新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

フランスはパリでの暴動に思う事

2023-07-04 08:06:40 | コラム
あれは「余所の火事」と高を括っていられるのか:

連日、パリでは暴動が続いているという報道がある。18歳(だったか)の少年を警官が射殺した事に対する抗議が高じた事だと聞いていた。「フランス人とは意外にも活発なのか」程度に受け止めていた。ところが、昨日辺りの報道では、射殺されたのがアフリカ系の少年だったと報じられ始めた。その他に「安価な労働力を求めて海外から働き手を入れると・・・」との解説も付いてきた。

ここまで聞けば「一寸待てよ」となった。それは「嘗てフランスはアフリカに多くの植民地を持っていた国である」と認識していたので、「多くのスポーツの種目のフランス代表選手にアフリカ系の人がいるのはその為である」と解釈していた。言い換えれば「フランスではアメリカほど人種差別が厳しくないのだろうか」のようにも感じていた。丁度この時に、アメリカでは「アフアーマテイヴ・アクション」(affirmative action)の見直しが論じられている。

これらを総合すると、「我が国にとってもこのパリでの暴動の実態を知れば、決して余所事ではなくなる時が来るのではないか」と危惧するに至ったという事だ。要するに「アメリカにおける差別というか、人種差別をよく考えて見よ」なのである。アメリカでaffirmative actionの見直しが検討されている事から見ても、非常に微妙な問題だと思うのだ。

私は非常に控えめのつもりで「20年以上にわたったアメリカの会社勤めの間に、アフリカ系の社員に1度だけ出会ったが、彼らと膝つき合わせて語り合う機会などなかった」と何度か回顧してきた。タクシーに乗ったとき以外に彼らと言葉を交わす事はなかった。だが、アジア系というか中国系や韓国系には街中の至る所で接触の機会があった。だから「白人至上主義」という表現があるのだろう。トランプ前大統領は南アメリカ系の移民を強制的に送還したではないか。

他国の事情はこれくらいにして、我が国の実情を東京都新宿区民として概括してみよう。ここには「安価な労働力」として招き入れたのでは断じてないイスラム教徒の国から勝手に入国した多くの者たちが、自営業(イスラム教徒を対象にして店舗)を展開している。公式には彼らの数は中国、ベトナム、韓国等と比較すれば少数派なのだが、イスラム横町を中心に目立ちすぎる存在なのだ。彼らの住居も知らぬ間に住宅街にも及んできたようで、正直なところ不快である。

これまでに何度か「未だ彼らが刑事犯のような問題を起こしていないが、何時かはそういう事態が起きないという保証はないと思う」と述べてきた。彼らを新宿区、東京都、所管の官庁がどのように観察し扱っているのか知らないが、日本語は解らず英語を理解している者もいるという程度であるから、勝手にハラルフードの販売店を起こし、自国か同じイスラム教徒に「凌ぎ」の場を与えているとしか思えない。彼らが何時の日にか「差別されている」と言い出すかなどはアッラーの神しか知るまい。

イスラム教徒の問題はこれくらいにして、他国から流入してきてこの界隈の小売店(コンビニ等の意味)で急増している感が濃厚なアジア系の者たちはどうなのだろうか。まさか、彼らが安価な労働力として請じ入れられたのではあるまいが、明らかに昨年辺りまでとは雰囲気が違う。彼らが滞在許可や就労の認可を受けているとは思えないのだ。入管法を改正(なのか?)したと報じられているが、立案者はこのような外国人の働き手の実態を承知しているのか疑わしい。

私は先読みと深読みが好きだから、このように合法・非合法を問わず外国からの流入を許すと、好ましくない事態が生じてしまう例を、アメリカで充分に見聞してきた。アメリカやフランスのような海外の事情を知る事も肝要だが、その前か同時にここ新宿区の一角を視察して、「移民というか入国管理が行き届いていないとこうなる」と、充分に学んで貰いたいと思う。誰が学ぶべきかと言えば為政者だ。

長年薫陶を得た元日本興業銀行常務だった故上田正臣氏はしみじみと言われたのだった「偉そうにしている人たちでも、本当の海外の事情を知らないのですよ」のように。それは、私が常日頃述べてきたように「内側に入って見たアメリカ」と「外側から豊富な資料や統計と伝聞に基づいて知ったアメリカ」の間には大きな違いがあるのだ。後難を恐れずに言えば「駐在されて承知した取材したアメリカ」でも「内側」とは深みが違うという事。

話が少し本題から外れたかもしれないが、歓迎しようとすまいと、安価な労働力求めていようと何だろうと、外国からの観光客と移民の導入は事前の詳細な海外の諸国の事情と、国内の実態の把握が必要だと信じている。私の存命中にはアメリカのような嘗てのLAにおける韓国人とアフリカ系の間の争いや、パリでの暴動のような事態は生じないとは思うが、安易に異文化と他宗教の国からの人を迎え入れるのには、問題がると思う。その前に細心の準備と注意が必要だという事。