話番号その他を彼の名義に変更していたし、大谷になりすまして資金を引き出していた」のだった。マスコミがここまで取材し切れていなくても不思議ではないにしても、駐在員は上記のYM氏が語ったアメリカの銀行の高額預金者への対応の仕方くらいは取材できていて、報道できたのではなかったのと私は思っている。不行き届きではないか。

不正に送金した金額の重み:
6億円が24億円になってしまった。この額を「多額だ、多額だ。驚け」とでも言うような報道の仕方では、私は不親切だと看做している。何故そう言うかと言えば、為替相場は日に日に円安に転じているのだから、円換算された金額は増えても減る事はないのだ。現時点では1,600万ドル(約24億円)に達していたと報じている。

24億円は兎も角、1,600万ドルがアメリカ国内ではどれ程の大きさになるのかと見当が付けられる人が何人いるだろうか。私でも「凄く多額だな」という程度の感覚。ふと思い浮かんだのが、ウエアーハウザーの第10代CEOの2000年当時の年俸が200万ドル($1=¥100)で2億円だった事。これを現在の¥150で換算した所で3億円にしかならない。1,600万ドルが如何に凄いかの見当が少しは付けられただろうか。

私が在職中の1990年代末期の事で、シアトル市の北側にある湖水に浮かんでいるクルーザーや水陸両用機を持っているような豪華な水上住宅でも100万ドル(=1億円)だった。インフレが進んだアメリカでその相場が倍に上がったとしても2~3億円に過ぎない。

大谷夫妻のLA近郊の新居として推定されているのが、6~7ベッドルームで1,500万ドル(=22億5,000万円)だそうだから、大谷がどれ程の資金を失ったかが解るかと思う。これくらいの譬え話をしても良かったのではないか。