資本主義国には、さまざまな政策があります。
しかし根本的には、「大きな政府」を目指すのか
それとも「小さな政府」を目指すのかの、
どちらかでしょう。
「大きな政府」とは、
重税を基礎として、手厚い社会保障制度を充実させる政策です。
公務員を多く雇い、保健、福祉、医療、年金、補助金など、
国民への給付やサービスをたっぷり用意します。
この場合、所得の多い人からは
より多くの税金を徴収し、低所得層に還元しますので、
格差の少ない、「平等」を目指した社会となります。
つまり、「大きな政府」は「平等」重視の社会です。
税金は重いけれど、サービスはたっぷりなので、
下のマトリクスでは右上のマスになります。
フィンランドなどが該当するでしょう。
もう一方の「小さな政府」は、
行政サービスを少なくすることで、
税金をできるだけ軽くしようという考え方です。
政府による規制をできるだけ少なくして、
なるべく市場にまかせます。
社会福祉サービスも少なくして、自己責任に任せます。
成功した人は良いのですが、社会的に落ちこぼれた人は
政府からの援助はあまり期待できません。
社会の中で「平等」よりも、
自己責任を前提とした「自由」を尊重する考え方です。
上のマトリクスでは、左下のマスになります。
どちらを選ぶのかは、国民の選択です。
(ところで、日本はどうでしょうか?)
税収よりも借金が多いというスタイルで、
たっぷりのサービスを受けています。
下のマトリクスでは右下の黄色いマスにあてはまります。
税金は安くて、サービスたっぷりならば、
だれでも大歓迎ですよね。「自由」かつ「平等」のいいとこ取り。
かつてのギリシャが該当します。
でもこの状態は、いつまでも続きません。
この夢のような状態は「いま」だけです。
やがて借金で楽しんだツケは、
将来にのしかかってきます。
私達の子供や孫の世代には、先祖が残した
莫大な借金がのしかかってきます。
その結果、将来世代は選択の余地なく、
左上の黒いマスに入ることが決定しています。
重税だけれどもサービスは期待できないという
悪夢のようなマス。
「自由」と「平等」の悪いとこ取り。
現在の日本は、将来世代を犠牲にして
本来は禁じ手である、右下のマスを楽しんでしまっている
と言えるでしょう。
将来の人口が、いまよりも増えて、
税収がいまよりも増えるのならば、
まだ救いはあります。
しかし、将来人口は急激に減少すると
国も予測しています。
いまの人口でさえ払いきれない借金を、
より人口が少なくなり、更に高齢化も進む
将来世代が背負わされている、
というのが現実の日本の姿です、