■ はじめて田沢湖を見たのは17年前、
1996年9月の秋田内陸リゾートカップチャレンジ100㌔マラソンに参加し、湖畔近くのホテルに1泊した時だった。
記憶にあるのは、つかの間に見た湖畔の辰子像、どんよりと垂れ込めた雲の中の、湖を取り囲む山々、静かな湖面だけ。
メインは角館~鷹巣だったので、田沢湖周辺を探索したり観光する時間がなかった。
2回目の今回は、コースが田沢湖の町を通過し湖を一周するので、
晴れていれば当地の景観を眺めながら走ることができるはずだった。
さて、3日前の大会結果ですが、
当日は台風18号襲来直前でスタート時から雨、湖は雨でけむり見えない、雨の中の周回ジョギングでした。
フルは走れ切れ、完走はしましたが制限時間をオーバーしてしまった。
こまかいアップダウンが続いたコースだったことと、
走りはじめは小雨で気温が22℃ぐらい、ムシムシ感があったのでランシャツ・ランパンで走ったのですが、
ハーフ中間点あたりから小雨が大粒の雨に変わり、気温が16,7℃に低下、冷たい雨に濡れつづけ、体のエネルギー枯渇とあいまって体が冷え、低体温症の不安がよぎりながらの走りでした。
35kmの給水エイド地点でボランティアのおばさんに、エイド使用の大きなポリ袋に、包丁で首と両手を出す穴を開けてもらって、それをかぶりひとまずホッ!
防寒・暴雨効果抜群!
なんとか歩かずにゴールをめざすことができました。
■ 以下、大会参加の概要です。
開催日:2013年9月15日(日) 午前10時スタート 天候 雨
開催地:秋田県千北市田沢湖町
大会種目:フル、20km、10km、ペアマラソン
エントリー数:フル 1559人 全種目 6176人
<前日9月14日(土)>
東京駅(行きは秋田新幹線「こまち」)
~ 田沢湖駅10:59着 ~ 駅前の乳頭温泉行きバス11:20発に乗車 ~ 田沢湖畔バス停11:50ごろ着。
田沢湖・白浜
前日のお昼ごろは、気温が30℃を越えムシムシ、湖畔のお店で昼食、アイスクリームを食べる。
周辺散策。
辰子像は、会場のこの位置から対岸にあった。
荷物預かり場所 や スタート地点などを確認後、受付を済ませる。
スタート地点は、去る8月9日に千北市田沢地区で発生した土石流災害の影響でコースの一部が変更。
当初予定の位置から数百m前の位置に変更されていた。
田沢湖畔バス停14:32発(羽後交通・乳頭温泉行き) ~ 宿泊地の田沢湖高原温泉到着15:00。
宿にチェックイン後、かけ流しの温泉に入り、夕飯までの空き時間は宿周辺を散策。
ブナ林、秋田駒ヶ岳などを眺める
夕飯は、18時過ぎ、たっぷり食べることができた。
寝ついたのは21:30ごろ。
<当日 9月15日(日)>
スタート前
1:30ごろ目が覚め、トイレをすませてから起床する4:40ごろまで布団の中でうとうと、再び眠れず熟睡時間は4時間だった。
最低6時間は熟睡したかったが、ま~いいか。
6:00過ぎ朝食、十分食べられた。
高原温泉バス停で、会場行きの無料シャトルバス7:30発に乗り、会場に向かう。
シャトルバスを待つ
朝のうちは秋田駒ヶ岳がよく見えた。
秋田駒ヶ岳
会場到着、8:05。
会場到着後
スタート後
スタート地点が最初の下り中腹に移動、その分5km付近で距離調整のコース変更がなされた
タイム経過:
1:00/スタート地点S~33:00(34:00)/5k~31:22(1:05:22)/10k~35:13(1:40:35)/15k~43:53(2:24:33)/21.0975kハーフ地点
22km地点が第1関門でしたから、15k~20kあたりで何回か時計をチェックし、関門通過のはらづもりとペース配分の調整をすればよかったんですが、20kmの表示も目に入らなかった。
かろうじて中間点ハーフの距離表示(ハーフ地点は、コースの変更により、上記高低図20km過ぎの最後の上りはじめにあった)に気づき時計を見た時は、2:24:33だった。
やばい!!
腕を振り、頂上を越え、下りを駆けると、まもなく関門の22km地点だ。
2,3人を追い越して、関門が見えた。
私の横を、視覚障害の女性ランナーが(仮に、Aさんと呼ぼう)が伴走の女性と一緒に追い越して行った。
遅れないようについていく。
Aさん、男性ランナー、私と関門を通過!
と、男性ランナーと私が、監察員に呼び止められた。
監察員:「制限時間を超えましたので、走るのを止めて下さい」
6:19(2:30:52)/ハーフ~22km。
第1関門の制限時間を52秒超過していた。
Aさんは伴走者と走り抜け、後ろ姿が見えなくなっていた。
ちょっとガッカリで、力が抜け、いただいたスポーツ飲料500ccを2本も飲んだ。
(雨が降って湿度が高いと、のどが渇くのかしら?)
(雨が降って湿度が高いと、のどが渇くのかしら?)
ゼッケンのタイム計測用タグをはく奪された!
参加賞の大きなタオルをいただく。
次々と制限時間を超えるランナーが溜まってくる。
一人の女性Bが、
B:「視覚障害の女性ランナーが通過しましたよね?」
とたずねてきた。
私:「え~、私の2つ手前を走って行き、関門をクリアーして次に向かいました」
B:「Aさんも伴走者も、私の友人なんです。一緒に走ってきたのですが、私が腰を痛めて遅れてしまったんです。伴走者も膝が痛いといってたんで、気がかりです。タイムオーバーしましたが、追いかけて行きたいんです」
関門にひっかかり、ちょっと解放されていた(?)私は、今回の参加は10月の100kmの練習のためだったのだ、
タイムがどうであれ、今回のフルを完走するためにやってきたんだ。
と思い直し、大きな参加賞タオルを後ろの腰にはさみ、
私:「一緒に、行きましょう!」
7分ぐらいタイムロス(休憩?)をして、Bさんと話ながら走りはじめた。
23km手前あたりで、伴走者と立ち止まっていたAさんたちに追いついた。
伴走者が走れなくなったのだ。
B:「美浜さん、伴走してくれませんか」
伴走の経験はしたことがない、しかしゴールまで走り切りたいし、
私:「え~、いいですよ、一緒に走りましょう」
2,3分立ち話。
A:「私は、伴走者がいないと、一人で走れないんですよ。伴走は、私の腕ふりに合わせてタスキを握ってるだけでいいんです」
A:「23kmは通過しましたか? 前は、ランナーがいないんでしょうね?」
私:「7分/kmで、30kmの関門通過は大丈夫です。前のランナーもパラパラ見えますよ」
… …
1、2km併走していきましたが、Aさんの走りがしっかりしている(後で調べましたら、60歳代茨城県の女性ランナーでした)
このままでは、私がばてて迷惑をかける。
前を行くランナーに追いつき、事情を話し、伴走のタスキをバトンタッチした。
私は、2人を追いかけて行く形になった。
そのランナーも、次の前を行くランナーに伴走のタスキを頼んでいる姿が見えた。
やがて、Aさんたちが視界から消えた。
中間点あたりから、小雨が大粒の雨になって降り続き、体のなかのエネルギーの枯渇とあいまって体が冷えてきた。
第1関門通過のランナーの後ろの人たちが、歩いたり立ち止まったり、その人たちをぽつりぽつりと抜いて行った。
冷たい雨だ。
湖は左手、湖面は雨で煙り、見えない。
右手に御座石神社が見えた。
スピードは上がらないが、7:30~8:00/kmぐらいのペースで、歩かないで走れそうだ。
25:40(2:56:33)/22~25k ~ 38:47(3:35:20)/30k 30kmの第2関門を3:35超過した。
(もう既に、タグは無いのだ)
(もう既に、タグは無いのだ)
第2関門にかかったランナーが6,7人いた。
横目で眺め、給水だけいただき、ジョグを続ける。
タイムを超過しゴールを目指す男女が数人、それ以外前後のランナーが少なくなった。
体が冷える。
低体温症のことが頭をよぎる。
湖畔の平坦コース(13:50ごろ)
若い時の体と違って、ランパン・ランシャツのウェアーで、はたしてゴールまで走り切れるのだろうか?
そんな迷いと葛藤しながら、まだ脚も腕も練習の時のペースで走れる…。
最後の急峻なアップダウン手前、35km地点のエイドステーションに着いた。
ボランティアのおばさんが、「寒くないですか?」とたずねてきた。
私:「体が冷えて、寒いです!!」
気温が下がり、湖畔のエイドは16,7℃ぐらいか? おばさんたちも寒そうだった。
私:「スミマセン!その使用済みの紙コップやバナナの皮を入れるポリ袋を一つ下さい。包丁で首と両手を出す穴を開けてもらえると助かります!!」
快く作っていただいた。
袋をかぶる
温かい!、これで助かった。
43:40(4:19:00)/35km(エイドのポリ袋休憩約6分含む)~40:39(4:59:40)/40k~17:09(5:16:50)/42.195kmフル
最後のアップダウン手前 (14:30ごろ)
35kmから1kmほど続いた高低差50mほどのアップダウンも腕を振りながら走って上ることができた。
前後に見える3,4人のランナー、湖畔の緑が目にしみる(雨が目にしみる-笑)木立ちの間を黙々とゴールをめざす。
40km過ぎ、
リタイアのランナーを拾いながら、収容バスが近づいてきた。
ランナーと同じスピードで走る。
乗りませんか?という誘い!?
事務局の車が通過、「ランナーのみなさん、3時を過ぎましたので、車道左に寄って走って下さ~い!」
このころは脚も回復していて、ラストの起伏も8分/kmぐらいで行けるだろう、腕を振る、振る、2,3人を抜いてフィニッシュでした。
おそらく、視覚障碍者のAさんは、制限時間内にゴールしたのでしょう。
ゴール後
相変わらず強い雨が降っていた。
素早く着替え、15:35ごろのシャトルバスで田沢湖駅に16:00過ぎ着。
駅前のお店で土産を買い、秋田新幹線スーパーこまち16:46に乗車。
スーパーこまち
途中は、台風18号の影響を受けず、20:50ごろ帰宅できた。
総括、他
私自身の今の年齢・走力で、この起伏コースでは今回の結果が妥当なんでしょう。
第1関門、35kmなどでのタイムロスを省いても、ネットで5時間の結果か?
ただ、2,3の反省点を見つければ、
① 前日睡眠を少なくも6時間とること
② 出だしの5k、10kをもっと抑えること。15k過ぎで関門時間を意識して制限時間をクリアすること。
そうすれば、脚太ももの筋肉疲労は発生しなかったのだから、30kmの関門もクリアーし、もっと頑張れたのかもしれない。
③ 前日夕、当日朝の食事は、しっかり食べることができたので、ガス欠の影響は今回感じられなかった。
むしろ、後半の体感温度の低下にそなえ、ウェアーをロングタイツ、Tシャツにしておけばよかったのかもしれない(防寒・暴雨対策)
制限タイム内であればそれにこしたことはなかったのですが、
今回の参加は、10月開催の伊南川100kmへの練習の一環が目的にあったので、頑張らず(途中でばててしまう)あきらめず、一応フルのゴールへフィニッシュできたこと、腰やひざに障害が発生しなかったので、満足の結果です。
追記(9月28日):
・低体温症、屋内こそ注意 屋外の3倍、8割が60歳以上