雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

もしも筒が紙で できていたとしたら・・(VC200L魔物対策)

2015年03月21日 | それでも星は流れる
15日と16日の二晩続けて発生したVC200L撮影画像の異常な星の流れ。
既にVC200Lで苦闘された先輩の皆さんからいただいたコメントでは・・

「 筒がヤワなためたわみやすく、主鏡と副鏡の間で光軸のズレが起こっているのでは 」
というものでした。

たしかに今回は鏡筒バンドもタカハシのε-180ED用の頑強なものに替えて、
少なくともガイド鏡筒と赤道儀(EM-200)の剛性は完璧になったはず。
ガイドグラフもこれまで以上に良好となれば、VC200L本体を疑いたくなります。

わたしはこれまで何年もR200SSを使用してきたのですが、
昨秋に購入したVC200L(中古)の鏡筒が特にヤワなようには思えません。(素材も同じ?)
ただし、それぞれの光学方式のちがいや 鏡筒バランスを考えてみると、
明らかにVC200Lが不利なことがわかります。
まず重量バランスから、R200SSが鏡筒中央部でバンド固定できるのに対して、
VC200Lはカメラを付けると筒底ギリギリでもまだ尻重で筒先にウェイトを取り付けました。
つまりVC200Lではバンド固定部から副鏡のある筒先までが遠くぶれやすい上に、
副鏡で再び反射された光は鏡筒内を往復しなければなりません。
つまりたわみによるわずかな副鏡の傾きの変化は拡大されてカメラまで届くことになります。

そんな訳で一見すると丈夫そうなVC200Lの筒ですが、今回の魔物探しでは、
鏡筒は紙でできている
というぐらいの気持ちで臨んでみました。
( お世話になっているビクセンさん すみません。 たとえ話ですから・・

魔物探しに入る前にまずやった事があります。
 ⇒⇒ 
タカハシ純正のガイド鏡(D50mm f700mm)を、より軽量のGS-60S(D60mm f420mm)に戻しました。
タカハシガイド鏡の固定は強固なのですがガイド星を探せる範囲が狭く、
暗いものでがまんした結果StarLost が発生しやすくなりました。
短焦点のガイド鏡とミザールのガイドマウントで捜索範囲も各段に広くなるはずです。
( 今回の星の流れにはガイド鏡は関与していないと考えております。)


魔物探しを行うには魔物が現れた状況の再現からということで、
コード類もできるだけ忠実に再現してみました。

まず目についたのが・・
カメラ(Cooled60D)から垂れ下がる数本のコード。
カメラ電源(ACアダプタ)コード、冷却用コード、リモコンコードなどで特に冷却用コードはゴワゴワで
カメラに直接負荷がかからないよう、ピント合わせ用ハンドルにからめています。
鏡筒とカメラの接続はワイドアダプタを介していますが、ネジ部の肉厚が薄くカメラ固定に不安があります。
もしコードが引っかかっても直接カメラに力が加わらないよう
マッチプレートの45度張り出し部をコードが経由するようタイラップでリングを付けました。(手抜き工作)

そして、いただいたコメントからすると、VC200L本体の一番怪しい個所。
余りに尻重なためバランス用に取り付けた鏡筒回転用バンド(ハンドル取り外し)と0.6kgのウェイト。
バンド自体はやわな鏡筒の補強にもなってると思うのですが、ウエィトを外すとバランス大崩れ。
プレート側にウエィトを付けられないかなど、悩んだのですがR200SSとも共用したいし・・
それで結局 こうなりました。
あれっ どこが変わったの?

バンド+ウェイトをより鏡筒バンド側に近づけました。
撮影時にファインダーを取り外す事により可能になったものです。

なんか 中途半端のような・・

いいんです、これで。 これまでも妥協の連続でしたから。
それに流れた星の軌跡をみると突然動くようなケースもあり、
原因はたわみの他にありそうな気もしています。
今度晴れたらこれで検証してみます。
それと魔物が出なくなるまで、ISO800はやめて元のISO1600で露光時間短縮をはかります。

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『大山鳴動して鼠一匹』 の感ありますが・・
この時点でも”魔物”が何かわかっていません。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (びっけパパ)
2015-03-21 06:46:51
魔物の正体は雲上と申します(笑)
怪しいところを一つ一つ潰していく。
確実に魔物捕獲に向け前進しているのでしょうね。
うまくいくといいですね。
返信する
Unknown (のんた)
2015-03-21 07:51:43
詳細な検証参考になります。
自分もVC200LとR200SSを使っています。
VC200Lは焦点距離が1800mmとなり、やはりガイド鏡での運用は厳しいと思います。もし使うのであれば、微動装置を廃し、接眼部がたわまないように接眼部まで固定できるようにすべきです。現在はオフアキに移行しましたが、親子亀方式で撮影していたときは、VIXEN ED70SS+BORG1.4倍テレコンの560mmで、上記のようにガチガチに固定していました。また、バランスも大事なので、ロングアリガタとして、バランスが取れるようにしました。これで1800mmでもほぼガイドミスはなくなりました。さらなる星像を追い求めて結局はオフアキにしましたが...
参考にして下さい。
返信する
主犯決定!! (さすけ)
2015-03-21 09:05:39
前回記事のダーツの的をみるとほとんど満点(中心)状態ですよね。
と言う事は主犯は望遠鏡本体(VC200L)でしょう!!(^。^)。
お調子者、さすけでした~。
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今夜再検証できるか? (雲上(くもがみ))
2015-03-21 09:17:56
びっけパパさん おはようございます。
少しずつでも前進していると嬉しいのですが・・
今夜晴れたら再検証です。
早く撮影に専念できるように、もう魔物が出て来ませんように・・。
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1800mmへの道は遠い? (雲上(くもがみ))
2015-03-21 09:32:16
のんたさん 経験からのアドバイスありがとうございます。
VC200Lのガイドの厳しさを知ってから、常に頭の隅っこに”オフアキ”という声が・・(笑)
オフアキならガイド鏡不要な上に、筒がたわもうが、ミラーが傾こうがお構いなしですもんね。
ビクセンのアリガタが弱いという情報から高額の鏡筒バンドを買っちゃったのでもう少し親子亀で頑張ってみます。
やはりVC200Lの鏡筒バランスには皆さん苦労されてるんですね。
返信する
今夜晴れますように (雲上(くもがみ))
2015-03-21 09:36:01
さすけさん ダーツ標的の結果としてはいけてますよね。
今夜晴れたらこれで再挑戦してみます。
それを逃すとまた雪マークが・・
返信する
GPVの言う通り (さすけ)
2015-03-21 23:13:50
>今夜晴れたらこれで再挑戦してみます。
23:00、上越の空は曇ってきちゃいましたね~。
ほぼGPVの言う通りです。
http://weather-gpv.info/
と言う事は午前1:00からは晴れます、5:00まで。
返信する
予想外の風が (雲上(くもがみ))
2015-03-22 01:07:39
さすけさん GPVではわからなかった強い風が吹き始めて
遮蔽パネルは倒れるわ、防犯灯隠し竿はあさっての方を向くわでさんざんです。
せめて風が収まらないことには。
返信する
雲上さんが (さすけ)
2015-03-22 04:09:25
>せめて風が収まらないことには。
4:00。外に出てみました。星は見えるけど若干風が。ちょっとした風でも雲上さんが飛んじゃいますね。
気を付けて下さい。
じっくりとやらせてもらえませんね。
返信する
たたかい済んで、夜が明けて (雲上(くもがみ))
2015-03-22 09:42:48
さすけさん 結局朝まで頑張りましたが、風が弱くなったら更に空が悪くなりました。
パソコンに取り込んだらほとんど流れていました。(ガックリ)
これから冬囲いの取り外しを終わらせてから、検証してみます。
返信する

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