体に軸、心に軸、生き方に軸。 地球も北極と南極を通る地軸があって自転できるように、太陽系の惑星が太陽を中心点(センター)として公転できるように、全てにおいて軸というのは大切な要素で、これが定まらないと、ブヨブヨのからだ、どんよりとしたこころ、迷いの多い生き方になってしまいます。自分軸というのはとても大事なものですね。
さて、この世で「もっとも優れた軸をもっている人たち」って、誰だと思いますか?
高岡先生によると、それは「妊婦さん」なのだそうです。
「妊娠した女性たちは妊娠期間の後半になってくると、お腹の赤ちゃんの成長に伴って体重が増加してきます。と同時に出産に備えてホルモンの影響で骨格がたるんできます。身体は日々重くなってくるのに対し、日々骨格がたるんでくるのです。
妊婦さんの身体と心を支えるには強力な軸が必要で、妊娠4,5ヶ月頃からみるみる軸が通ってきます。そして、9カ月くらいになると、その軸の通り方は、競技スポーツ選手で言えば、世界のトップクラス級になっていくのです。」
なるほど、妊娠によって身体に軸が通り、出産によって母としての自覚が芽生えて覚悟が定まることによって心に軸が立ち、子育てによって生き方に軸が通るというわけですね。
子どもも、「三歳までは神のうち」という位ですから、子育て三年間はまさに神と共に生きている、という感じになりますね。妊娠期間を含めて、四年間はまさに宇宙に抱かれて生きて行くという感じになるでしょうか。二人生んで八年間をこうやって過ごすというのは実にすごい事ですね。
男性の場合は、このような急激な変化を体験する事ができないので、修行に打ち込みます。
座禅何十年で悟りを開いたり、武道や合気道何十年で神人合一の境地に達するのは大抵男性であるのは、女性にはそもそもそんな余計な修行は必要ないからです。
山岳信仰において、「女人禁制」となっているのは、女性蔑視ではなく、女性には必要ありませんよ、という意味なのでしょう。妊娠・出産・子育てで神人合一に達してしまうのですから。
日常の当たり前と思う事柄も、軸という観点から眺めてみるととても興味深いですね。