春の甲子園で優勝した健康福祉大学高崎高校。
優勝おめでとうございます。
最後の打者を三振に打ち取りました。
それまでの配球を見ていて
最後は外角低めのストレート、
と予想していましたが、
アレッ、打者の手元で変化しました。
スライダーだったようです。
試合全般において素晴らしかったですが、
特に配球のうまさに感心しました。
どんなキャッチャーなんだろうと調べてみると、
健大高崎が輩出した歴代キャッチャーの中でも1番
との監督の評価でした。
歴代キャッチャーには柘植 世那などプロ選手が
4人もいるのですから凄い評価です。
健大高崎野球に興味がわいたので
本を2冊読んでみました。
どちらもスポーツライターの田尻さんが、
健大野球部・分析担当の葛原さんの話をまとめた本です。
「機動破壊の秘策」2017は、
よく考えられたプレーや戦術が紹介してあり、
なるほどな~と感心。
少年野球でもすぐに取り入れられます。
問題なのは「機動破壊の解析力」2018。
どこの強豪校も対戦相手のデータ分析は常識ですが、
そのレベルが凄すぎ。
とても「高校生」のスポーツのレベルとは思えません。
ひと言でいうと「えげつない」
誉め言葉です。
「そこまでやるか?」という徹底ぶり。
野球はもちろん、高校生のあらゆるスポーツの指導者にとって
衝撃的な内容。
甲子園に出場した高校でもできていない場合もあるし、
プロ野球でもできていないケースも書いてありました。
相手チームの選手の分析やチームの分析結果は
試合で役に立つ形で選手に伝えられます。
健大高崎の選手たちは
自分たちの戦力と相手チームの戦力が
闘う前から詳細に分かっていたので
今回の春の選抜甲子園は自信をもって臨めたのでしょう。
本書の後半に書かれている
「セイバーメトリクス」は知りませんでした。
ビル・ジェームズが提唱した野球についての
客観的・統計学的な研究。
例えば打率やホームラン数だけでなく、
四球を含めた出塁率や、盗塁、犠打なども含めて
総合的な得点への貢献度などが測れます。
高校野球の指導やチーム作りに
これほど活用している例は他に無いようです。
監督の選手起用や作戦立案だけでなく、
選手自身の成長目標の設定にとても有効。
この手法は他のスポーツに応用可能と思います。
この2冊は葛原さんが健大高崎のスタッフ時代に書いたので、
核心部分は非公開でした。
現在は健大を退任されましたので、
門外不出だった部分まで公開した
2021年に出版されています。
こちらもぜひ読んでみようと思います。
日本の高校野球全体のレベルアップのために
書かれたのだと思います。