北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

石ノ森章太郎ふるさと記念館~東北旅の三日目

2016-05-10 21:27:31 | Weblog

 いよいよ旅も後半。今日は仙台から盛岡まで移動です。

 東北地域は朝から断続的に雨が降っていて行楽にはちょっと厳しい一日となりました。

 仙台からは海沿いの道で石巻市へ向かい、そこからさらに海沿いを女川、南三陸町へと向かいました。

 東日本大震災による大津波からの復興の姿を見てみたいと思ったのですが、道路では大型ダンプとのすれ違いが多く、今でもまだ大量の土が動いている印象です。

 小さな入り江の地区でも高台の空いた場所は土地の造成が行われていて、また市街地には仮設住宅があり復興の道半ばであることが思い知らされます。

 落ち着いたとはいえ、まだまだ忘れてはいけないなと思います。


       ◆ 


 盛岡へ向かう途中で、宮城県登米市にある「石ノ森章太郎ふるさと記念館」に立ち寄りました。石ノ森章太郎さんはこの町で生まれたのです。

 

 

 最近は漫画家の記念館が少しずつ増えていますが、石ノ森章太郎さんは私の世代にとって印象的な漫画家の一人です。

 彼は「サイボーグ009」や「幻魔大戦」にドキドキさせられ、またテレビドラマ「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」、「ゴレンジャー」などの原作者としても活躍しました。
 
 館内の常設展示では石ノ森章太郎さんの漫画家としての歴史を彩ったキャラクターや思い出の品々などが展示されています。

 トキワ荘時代に写した赤塚不二夫さんとのツーショットなどの写真もありましたが、同時代の漫画家たちがだんだんトキワ荘から出てゆく中、最後まで残ったのが石ノ森さんだったそうです。

 彼は幼い時からマンガ雑誌を読み、「これくらいなら俺でも描ける」として自作の投稿を重ね自信を深め、手塚治虫にも見出されたことなどから18歳で単身上京して漫画家を目指したのです。

 最初のうちは食えなくてアニメ会社に就職したりもしたようですが、一本立ちする漫画家としての道を目指し、多作の漫画家として知られていたとか。

 彼の先見性は、紙ベースのマンガ作家にとどまらず、テレビのドラマの原作者としてそのデザインや構想に加わって成功したこと。仮面ライダーシリーズは彼の没後も新たなキャラクターがどんどん誕生していますが、彼の名は原作者として登場しています。

 彼の作品の一つに「ロボット刑事」というマンガがあるのですが、彼は「良い構想だと思ったのだが、後にハリウッド映画の『ロボコップ』がヒットしたときは、どうしてこれを日本の誰かが拾ってくれなかったかと悔しかった」と書かれていました。

 先進的で多作な彼の作品を楽しみ癒された人も多いことでしょう。

 ちなみに彼の本名は小野寺といい、石ノ森は彼の生まれた地区の名前です。故郷を大切にした彼の思いが伝わってくる「石ノ森章太郎ふるさと記念館」でした。

 石巻市には「石ノ森漫画館」もありますが、彼の故郷に建つこういう施設もいいですね。


【石ノ森章太郎ふるさと記念館】
 http://www.city.tome.miyagi.jp/kinenkan/

 

 

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