暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

男梅雨

2010年07月16日 | 閑話休題
梅雨の最中こそ雨を楽しみたい・・・と、
「雨の名前」(高橋順子文 佐藤秀明写真 小学館)を購入しました。
雨の名前422語、雨の写真148点、詩等35編が掲載されています。

好きな夏の雨は、卯の花腐し、虎が雨、喜雨、狐の嫁入り、慈雨。
面白い雨の名前は、男梅雨と女梅雨。
男梅雨は、ザ-ッと烈しく降ってはサッと止むことを繰り返す
明快、陽性型の梅雨で、一時代前の快男児のイメージとか。
今年の南関東の梅雨は男梅雨でしょうか。

蝦夷梅雨、なごの小便(静岡県浜名郡)など地方独特の言い回しも興味深く、
稽古の合間に雨音を聞きながらページをめくっています。

佐藤秀明氏の写真が素晴らしく、見えるようで見えにくい雨を
写真に撮るご苦労や雨を表現する面白さが伝わってきます。

私も雨の写真を撮りたくなって雨中へ出かけました。
もう一つ、雨の日のサウンドスケープを聴きたくなって・・・。

             

知人の松本静枝さんが執筆された「和泉川のサウンドスケープ」
の一節をご紹介します。
    

雨の日、傘に当たる雨音に守られて歩き、
和泉川のスタートに立ち会ってみた。
森がびっしょり濡れて、幹の色が変わってくる頃、
温かく濡れる幹にぴったり耳を当ててみる。

すると、雨が地上につくる最初の川を樹の上に作っている
美しい水音が聴こえてくる。
雨が樹を伝わって流れてゆく音だと思うが、
雨の歓びの声も混ざっているに違いない。

それは、まさに雨水のオルゴール。
雨は瀬谷市民の森のすべての草木を養い、
湧水となり和泉川の源流を形づくる。・・・(後略)・・

「水辺からのレポートⅡ 横浜ふるさと和泉川」
 (川とみず文化研究会編)より掲載
                            

雨の公園へ出かけ、欅、ヒマラヤ杉、銀杏の幹に
ぴったりと耳を当てて雨水のオルゴールを聴いてみました。
傘が邪魔になり、肩と背中をぐっしょり濡らしながら・・・。
「無心帰大道」
心に雑念が多いのか、その日は聴こえませんでした。

写真も思うようにはまだ撮れませんが、
試行錯誤が面白く、雨の写真にはまりそうです。

   樹の瀬音 今日も聞こえず 男梅雨    
                            

   写真は、「雨の模様」と「雨の公園」

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