11日目正代を破った肩透かし(右:翠富士)
大相撲春場所、尊富士の連勝がきのう止まったが、彼の属す伊勢ヶ濱部屋のほかの富士も頑張っている。それは翠富士でありこの人の芸が「肩透かし」。
8日終って3勝5敗と危なかったが、9日目豊昇龍、10日目琴勝峰、11日目正代と破った。その決め手がすべて肩透かし。肩透かし3連発で6勝5敗と持ち直し、きのう霧島を寄り切って、7勝5敗とした。霧島戦でも立ち合い一瞬の肩透かしを見せた。決まらなかったが。
身長171㎝、体重117㎏。現在の大相撲では小兵である。
160㎏以上ある力士とこの体で戦うにはよほどのものがないと無理。彼は生き延びるひとつのよすがにこの捻り技を習得した。ここまで決まると伝家の宝刀である。相手はわかっていても食ってしまう。彼がいつこの技を繰り出すかと見るだけでうきうきする。そう思わせる力士は貴重である。
幕内14場所で98勝97敗15休。すばらしい。
伊勢ヶ濱部屋には照ノ富士をはじめ熱海富士と魅力的な力士がいる。尊富士も周りのいい影響を受けて伸びてきたのであろう。翠富士、頑張れ。あと1勝だ。