新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

時代が変わったらしい

2023-07-20 07:38:25 | コラム
男子が脱毛する時代になったようだ:

ニュースを見ていると、脱毛業者が倒産したとかで前払いした代金がどうのと大騒ぎになっていた。すると、街頭でインタービューされた数名の未成年の男の子たちが「脱毛しないと汚らしい。清潔でない」と平然として語っていた。また、その分野の業者の女性が「近頃は男性も増えていて、すね毛や脇毛を脱毛して行かれる」と現状を語っていた。

「知らなかった事」でもあるが、寧ろ驚きだった。男性が全身脱毛してツルツルになってしまうことが清潔感を醸し出すとは、驚く以外の受け止め方がなかった。そうすることが清潔な男子として誰かの感覚に訴えるとは、価値観が変わってきたのか。大袈裟に言えば「世も末かな」と感じた。我々が若かりし頃には「柔弱」という言葉があったが。

かく申す私などは、旧制の中学に入った時から蹴球部員となり、毎日のように(あの当時ではボロであっても)ストッキングを着用して練習し、試合にも出ていた。結果として、当人は全く気が付いていなかったが、大学生になった頃にはストッキングで擦れたせいか、すね毛がすり切れたのか綺麗さっぱり消滅していた。何を隠そう、私はこれを恥ずかしいと気にしていた。更に気が付けば、脇毛も消滅していた。何と、現代ならば「時代の先端」を行っていたのだった。

こうなっていることが清潔感をもたらすのであれば、白人たちはどうなってしまうのだろうか。彼らの世界にいたから承知しているが、彼らの中には全身がほぼ剛毛で覆われている人は別に珍しくないのだ。現代の若者たちは、そのような白人たちを清潔ではないと非難するのだろうか。

私には若者たちが「脱毛しよう」と唱える業者に踊らされているのか、そうすると女性にもてるのか、あるいは彼らの美観と清潔感が時代と共に変化したのかなどは解らない。イスラームの世界の教えでは「髭を剃ってはならない」とあるので、商社では嘗ては中近東市場の担当者は髭面だったことがあった。NPBの選手たちには顎髭を蓄えている者が増えてきた。同じ現代の脱毛青年たちは、彼らを不潔と非難するのだろうか。