雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

これじゃほんとのコレクター (3個目の コレクターPH)

2015年07月27日 | 機材
前回記事 で出題した「画質改善のためのプラスアルファ」 の答えの一つは、
Vixen純正 R200SS用の コレクターPH でした。

R200SS鏡筒を本格的なアストログラフに変身させる高性能補正レンズ」 というふれこみや、
ビクセンがやっと本気をだした」 などとも言われ、
この事はR200SS鏡筒価格の約半分という価格設定からも伝わってきます。
正式な販売は8月6日なのですが、数量限定で先行販売されていたものを入手しました。
(Temma2M購入以来、このところ金銭感覚が麻痺していました。)

歴代のR200SS用のコマコレクタ本体の記念写真です。
鏡筒およびカメラに装着するためのアダプタ、Tリングを付けた状態です。

購入前に、コレクターPHの鏡胴が長くてバランスがくずれるのではと心配したのですが・・

接眼部にすっぽり収まるため、その心配は無用でした。
ただ、最初に挿入したとき途中でひっかかってしまい、
一度Tリングのネジをゆるめて、装着してからネジを締め直しました。
光軸ズレを防ぐためか接眼部内径ピッタリのサイズで作られているようです。

肝心の画像がどの程度のものか? ですが、前回記事と同じ夜に撮った「ペリカン星雲」で
以前撮った画像と比較してみました。

ペリカン星雲 (はくちょう座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 7/ 22am 01:50’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出10分×5枚 ISO 800
Cooled 60D (気温28℃ 冷却 +2.5℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

処理後の画像では星像が補正されてしまうため、処理前の一枚画像で比較します。
枠内を拡大した画像です。
横に星像が流れているように見えますが、撮影画像5枚の星の位置データ、PHD2グラフから、たわみによる流れ、ガイドブレは少なかった事がわかっています。

続いて昨年7月20日に撮った一枚画像です。(R200SS+MPCC EM-200USDを使用)
枠内を拡大した画像です。

比較して見ると明らかにコレクターPHの星像の方が切れ味がするどい事がわかります。
しかし! その分星像のブレ(?)が余計目立ちます。
この前に撮った「干潟星雲」「オメガ星雲」でも、ここまでひどくないのですが、やはり星像のブレがありました。

はずれ”を引いたのでは?
そう思って、ビクセンのHPの問い合わせコーナーに画像を添付して投稿しました。
ビクセンからの返答は早かったのですが、原因としては
コレクターの他に鏡筒の光軸ズレも考えられるのでR200SS鏡筒も着払いで送ってほしいとの内容でした。
R200SS鏡筒まで送るとなると撮影に支障が出るため、
こちらでも可能な原因の切り分けを行ってから送る事にしました。
切り分けの方法としては、画角を回転させて星像の変化を調べる事で。

25日夜、職場のOB会で飲んで帰ると星が見えていたため、
酒が残っていたのですが徹夜で検証を敢行。
その結果は・・・
検証画像だけで記事一本分あるのですが、ここは結論だけを報告します。

原因はコレクタPH本体にでは無く、鏡筒・カメラへの取り付け精度(平行度)の問題のようです。
そこで別のTリングに付け替えて、昨夜月明かりの中で再検証してみました。

球状星団 M13 (ヘルクレス座)
( 画像クリックで元画像の35%まで拡大 ) ノートリミング
( 上が北の方向 *元画像を180°回転しています。)
撮影DATA: 2015/ 7/ 26 22:19’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出8分 2分×各4枚 ISO 800
Cooled 60D (気温26℃ 冷却 +3℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
中央のM13の等倍切りだし画像です。
年老いた黄色い星の集団の中に、若い青い星が混じっているのがわかります
星像のエリア別拡大画像は省略しますが、
処理前の画像でも左側で星が少し楕円になっている程度の、ほぼ完ぺきな星像が得られました。

一応、昨夜月明かりの中でのおりおんショットです。
日が替わる前に雲が出たので、撤収しました。

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一時は鏡筒まで送ってしまったらどうなるんだ!
と思ったのですが、・・良かった。
ただ、このコレクターかなりデリケートなようです。
コレクターが3本も揃いましたが、コレクター(収集家)ではないので
前の2本とは安心してお別れする予定です。


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14 コメント

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Unknown (おりおん)
2015-07-27 18:55:21
プラスアルファはコレクターPHでしたかっ!!
Temma2Mに続いて、これまた高額ですね。
おっしゃるように、確実に金銭感覚が・・・(笑)
かなりシビアなようですけど、これで悩みなくどんどん撮影できますね。
ほんと、鏡筒送らなくてよかったですよねぇ。
返信する
送らなくて良かった。 (雲上(くもがみ))
2015-07-27 19:07:16
おりおんさん こんばんは。
ほんと、ポチッて簡単で、翌日には届くのですからクセになったら怖いですね。
一段落したので、以後注意します。(笑)
ビクセンさん、かなりこのコレクターには自信を持ってるようですね。
コレクターだけだったら、もう送ってましたよ。たぶん。


返信する
Unknown (びっけパパ)
2015-07-27 20:50:17
お酒を飲んでも徹夜で検証しちゃうってどこの若者ですか!
あと20年は楽にやれそうですね。
しかしこのペリカンは見事ですね。
ペリカンだけだとおかんに怒られることもないですし(笑)
M13も細かいところまでツブツブと。
返信する
Unknown (テナー)
2015-07-27 22:24:05
こんばんは
こんなに早くコマコレクターPHの検証記事がましてや雲上さん
からとは、本気度がやはり違いますね。
それにしてもあの価格では二の足三の足踏んでしまいますよ。
検証からPHのクオリティには納得です。
返信する
+アルファのおかげです (雲上(くもがみ))
2015-07-28 00:18:54
びっけパパさん こんばんは。
昨日はじきに雲が出て徹夜にはならなかったのですが、
さすがに2夜連続で夕食後ウトウトしていま目が覚めたところです。
ペリカンは1時間未満の露光だったのですが、
低感度(ISO800)と冷却デジカメの効果があったようです。
それとEOS Utilityのライブビューによるピント合わせも。
M13はコレクタPHの能力がでたものと思っています。
返信する
無いとなると欲しくなる (雲上(くもがみ))
2015-07-28 00:23:56
テナーさん こんばんは。
わたしも最初は買うつもりは無かったんです。
買うにしても通常販売で割引になってからと。(笑)
ところがたまたま在庫を聞いたところもう無いと聞いて・・
無いとなると急に欲しくなって探しちゃいました。
値段が値段なんで当然といえばなのですが、
これまでのコレクタとはまるで違う星像が得られました。
返信する
大変でもあり、楽しくもある。 (ミッチー)
2015-07-28 21:19:14
いやー、鏡筒いじらないといけないですね。
僕なんかいまだにいじっては「しまった!」の繰り返しです(笑)
この安定しなさというのが、大変でもあり、楽しくもある。
まあ、ここぞという時は「ばっちり」であって欲しいんですが、
そうもいかないんですよね~。

ところで、このコマコレクタは鏡筒内に出っ張っりますか??
返信する
故障者リスト?のVC200L (さすけ)
2015-07-28 22:00:20
故障者リスト?で2軍にいるVC200Lが早く1軍に再登録してほしいですね。やっぱり長距離バッターは魅力です。
せっかく活躍の場(EM-200Temma2M)ができたんですものね。
返信する
R200SSに特化したもの? (雲上(くもがみ))
2015-07-28 22:40:43
ミッチーさん こんばんは。
先日 主鏡を洗った際に初めて光軸調整なるものをやってみました。
今回の星像ブレ現象、最初それが悪かったのかと思いました。(笑)
結果はそちらでは無く、コレクタ、カメラの微妙な取り付け角度の問題だったようです。

さすがにR200SS専用コレクタですので、鏡筒内に出っ張ることはありません。
このコレクタ、他の鏡筒への汎用性はどうなのかな?
返信する
生まれ変わったR200SS (雲上(くもがみ))
2015-07-28 22:52:10
さすけさん こんばんは。
そういわれてみれば、Temma2Mを買った理由は長焦点でのブレの問題でしたね。
今回コレクタPHを使ってみたら、これがすごいんで
もうちょっと実力を出させてやろうと思います。
そのうちVC200Lと、生まれ変わったR200SS+エクステンダーの
対決もやらせてみたいですね。
VC200Lは鏡筒の重量バランスが悪いのと、
ヤワなのが弱点になっています。
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