伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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自治体の資産 負債に変質してないか

2016-10-15 17:42:54 | 行政経営
(その資産は、将来役に立つのか)

国は、借金をどんどん増やしつつ、
公共工事などを行い、景気を刺激する政策を行っています。

賛成、反対を言う機会もないままに、
将来世代に国債の返済を押し付けることは
大問題と思いますが、

もう一つ気がかりなのは、
そうやって作った「資産」が、将来世代にとって
役に立つのか、必要不可欠なのかということです。

将来世代が生活する時に、
必要不可欠な資産となっていれば、
借金の返済を押し付けられても、
まだ我慢ができますが、

もし、役に立たない資産を残され、
その建設費用の返済を背負わされたら、
二重の意味で将来世代にとっては迷惑です。



(バランスシート上の評価)

自治体の財政状況をバランスシートで示すと、
次のような図になります。



中身については、
「統一的な基準による地方公会計マニュアル」(平成27年1月)総務省
では、次の通り定めています。





(高速道路を作りました)

自治体が税金を使って、ある区間に高速道路を建設したとします。
バランスシートの右側の「資本」を使って、
左側の「資産」の中に、インフラ資産として道路が増えます。



大まかに言えば「資産」とは、負債や資本を使って調達されたもので、
自治体に帰属し、収益や効果をもたらすことが期待されている経済的価値。
固定資産や、流動資産などがあります。

この道路が、見込み通りの利用があれば良いのですが、
作るには作ったけれど、まったく利用者がいなければ、
非常に無駄な固定資産となります。

極端な場合、利用者がゼロでも、
高速道路として使えるように維持管理するには、
それなりの費用がかかります。
行政にとってはコスト。

行政は営利を目指していないので、
利用料が黒字にならなくても社会的合意があれば、
建設や維持管理はOKだと思います。

しかし、利用者が限りなくゼロに近ければ、
行政として、あるいは社会として、その区間の高速道路を
持っていることは、コストがかかるだけであり、
そうなると、もはや「資産」とは呼べず、
実質は「負債」でしょう。



青森市長が、第3セクターが経営する複合商業施設「アウガ」
経営不振の責任を取って辞任されるようです。

だれも利用者がいない高速道路だけでなく、
当初の見込み以下の効用しか発揮できていないような資産は、
漫然と「資産」として、ひとくくりに考えてはいけないと思います。

「資産」の中身に目を向け、本当に役立っているのか、
それとも、負債に転落していないか、
厳しい目でチェックが必要ではないでしょうか。







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