伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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学習する組織

2007-10-05 22:47:10 | 行政経営
昨夜は、
アクションラーニング事例研究会に出席しました。
会場は東京駅前の丸ビル。
NPO法人日本アクションラーニング協会が主催です。

アクションラーニングとは、
組織における問題解決と学習を、
同時に行うプログラムです。

課題提供者に対し、
チームメンバーが質問と振り返り(リフレクション)を
繰り返すことで、真の課題を見つけ、
その解決法を見つけ出すものです。

特徴的なのは、メンバーの質が
均一でない方がよい、という点です。
つまり、多様な見方が柔軟な解決策を生むのです。

意見のぶつけ合いや、ディベートは、
勝ち負けと共に対立も生みます。
一方、質問は理解と協調が深まります。

個人的な問題を、
個人の力で解決する場合には、
意見交換やアクションラーニングは不要です。

しかし、組織の課題を、
組織として解決することを目指すならば、
関係者が互いの立場を理解しあい、
表面的な問題の裏にある、真の課題を共に自覚し、
協調して解決に取り組むことが必要なのです。

かつての時代、組織を取り巻く環境の変化は
かなりゆっくりしていました。
課題があっても時間をかけて論理的に考察し、
一つしかない正答を導き、
それを実行すればよかったのです。

しかし、今日ではいろいろな環境や条件が、
かなりのスピードで変化します。

初めの前提条件の下で推論を進めて、
論理的に正しい答えを導き出す頃には、
すでに状況が変化し、
不適切な解決策となってしまうのです。

この場でアクションラーニングの全ては語れませんので、
有名な「ピザ屋」の事例をご紹介しましょう。

あるコンサルティング会社で、
経費削減策について夜遅くまでセッションしていました。
期限は1週間後に迫っていましたが、
行き詰っていました。

エンジニアばかりのメンバーは、
おなかがすいたのでピザを取り、
あと2、3時間頑張ることにしました。

ピザ配達人が到着したとき、
リーダーは彼に対して驚くような要求をしました。
「これから1時間、黙って我々の話を聞いて、
 君が理解できないことや、疑問を感じたら質問してくれ」

他のメンバーは、期限が間近なのに、
1時間も無駄にするのかと心配した。

ピザ配達人は状況説明を受け、
周りを観察したあと、
チップ代分は仕事をしようと決めました。

彼はチャートを見て、
「なぜこの矢印はAからFに向かっているのか?」
と尋ねました。

不機嫌そうにメンバーの一人が答えました。
しかし、そのときチームは、
ピザ配達人が発したくだらない質問を、
今まで検証してなかったことに気づいたのである。

ピザ配達人の「新鮮」な質問は、
3500万ドルのコスト削減に結びついたのだ!

<参考文献>
アクションラーニング入門」ダイヤモンド社

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメントありがとうございます (多田@群馬県庁)
2007-10-07 21:51:43
Sakura Planさん、
コメントありがとうございます。

Sakuraさんのブログを拝見しました。
とても興味引かれる図書の紹介をされてますね。

そしてコメントも、
ポイントを押さえていてgoodです。

私の読者の方にも、
大変参考になるブログと感じましたので、
BOOKMARKリンクを張らせて頂きました。

これからもよろしくお願いします。


返信する
いい話ですね。 (Sakura Plan)
2007-10-07 00:06:57
はじめまして。
ちょくちょく記事を読ませて頂いています。

ピザ屋の話はいい話ですね。

>組織として解決することを目指すならば、
>関係者が互いの立場を理解しあい、
>表面的な問題の裏にある、真の課題を共に自覚し、
>協調して解決に取り組むことが必要なのです。

「関係者がお互いの立場を理解しあう」最近、このことの意味の重さを痛感しています。
個人的には、アクションラーニングが上手くいくのかどうかは、この点の成功が一番大きいのではないかと考えています。

「学習する組織」の原本についてレビューを書いていますのでリンクしておきます。

これからもよろしくお願いいたします。
返信する

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