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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

又吉直樹 著 『夜を乗り越える』

2016-07-17 | 本の紹介
又吉直樹 著 『夜を乗り越える』(小学館よしもと新書)読了しました。

出版元の「小学館よしもと新書」ってあったかな?と思ったら、
小学館とよしもとクリエイティブ・エージェンシーが新しく創刊した新書だそうです。
今や、バラエティでもニュース番組でもドラマでも、お笑い芸人をTVで見ない時間はありません。
そのなかでも若者に人気のよしもと芸人が得意分野に応じて現代社会を生き抜く知恵やノウハウを紹介するのだそうです。

その第1弾は芥川賞作家となった又吉直樹さん!
以降、藤田憲右さん『ハンパねぇ!高校野球』(7月3日発売)、千原せいじさん『がさつ力』(8月3日発売)、
が予定されているそうで、よしもと専門の出版元が出来たことにビックリしました。

又吉氏は『夜を乗り越える』の中で、
昨夏の芥川賞受賞作『火花』の創作秘話や自らの読書体験、近現代文学の可能性を綴っています。
「負のキャラクター」を演じ続けていた少年が、文学に出会い、助けられ、
いかに様々な夜を乗り越え生きてきたかを顧みる、著者初の新書です。

辛いことをやり過ごさなければならない時、人によって必要なものは違ってくるでしょう。
音楽に救われる人もあれば、映画が必要になる人、そんな一つに文学もあります。
自分のこの辛さは誰にもわからないだろう、と思える時でさえ、文学の中に同じ人を見ることができます。
又吉さんは太宰治の『人間失格』を読んで、嫌だった自分と同じ主人公を見つけ、
「なんだ、自分だけじゃないのか!?」そう思うことで自分を肯定することができるのです。

文学、特に近代文学の面白さを熱く語った本でした。