新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

何が「おばあちゃんの原宿」なのか

2024-04-11 07:19:00 | コラム
COVID(コロナ)以来の事で巣鴨地蔵通り商店街を歩いてきた:

昨日は母親の祥月命日で染井霊園に墓参りに行った。丁度天気も良かったので、何年振りかで、もう大丈夫だろうと、墓地からは17号線の反対側になる懐かしき地蔵通り商店街を歩いてきた。遅咲きの染井吉野を充分に堪能するまで鑑賞できたのは幸運だった。

何年前だったかも記憶が定かではない前回の散策時でも、この商店街は既に「おばあちゃんの原宿」というような雰囲気は薄れつつあった。昨日は縁日である「四の日」でもなかったので、歩いている人も少なくて拡幅された道路が綺麗になった事が目立っていた。

その商店街であるが、何時の間にか進出していた「肉のハナマサ」が繁盛し、神楽坂の肉まんの名店「五十番」が新規に出店していたし、贔屓にしていた煎餅屋の万年堂も規模を縮小して移転していたし、この店の目玉だった「5袋5百円」が消滅して「増量した1袋が5百円」に変わっていて、些か失望した。長年経済的な価格で下着類や靴下を買っていた洋品店の「まるじ」も店舗を縮小していたし、価格的な妙味も薄れた感が濃厚だった。

全体的な印象では「この商店街が必ずしも高齢者だけを標的(「ターゲット」なんて言わないよ)にしていない普通の店が多い状態に変貌していたこと」だった。ズバリと言えば「何処がおばあちゃんの原宿か」なのであり、多くの若い人たちが利用する普通の商店街の如きだった。この有様では、最早マスコミも「おばあちゃんの原宿」などと言う枕詞を付ける訳には行くまいと思った。

俗っぽい言い方をすれば「時代が変わった」のだろうが、物価が上昇し続けるこの時期にあっては、何時までも「おばあちゃんの原宿」であり続けられないと示しているようだった。嘗ては連日のように店外に長い行列が出来ていた「カレー饂飩」の名店「古奈屋」の店内も、昼時にも拘わらず空席が見えたし、値段の1,200円以上とあっては高齢者には魅力的ではないのだと考えさせられた。

30分足らずの散策だったが、時代の変化(もしかして、世代交代なのか)と物価高の影響をも感じさせられた地蔵通りを体験した次第。因みに、当方は地蔵通りからはやや離れた、現在は本駒込なる地名に変えられた旧小石川区駕篭町の生まれ育ちである。