伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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世界はこう変わる

2016-01-24 11:38:34 | 大きな時代の変革期
山口揚平著
「10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと」の
コンセプトと私のコメントです。


●結婚は、“オワコン”化するのか?
(注:「オワコン」とは、すでに時代遅れで終わっているコンテンツの意)



結婚はあくまで制度。社会秩序の維持には役に立つが自然システムには逆らう。
先進国の多くは離婚率が20%に達している。私生児(婚外子)も40%代の国が多く、
スウェーデンは54%。日本はわずか3%。

スウェーデンは私生児が50%を超えているが、子どもはすくすくと素直に育っている。
それは両親が離婚しても、結婚しなくても、彼らにとって
お互いによい距離感を保ったパートナーシップを作っているから。
社会はそれを応援し、支えている。
子どもを育てる本質は、結婚制度ではなく注がれる子どもへの愛情にある。

「結婚」=「家庭」ではない。
硬直的な制度に甘えるのではなく、自分と最愛のパートナーに合った形を考え、
自立的にパートナーシップを作って行く事が大事。
これから日本やアジアでも結婚しない夫婦(事実婚)は増えてゆくだろう。

(多田コメント)
「結婚」=「オワコン」説は新鮮でした。
現実に非婚の男女がこれほど増えているのですから、
制度疲労なのかもしれません。
新しい家族の形を考える時代になっています。


●モノを作る世界から、作らない世界へ
現代の若者と上の世代の価値観の違い。上の世代は
more and more(多ければ多いほど良い)と考えている。
今の人は
less is more(物事はシンプルなほうがいい)と考えている。

すでにヨーロッパでは、モノを作ることは悪と考えている。
モノはいずれゴミになる。それは廃棄コストになり、最終的には社会的損失。
家具や家電をアジアなどで大量生産してタンカーで運んで売りさばくなんて、
とんでもない時代錯誤と考えている。

モノは作らなくても調達可能。必要な物をお互いに譲り合うことは可能。
また、メーカーからデータを送ってもらい、村に一つある3Dプリンター工場で
プリントアウトすることも可能。モノを大量生産して物流する必要は無い。

若い人たちは、モノをシェアしたり、生活をシンプルにすればするほど、
人間関係や自分の住んでいる周りの空気や気持ちがよくなることを
直感的に知っている世代。

(多田コメント)
より多くのモノを持とうと夢中になる中で、
見失ってきた大切なものがあった。
モノより大切なもの。大切なものは目に見えない。


●システムを運営するマジョリティが少数派になる
マジョリティは、今の世界・システムを維持・運営する人々。
マイノリティとは、そこからあぶれて、新しい仕組みを作ろうとする層。

ニート、コミュ障、若年派遣労働者、同性愛者、シングルマザー、
独居老人、年収200万円以下の層(1000万人)などが、
正規雇用労働者や専門職、公務員などよりも多くなり少数派と多数派が逆転している。

格差がある一定までくると社会のシステムが変わる。
マジョリティはタテ社会。一番下から労働やお金や票を吸い上げて上から
シャワーのように降らす仕組み。
一方、マイノリティは中心をくりぬかれた周辺部にいるので、
横でつながり融通し合うシステムを作る。社会のあり方がぜんぜん違う。

(多田コメント)
上位1%の金持ちが、世界の富の半分を持つという、
格差社会が進んでいます。
マイナスの状態にある人が、一定数以上になると
社会の根本的な改革が必要です。


●問題は、それが起きたのと同じレベルで解決することはない
人生で最も大切なことは「意識の焦点」。
いつも異なった次元からモノを見ることを心がけている。
意識の焦点を3次元、時間、空間、お金に置くなら、
君はお金という次元を越えることができない。問題は解決しない。
アインシュタインの言葉:
「問題はそれが起きたのと、同じレベルで解決することはない」

(多田コメント)
日本はどうにもならないほどの借金。
返せるあてもないし、ますます進む少子高齢化構造では、
現在の社会保障制度は維持できません。
カネが無いなら、無いなりに暮らせる社会を
想起するしかありません。



<これからの教育>

●教育が時代遅れである理由
「教」は、社会秩序や社会で求められていることを教え込むこと。
「育」は、個人の個性を育むこと。
両者は若干矛盾した概念。社会でスムーズに生きていく力と、
自分を解放して生きることを両立させる。
「育」は自分でやらなければならない。

「頭が良い」の定義は変わった。
昔は、情報・知識の量・正確さなどメモリー能力が求められた。
現代は、クリエイティビティ(思考力・想像力)へシフトした。
鍛えるべきは、人に助けてもらえる「愛嬌力」や「うろおぼえ力」。
調べられるものをいちいち憶える必要はない(アインシュタイン)

・クリエイティビティ:何を考えなければならないかを考える能力。
 一見無関係なものに有機性を見いだす能力。イメージング。ストーリーテリング。
・うろおぼえ:もやっとした記憶で十分。あとは検索。

(多田コメント)
求められる能力が大きく変わってきていることに
日本人は気がつかなければなりません。
いまどき、ネットで検索すればすぐに出てくるようなことを
大量に暗記することに時間と労力を費やすのは無駄。
大学入試もパソコン持込可で競うような
入試問題にすべきと思います。


●意識の集合体を形成することが新しい産業になる
これからの産業は、お金を儲けるための経済体を作るよりも、
ある価値観を持った共同体を作るというふうにシフトする。
企業の位置づけは、特定の価値観を持った共同体になっていく。
そこに共感する人がメンバーになる。

企業が何をするかはどんどん入れ替わっていく。
買収も合併もどんどんおこるが、企業の魂がかわるということではない。
一方で、明確なビジョンと価値観、理念、強い求心力と遠心力を持った
共同体的な企業はますます強くなる。

(多田コメント)
団体のもつ価値観・ポリシーが大事になってきます。
共感する人はメンバーに参加するし、
多くの人が共感すれば、支援者やお客を獲得できます。
NPOや自治体においても同じではないかと思います。


●君達は旅に出なければならない
小学校から大学まで、今教室で行われているすべての授業は、
教室からなくなる可能性がある。
世界最高の講師によりウェブ上で学ぶことになる。知識は場所を選ばない。

しかし「教室」はなくならず、移動し続ける。
教育とは知識と意識を学ぶ場。したがって身体で学ぶ学問は当然残る。
我々は場所と環境を変えることによってしか、
新しい視点や問題意識を手に入れることはできない。
私たちは場所と環境を変え、新しい問題意識を手に入れ続けなければならない。

旅をし続けなければならない。そうでなければコモディティかから逃れられない。
大事なことは知識や情報ではない。意識だ。
知識は体験による身体感覚との統合を経て、初めて知恵となる。
物理的な環境の変化のみが意識変革をもたらす。
21世紀の教育は「移動教室」が本命となる。

(多田コメント)
実際に現地へ行ってみて、そこの場を体感することが
より重要になってくるのでしょう。
「地名を3回聞いたらその場所へ行ってみろ。きっと、役立つものがる。」
という意見もあります。
単なる観光地とは違う意味で、
人が訪れる目的地になれればすばらしいですね。



<次の時代に必要なもの>

●21世紀に必要な3C
君たちが受けてきた教育は前時代の産業システムに基づいたものだから
これからは役に立たない。今後学ぶべきは「主体性」と「共感心」。
グローバルに生きて、さまざまな価値観を知り、自分との違いを分かった上での
人間関係・信頼の作り方。

学ぶべきは、コンピューターのプログラミングや英語ではない。
それらはアプリケーションであって、あとでいくらでも付け足せる。
20世紀に必要だった3Cは、キャッシュ(金)、コネクション(人脈)、
コンペティティブネス(競争心)。
21世紀の3Cは、キュリオシティ(好奇心)、クリエイティビティ(創造力)、
クレディビリティ(信用力)。

(多田コメント)
グローバル人材の育成と言うと、英語や、プログラミングが注目されがちですが、
それらは単なるアプリケーション。


●イーロン・マスクを産む時代
普通我々はリソースベースで物事を考えてしまう。
これは手元にあるものでどうにかしようという発想。
だがこれは分業とネットワークが十分でなかった20世紀の発想。
いまや世界はあらゆる分業と資源の調達を可能にする。
新しい物事の実現に必要なのは構想と信用と公共精神。

(多田コメント)
すでに世界に人材や資源・技術は存在します。
それをどうつなげて創造していくか。


●21世紀のための、アートとデザインを学べ
・すべての人はアートとデザインを学ぶべき
・アートとは、私たちが知覚した本質を言語以外で具体化したもの。
・デザインはノイズアウトすることによる人々の認知コストの低減。

 余計な情報をなくしてみんなに同じように伝わるようにすること。
 デザインの目的は一般化することであり、大衆の理解を得ることにある。
 そこには人々への愛がある。
・アートとデザインは矛盾しない、むしろ補完関係にある。
21世紀の仕事はアートとデザインしかない
 なぜなら言語化される事業は機械化されるから。
 これからは機能ではなく、コンセプトやデザインで
 ビジネスを強化することが増える。

(多田コメント)
デザインについては、私も以前から注目していました。
それは単なるものの外形のデザインではなく、
制度やコンセプト、社会のあり方などを再設計するような
広い意味のデザインとして

アートにも関心を向けたいと思います。



<二つの旅>

●意識の持ち方
・「受動」から「主体」へ、「自意識」から「他意識」への変換が大切。
・君達は消費者から生産者にならなければならない。
・意識の変換が大事。知識はあとからついてくる。
・「変わろう」と意識を持った時、すでに人は変わっている。

(多田コメント)
大量生産・大量消費の時代は終わりました。
無自覚の受身の意識のままでいくのか、
それとも、主体性を見つけるか。


●恐怖への本質は自己否定
・君達はこれから10年かけて自分を取り戻す旅に出る。
 一つは外の世界へ貢献(コントリビューション)を続けて成果を出し、
 認められ、お金を得ること。
・もう一つは自分の内側への旅。
 どうしても嫌いなタイプの人間がいたら、それは君自身の一つの姿であると考える。
 この世に他人など存在しない。他人とは自分の心に生まれた感情の破片。

(多田コメント)
十牛図(じゅうぎゅうず)に通じるものを感じます。


●人生においてしなければならないことなど何もない
・君はその存在そのものが価値あるものである。それを認めるしか人生の
 本当のスタート地点に立つすべはない。
 死ぬほど頑張って何億稼いでも、自分の本質的価値に気づかなければ、
 死ぬまで走り続ける。
・内なるバイアス(偏見・他者嫌悪)を癒せなければ心の平安は得られない。
 だからこそ青春の本質は自己否定の内外の旅だと私は言いたいのだ。
・エリートとは学歴でも出自でも所得でもない。自己が満たされている故に
 公共への忠誠を尽くす魂を持つ者のことだ。

(多田コメント)
「君はその存在そのものが価値あるものである」と感じられることが、
ようやく人生のスタート地点なのだと思います。
幸せの研究をヒントに、無意識界で私が見つけた宝物こそ、
それでした。



●この世で一番大事なことは「愛」を知ること
いくら知識を持ったって、愛の無い人間が使ったら幸せになれない。
すべては愛から始めなければならない。君の心にはいつも愛があった。
他者に対する優しいまなざしがある。それをもって、この世界を、
そして君の人生をより豊で幸せなものにしてくれたら私は嬉しい。

(多田コメント)
自分が何よりも大切にされたこと、それを思い出すことで、
自分の存在を肯定し、他者・世界とのつながりを実感し、
世界を、他者を愛することができるのだと思います。

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