国道の維持除雪をしてくれている業者さんたちの団体と意見交換をしました。
維持管理というのは努力してもなかなか利益が出ない仕事です。
普通の土木工事であれば、頑張って工期を短縮すれば現場代理人はまた別の仕事ができるので、効率的に人員も配置することができますが、維持管理は与えられた期間中ずっと面倒をみなくてはなりません。
ある業者さんは、「我々は(道路の維持管理を)義と情でやっています」と言いました。
地域の中でそれなりの立場をもっている名士の様な土木業者さんたちこそ、(この地域は自分たちが責任を持って管理しなくては)という思いで維持管理を引き受けてくれます。
長く現場を預かる立場としては当然やっておいた方が良い見回りなどの作業があります。
しかし、こちらが指示した作業ならともかく、良かれと思っても、やってくれた作業全てを積算して対価を払うというわけにもいかず、どうしても持ち出しも増えてしまうというのが維持管理業務の悲しい現実です。
申し訳ないと思いつつ、少しでも現場での悩みを聞き改善してほしい要望について聞くというのがこの会合です。
私の担当で言えば、除雪機械の老朽化が著しく、現場は故障や修繕に苦労していると言います。
北海道開発局では、管理する国道の冬期除雪のために、1,030台、草刈りなど夏の維持管理のために336台の車を所有して、これを請け負ってくれた業者さんに貸与して維持管理をしてもらっています。
機械というものはいくら手入れをしても、年月が経つと老朽化して、悲しいことに毎年必ず一年ずつ古くなってゆきます。
業者さんたちからは、「古い機械は更新してほしい」と常々言われますが、それは単なる感情論ではいけないわけで、どれくらい古いものはもう替えなくてはいけないかの裏付けを持つ必要があります。
今年の前半はそんな作業を優秀な係長たちと進めて、除雪機械は15年以上になると格段に故障して動けなくなる日数が増えることや、部品類の安定供給期間の限度が概ね15年であることなどから、15年以上の機械は更新する必要があるという理屈を建てました。
今年現在、所有する機械で15年以上経過したものの率は17%ですが、今年と同様の更新のための予算枠が続くと、5年後にはその率は35%になります。
これは冬期の道路を安定的に管理するためには危険な水準です。
それは、それだけ古い機械ばかりになると、少しくらい予算が増えても、積み残しが多いために簡単に状況が改善されないからです。
しかしもちろん、更新が必要な理屈を作ったからと言っても、それだけで更新のための費用が簡単につくとは思えません。しかし、このままでは北海道の道路は守れなくなる日が来ることは避けられないので、地道な活動をこれからも続けなくてはなりません。
願わくば、こうした危機を事業者と我々役所との間だけの議論に留めずに、少しでも世間の皆さんに関心を持ってもらい応援をしていただきたいものです。
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