暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

老倒疎慵無事日・・・

2017年06月21日 | 暮らし

    「100年椿」と呼ばれる大木・・・屋敷森の「寧」にて


6月某日の午後、恩師N先生をお訪ねしました。
ちょうどお稽古日で4人の先輩方がいらしています。
皆さまの笑顔に迎えられ、懐かしく再会の挨拶を交わしました。
先輩方にお会いするのは5年半ぶりでしょうか? 

先輩が台天目をされるというので、正客に入らせていただきました。
N先生はじめ80代70代と歳を重ねているのですが、その稽古ぶりは目を見張るものがありました。

台天目といえば、11月の炉開き&口切の時に必ずS先輩の台天目の点前があり、
唐物の天目茶碗で濃茶を喫んだことが鮮明に思い出され、その話で盛り上がりました。
早速、N先生と先輩並びに社中の方を11月の口切の茶事へお招きしたい旨をお伝えしました。



              屋敷森の「寧」にて

それにしても、N先生と先輩方のお稽古の様子を拝見して
こんな風にお茶に励み、仲良く一緒に年を重ねて行くのは、なんて素敵なことだろう!

「この茶室が建ってから30年、その前からで50年近いお付き合いです」とN先生。
「その間、皆で先生と頑張ってきましたが、茶会・茶事で大変な時もありました・・・」と口を揃えて皆さま。
「お茶をしていると、ぼけている暇なんてありません・・・」と最長老・米寿(?)のS先輩。
「皆さんが頑張っているから私も何とかやってます。主人も亡くなりお茶が生き甲斐です」とK先輩。

老倒疎慵無事日  閑眠高臥対青山
(ろうとうそようぶじのひ かんみんこうがしてせいざんにたいす)

七事式・員茶の偈頌を思い出し、胸の中がほのぼのと温かく、思うところが沢山ありました・・・。




               屋敷森の「寧」にて



追伸)いつも当ブログをお読みくださいまして ありがとうございます!
   所用のため、しばらくブログをお休みいたします。
   また、どうぞお立ち寄りください。
     

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「染谷英明-茶盌展-」・・・屋敷森の「寧」にて

2017年06月18日 | 茶道具

           「染谷英明-茶盌展-」 6月10日(土)~21日(水)
             ギャラリー&カフェ「寧(ねい)」への木洩れ日のアプローチ



             「寧(ねい)」のエントランスの表札
 
昨秋の韓国旅行で知り合った染谷英明氏から
「染谷英明-茶盌展-」(主に井戸茶盌を展示いたします)という案内の葉書が届きました。
6月16日(金)にFさんとギャラリー&カフェ「寧(ねい)」(埼玉県伊奈町大針635-4)へ出かけました。
大宮駅でニューシャトルに乗り換え、伊奈中央駅で下車、迷って炎天下をうろうろしたあげく、染谷氏に車で迎えに来て頂きました・・・。

ギャラリー&カフェ「寧」は宮崎駿監督のアニメ「となりのトトロ」に登場するような屋敷森に囲まれた場所にありました。
その入口に立った時から個性的な表札や道案内の猫たち、緑あふれるアプローチや古木に心が躍り、
「なんて素敵な場所なのだろう! ここで個展をするなんて、どんな茶盌と出会えるのかしら?」と。
それまでは、「どうして大宮ではなくこんな辺鄙なところで個展をするのかしら?」
と道に迷い汗だくになりながら思っていたのですが・・・。


            100年椿のパワーを感じる、見事なコブの造形


              母屋のギャラリー

母屋がギャラリー、所々に花が飾られ、その花入も染谷英明作でした。
染谷さんは高校時代から絵を画いていましたが、定年退職後に作陶を始められたそうです。
根津美術館で開かれた特別展で織田有楽斎所有と伝わる大井戸茶碗「有楽」に感動し、
後に心の中で細かく再現できるほど見つめ尽したそうですが、
これを機に全く経験のなかった焼き物に取り組み始めました。




                     染谷英明氏の作品

「井戸茶盌のマチエール(肌合い)に魅せられて」
苦節12年間、ひたすら井戸茶盌を極めたい!と向き合ってきたそうです。
ギャラリーには今年の春に釜焚きした作品が並べられ、釜焚きの2回目(1回目は全滅?)にやっと自分で腑に落ちる井戸茶盌ができた気がしているとか。
展示品を観る間に、染谷氏から作陶への熱い思いを伺ったり、作品の感想を述べたり、抹茶とお菓子を御馳走になったり・・・とても充実した時間でした。


            染谷英明氏 (井戸茶盌や半泥子作品の話が尽きません)


            ピンボケですが、暁庵お気に入りの井戸茶盌

井戸茶盌の他にも楽茶碗、水指、ぐい飲みや汲み出しなども展示されていました。
渾身の井戸茶盌は一つ一つ個性が違い魅力的でしたが、白楽茶碗が1個だけあり、一目見た時から気になりました。
本阿弥光悦の「不二山」長次郎の赤楽「白鷺」を連想する雰囲気のある茶碗です。
白釉に黒っぽい灰釉がかかり、素朴かつモダンな味わいに惹かれ、この茶碗で濃茶を点てて喫んでみたくなりました。


             カフェ「寧」への道案内



その後に「寧」のカフェの方で頂いた野菜料理のランチ、デザート(オレンジチーズケーキ)、珈琲も美味しかったです。
6月21日まで「寧」(埼玉県伊奈町大針635-4 TEL:048-723-7371)にて開催中です。
よろしかったら是非ご高覧くださいまし。

染谷さん! 来年も「寧」で個展を開催してくださいね。楽しみにしています。

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「野の花を愛でる」茶会・・・(4)

2017年06月15日 | 茶会など
 
                   夏椿が満開です・・・散歩道にて

お心こもる後礼のメールや手紙を頂戴し、嬉しく何度も読み返しました。
ありがとうございます! 
第5回お茶サロン「野の花を愛でる」茶会の思い出に2通掲載させて頂きました。

 Rさまより 
ひんやりした空気が気持ちの良い朝です。
暁庵さま、日曜日は美味しいお茶を賜りましてありがとうございました。
お陰様で満ち足りた一日をすごさせていただきました。

花寄せでは私の無作法を寛大なお心でお許しいただき感謝申し上げます。
自由な気持ちで楽しく花が入れられて楽しかったです。

床の間の花入れは生まれた国も様々で表情豊か。
見立てられた花入れは用の美を感じましたし爵は真の花入れの品格がありました。
胡銅の花入れの源流は青銅器にあるのでしょうから当然と言えば当然ですね。
根津美術館の二階に青銅器の部屋がありますが、あそこは不思議な空間です。
夜 誰もいなくなったあの部屋で手をスッと上にあげたら宇宙にワープ出来ちゃいそうな・・・
行く度にそんなことを想像してしまう私です。
何年か前のことですけれども山村御流の展覧会を拝見した時
副家元(?)が爵をお使いでした。春蘭一種入れられた凛とした姿が強く印象に残っています。

野にあるように花を入れることは難しく遠い道のりですが花と向き合う時間は自分の中での充実を感じます。

暁庵さまがお道具を語られる笑顔。出会いのきっかけや手に入れるまでのいきさつ
ひとつひとつにドラマがあり、お話を聞いているうちに客もその物語の中に引き込まれ
共感できる楽しさを味わいました。
当日初めて会った連客の皆様とも一体感を持って一座建立できるのが茶事の素晴らしいところですね。
皆様との素敵なご縁をいただだきましたことにも心より感謝申し上げます。      Rより


 
                   鉢植えの「岡虎ノ尾」が咲いています

 Wさまより
この度は野の花を愛でるお席にお招きいただきまして 誠にありがとうございました
趣向をこらしたお花入れに 沢山の花から選ぶ楽しさに 皆様の心がひとつになっていくように感じました。
百人一首 お仕服とお客様方への細やかなお心配りに深く感銘いたしました
お道具それぞれとの出会いの物語も楽しく伺いました
銅鑼の余韻も強く印象に残っています 心に響く味わい深い音色で心にしみわたりました
初めて知る感動でした

隠し包丁の技が随所にひかるお料理 土鍋での湯漬け どれもおいしく食べやすく
お客様を思って下さるお心が伝わってまいりました
半東F様の薄茶席でのお話も楽しく座が和みました
お伺いする度に心あたためることができ幸せな限りでございます

又 至らぬ私が詰の大役をさせていただきましたことは大変有難くお勉強させていただきました
重ねてお礼申し上げます
なにとぞお疲れがでられませぬよう お祈り申し上げます        Wより


                  
                        道端に咲く七変化 (しちへんげ)

 暁庵より  
皆さま お心こもるお便りを頂戴し 誠に有難うございます!
毎回これにてお茶サロンを終了しようかしら・・・と思ったりしますが
精一杯茶会をやり遂げ、嬉しいお便りを拝見すると元気が湧いてきて、「今度はここをこうしたら・・・」と反省したり、
また、皆さまにお会いしたくなります・・・(これぞ○○バカの真髄かな?)。
先のことはわかりませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。          暁庵

 
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「野の花を愛でる」茶会・・・(3)

2017年06月14日 | 茶会など
                  


(つづき)

初炭を終えてから待合のテーブル席へ移って頂き、昼食タイムです。
よき「出会い」をより楽しくするためには、美味しい昼食が欠かせません。
それで、半東Fさんと腕まくりです。 
季節の食材、旬のものを手間暇かけて・・を心掛け、松花堂弁当と煮物椀をお出ししました。

「美味しかった!」というお客さまの声に安堵し、嬉しかったです。
特筆はFさん担当の鮎の焼物、飾り包丁を深く入れてくださったので、
骨まで全部たいらげて頂けたようです。水屋で相伴しましたが絶品でした。
最後に蓋物に入れた湯漬けをお出ししましたが、こちらも好評でヨカッタ・・・。

                  
                              鳥足升麻

写真を撮る余裕は全くなく、記念(?)に献立を記します。
○ 松花堂弁当
  向付  蛍烏賊  木の芽酢味噌添え
  焼物  鮎塩焼  
  炊合せ 蕨 揚げ茄子 里芋 椎茸 蒟蒻 サヤエンドウ
  和え物  天然もずく(沖縄産)の酢の物  青菜のお浸し
  添え物  スモーク卵(山形産)
  生姜炊き込み御飯
 
○ 煮物椀   五色素麺  鰊の炊いたん  オクラ  青楓麩  木の芽
○ 湯漬け   ちりめん山椒  沢庵
○ 酒   上善如水(白瀧酒造) 

昼食後、主菓子をガラス大皿に入れて運び、腰掛待合へ中立をお願いしました。

                  
                    Nさんから頂いた「半夏生(半化粧)」が大きくなりました

銅鑼を打ち、後座の席入です。
点前座は長板二つ置き。
釜は波文尻張釜(畠春斎造)と揖保川焼水指(池川みどり造、銘「黙坐」)です。
一碗目は、大好きな高麗御本三島(銘「伊備津比女」)で濃茶を練り、
「どうぞ3人さまで」とお出しすると、すっ~と茶道口の襖が開き、次碗(大樋、佳山造)が建水下に出されました。。
手に取るとほんのり温かく、そのタイミングに感激です・・・。
濃茶は「松花の昔」、小山園詰。
主菓子はきんとん・銘「よひら」、打出庵大黒屋製(横浜市中区日ノ出町)です。

                  
                             主菓子「よひら」・・・実際はガラス大皿にて

続いて薄茶となり、半東Fさんに信楽焼の2つの茶碗で薄茶を点てて頂きました。
信楽焼茶碗は鵬志堂イサム造、京都在住のだるまさんにお願いして弘法市で買って頂き、初使いです。
暁庵も席に入り、茶道具やお客さまとのご縁などをお話しし、薄茶タイムを楽しみました。

茶入は薩摩焼、15代沈壽官造、仕覆は能衣装裂(小林芙佐子作)です。
茶杓は銘「颯々」、前田宗源和尚作。銘がお気に入りです。
薄器は、冒頭の「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに・・・」の歌を想いながら忍ぶ草の蒔絵のある黒中棗を選びました。

野の花がいろいろな出会いを閑かに見守るなか、和やかな時間がアッという間に過ぎていきました。


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「野の花を愛でる」茶会・・・(2)

2017年06月11日 | 茶会など
          
           「水上青々翠」の御軸
            Wさまがいけたテッセンと春紫苑 (はるじおん)
            花入は白洲正子さん愛用の「鉄製燈明台」の写し、京都にて入手

(つづき)           
待合の掛物は「青楓に杜鵑」(奥谷秋石画)、
本席には「水上青々翠」(足立泰道老師筆)を掛けました。

摘んだ野の花や持ち寄りの茶花を花台と炭台に乗せて持ち出し、お客さまにいけて頂きました。
野の花と言っても季節が少しずれるだけで咲く花が全く違いますので、人も花も同じく一期一会ということでしょうか。
その移ろいゆく一瞬をいとおしむように、花入を選び、花を選び、その方の想いを込めて生け、それを共に味わう楽しさは格別でした。


          
          Sさま・・・紫陽花、ススキ
                ガラス花入(スウェーデン・コスタボダ製、白い織のような襞がステキです)
      
          
          Rさま・・・白い擬宝珠(ぎぼうし)
                駿河千筋籠

          
          Kさま・・・コスモス、野草(かもじ草?)
                やな籠 

          
          Hさま・・・テッセン、都忘れ、下野草
                花入は爵(しゃく、中国・殷周時代の青銅器の一つ。
                三本足の酒器で祭礼に用いた。もちろんレプリカですが・・)
        
          
          KSさま・・・南天の花、木萩
                 花入は韓国旅行のお土産の杼(ひ)。
           (杼は織機の付属用具、横糸とする糸を巻いた管を、舟形の胴部の空所に収めたもの。
            端から糸を引き出しながら縦糸の間を左右にくぐらせる)

お客さまとの出会い、野の花との出会い、花入との出会い・・・床の間が初夏の花に彩られていきました。

茶会最後の挨拶の時、詰・Wさまが
「花を入れながら、その楽しさに皆様の心が一つになったように思いました・・・」
と感想を述べてくださって、その言葉が嬉しく心に響きました。

 

               
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