天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

来れ8.8ひこばえ句会へ

2020-07-31 04:55:27 | 俳句
 

6ヶ月ぶりにひこばえ句会をふるさと西東京市で行います。

【日時】8月8日(土)13時~17時

【会場】西東京市・柳沢公民館(第3会議室)
西武新宿線・西武柳沢駅南口150m


【投句数】1~8句
下記の兼題句を1句以上含む当季雑詠。今年の立秋は8月7日ですが現実は真夏到来でしょう。よって夏の句OK、梅雨関係もOK。秋といっても冬隣は行き過ぎかと。小生は5句夏の句、3句秋の句の予定。
句はあらかじめ短冊に書いてお持ちください。


【兼題】「影」あるいは「陰」を入れて1句

【指導】天地わたる(鷹同人)

【参加費】1000円

玲人さん、用紙の準備よろしく。みなさん、俳句を楽しみましょう。
はじめての方、歓迎します。初参加の方はブログに書き込むか、youyouhiker@jcom.home.ne.jpへ一報を。


8月1日現在、出席者7名、欠席投句者1名。
コメント (1)
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御岳山の緑の中で

2020-07-30 06:40:38 | 旅行

御岳山荘の玄関

7月28日御岳山の宿坊「御岳山荘」に泊った。川の活動が多かったので山の緑は格別である。草木の量がやはり川とはまるで違う。どちらを向いても緑ばかり、それも雨にしっかり濡れた色を見て過ごした。

何度も来たこの山だが乗り物があるところはお世話になった。ケーブルカーの終点から15分ほど歩いて山の上の街(宿と食堂とみやげもの等の店からなる集落)に至る。このへんから神社のある山頂(929m)まで急勾配。


立ち止まり仰ぐ急坂梅雨長し

山百合のいづれも高くわれ小さし

山百合の雨こぼれたる谷深し



空から樹木から雨が落ちてくる。
高いところに鮮やかに山百合が咲いている。この花は御岳山のシンボルではないかと思うほど行く先々にある。
2000mもないこのあたりの山と山の間に靄が立ちこめるのを見ようとは思わなかった。高山で何度も見たこのシーンが今回身にしみた。そうかすぐ来月になってお盆が来るのか。
山間に鎮もる靄や魂迎





老人にとって神社へ上がる石段もきついだろうが御岳山名物の「神代欅」の立つあたりの上りはもっときつかろう。


老木のもとに一灯さみだるる
老木の谷に傾き茂るなり

この欅は国の天然記念物とかで、樹齢が推定1000年(平安時代)、樹高30m、目通り8.2m。人を質量で生命力で圧倒する。



五月闇急坂に背の縮みさう
川歩きばかりで急な坂が新鮮。上から頭を押さえつけられるような感じがする。


御岳山荘は木造で落ち着く。板を踏み板戸を開け、畳に寝転ぶ。墨書したものが部屋にいくつもあり眺める。
掛軸に読めぬ字一つ昼寝覚
描いてあるものが絵とは思えぬ。聴いて意味のわからぬ経のように感じる。

老鶯や宿坊にある投句箱
驚いた。締切が1月だから終わったかと思いきや来年の1月とのこと。立派な投句用紙が備えてありついつい書いて入れた。


宿坊に大太鼓あり祭待つ
飯を食う間の隣に神の間がある。ひとへやまるごと神殿という感じで右に太鼓がある。御岳山は神の山である。太鼓は祭を待つわけではなそそうだが、いつ打つのか。

山の宿で夜の景色を見るのが好きで窓を開けて夜気を吸う。蛾は雨の中でどこに住んでいるのか。
闇の蛾と灯の我玻璃をもて対す
玻璃堅しすがるがに火蛾体当たり

闇深し玻璃にひとすぢ蜘蛛の糸

夜の闇の深さと静寂。東京にもこんな近くにいいところがあるわい。


4時半ころの土産物を売る店界隈

梅雨寒や階を下れば宿ゆれて
はじめは地震かと思った。宿が揺れるのである。そのうち客のどなたかが階段を使っていることが判明した。立派な木造ゆえおもしろい。

その少年鮎を齧りて骨にせり
隣の卓に元気な少年がいて山の宿でよく出る鮎の塩焼きをトウモロコシを食べるようにあっという間に食べてしまった。ぼくは箸でほぐしていたので彼のやり方に目をみはった。鮎は箸でほぐして腸を分けたりするとまるで食べるところがない感じ。腸もろとも丸齧りするのは効率もいいし美味い食べ方ではなかろうか。


御岳山の街の通り





あかつきや蜘蛛の巣靄を得て白し

蜘蛛の網(い)に浮く雨粒や真珠色

御岳山の今ごろも見ものはまず山百合、次いで蜘蛛の巣である。山で蜘蛛の巣を見るのは珍しくはないがこれほど出会ったことはない。大きく広がった巣、綿菓子のような巣、いろいろあって楽しい。





丸い葉もきざぎざの葉も青時雨
見渡すかぎり木の葉、草の葉、どれもいきいきしている。ここは「長尾平」という台地で晴れていると展望がいい。



山百合の濡れて地に伏す始発駅
濡れてをりケーブルカーも紫陽花も

下闇や蛙のような鳥の声
鴉がまるで蛙のように鳴くしほかの鳥も蛙めいた声を出すのは雨降りが長いせいか。

万緑や右に左に水の音
鬱蒼とした緑の中に水の音は聞こえる。あちこちから水の音が聞こえるのはなんと豊かなことか。






御岳駅から青梅線の最終の奥多摩駅へ行く。ここへ来たかったのは駅付近にある「奥多摩工業氷川工場」を見たかったのである。石灰石をセメントにする施設みたいだが30年前、本仁田山へ登る途中で見て偉容に感嘆した。
ミステリーかホラーか活劇か、映画を撮りたくたくなるおもしろさに満ちていた。パイプやベルトコンベアーが行き交う様がこの工場のアクセントであり、わくわくする。
ここをきちんと取材している人もいるほどマニアを近づける場所である。もう廃鉱かなと思って近づくと、トラックが出てきた。やはり稼動しているのか。中に明かりがある場所もある。けれど使われていない部署もかなりあるみたいで実態がつかみにくい。それも興味をかきたてる。
この施設から少し離れた上のほうにもっと人家ふうに見えてわけのわからぬ建物が見える。廃墟なのか。これはもっと不思議。とにかく一帯が不思議な異界となっている。
俳句にするには言葉が追い付かない。



七月の青嶺まぢかく熔鉱炉  山口誓子
小学校の国語で読んだこの名句はおそらくこういう工場を見てできたのであろう。これを越える句を書ける日が来るか。
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朝日俳壇(7月26日)を読む

2020-07-28 01:35:53 | 俳句


7月26日付朝日新聞の俳句欄のいくつかの句を木村弘子と合評する。木村が○、天地が●。

寂として新国立競技場 虹 吉竹 純
<長谷川櫂選>
●長谷川先生の特選句ですが読みにくいですね。
○破調でおまけに一字空きです。この夏のオリンピックが延期になって使用されないことを詠みましたね。
●もっと読みやすくできませんか。
○「新国立競技場寂(せき)として虹」、あるいは字余りを下五まで貫いて「新国立競技場寂として夕虹」とすれば原句より読みやすくなり定型感を獲得できますが、作者は突っかかりたい心境だったんでしょうね。

ふるさとの瀧たうたうと名を持たず 今井文雄
<長谷川櫂選>
○たうたうは滔滔で水がたくさん流れている形容、さぞ名瀑と思いきや「名を持たず」と切り返す巧い句です。
●俳句は中七が要と言われますがその通りだと感心しました。
○さりげないユーモアで地元の瀧を称えています。

生前の予約に届くさくらんぼ 川崎弥惠
<長谷川櫂選>
○惹かれました。肉親のどなたかがすでに亡くなっているのですね。その方がさくらんぼ好きで去年予約してあったか、それが届いた……けれど頼んだ人はもういない。
●珍しいさくらんぼの句です。
○はっとしました。追悼句なんでしょうか。
●そう解釈してもいい内容です。湿っぽくなくていいです。

茶一杯日除の中で投合す 五明紀春
<長谷川櫂選>
○よくわからなかったんですが土建業の方々の集まりですか。
●ぼくはそうじゃないと思います。誰でも入る喫茶店、暑いので窓に差す光りを日除で遮断している。そこでお茶飲んで意気投合したわけです。
○お酒じゃなくてお茶一杯でですか?
●そう安上がりの方々です。無駄のない書き方でいいです。

糸とんぼよりもはかなき命かな 青野迦葉
<長谷川櫂選>
○自分の年のせいでしょうか、こういう句に惹かれます。「はかなき命」は作者が自分自身に引き付けています。
●糸とんぼの細さと飛ぶ姿のはかなさがこの句を書かせましたね。
○でも先生はそう好きそうじゃないですね、この句。
●自分の境涯を詠むと高齢者の場合、甘えみたいなものが出てべたべたしてしまいます。ぼくは哀しみを詠むにしてもさくらんぼの句のようにからっと仕上げたいという立場です。境遇を詠むより目の前の物を詠みたいです。

季語のなきマスクとなりて梅雨に入る 青木千禾子
<大串章選>
○大串先生は「マスクは従来冬の季語だが、今年は梅雨になっても多くの人がマスクをしている」とコメントしています。まったくその通りですが、おもしろいのでしょうか。
●おもしろくないですね。秋になれば「季語のなきマスクとなりて秋の風」というふうに季語が動くでしょう。この感染症は歴史的な事件ですから詠みたいのですが表面を撫でているように思います。

蟻の列考へてゐる暇はなし あらゐひとし
<大串章選>
○蟻の動きをよく見て自分自身の言葉を引っ張り出したと思います。彼らは本能の赴くままに動き、われわれのように頭を使って一喜一憂しません。
●ぼくも蟻の写生がなされた句と読みましたが、選者は「感染症拡大防止か経済活動優先か議論が分かれる中、蟻たちはひたすら働き続ける」と評しています。
○それは勇み足じゃないですか。俳句はテキストに添って読み過剰に思い入れをしてはいけないように思います。
●同感です。この句に書かれている蟻の生態は明治42年でも昭和20年でも今年でも成立する普遍性があるからいいんです。感染症うんぬんは乱暴な読みです。

七変化最期の色を輝かす 荻原葉月
<大串章選>
○わかります。紫陽花の色の移り変わりは詩になります。
●狙いはいいのですがぼくは「最期」と踏み込んだのが嫌です。「最後」で言いのではないかと。
○擬人化は情緒過多でねっとりします。
●さっぱり書いて後はて読んだ人に任せるのがいいと思います。

母の日のおまけのような父の日よ 宮城和歌夫
<大串章選>
●ははは、笑えますね。
○ほんとにこの通りです、父の日は。母の日が先に来て父の日でしょう、付け足しです。
●理屈っぽい句より馬鹿馬鹿しい句のほうがいいです。楽しいことはすばらしいです。

古民家の風は昭和や夏木立 吉野佳一
<大串章選>
○古い民家の縁側に座っているのでしょう。中は暗くて外に生い茂る夏の木があって気持ちがいいです。
●そうなんですが「風は昭和」というレトリックは大衆受けを狙っていて甘いです。
○そうですか。私は巧いと思いますが。

廃線の終着駅や草茂る 田中黎子
<大串章選>
○旅情とノスタルジー満点です。私は北海道の留萌駅を思いました。
●あなたの好きな句はどこか類型的な匂いがします。テレビの2時間ドラマの一シーンみたいで発見の喜びがいまいちなんです。予定調和という感じでしょうか。
○俳句は難しいですね。さらにこの先を描けと……。

なきがらを縁取ることも蟻の列 久野茂樹
<高山れおな選>
●選者が「縁取るという描写が端的で味わい深い」とコメントしているのに同感です。なきがらを運ぶという視点は多いのですが「縁取る」と見たことで類型を脱しました。
○これが発見なんですね。
●そうです。「縁取ることも」ですからそうでない蟻もいて蟻がさまざま見えます。とにかくじっくり見ることで何か兆すものを待つという姿勢が大事です。

家捨つる母の日傘に手を引かれ 益子さとし
<高山れおな選>
○お母さんはお父さんのもとを小さい作者を連れて去ったのですね。
●過去を物語にように回想していておもしろいですが、「母の日傘」ではないでしょう。「家捨つる日傘の母に手を引かれ」でしょうね。いい素材ですから選者はこのへんは添削して活字にしてもいいでしょう。

海の日もスポーツの日も畳の上 村松敦視
<高山れおな選>
○読んだとたん手を叩きたくなりました。
●並列が効いておもしろくなりました。外出を自粛しているなどと読まず、ただただ怠惰な人を思うのがいいですね。

泣くわれを抱いて写真の日傘(ひからかさ) 高木靖之
○抱いているのはお母さんなんでしょうね。写真に写っている自分と母を追想しています。
●そうでしょうね。「写真」の位置が落ち着かないのと、母をきちんというほうがいいんじゃないかと思います。「写真の母泣くわれを抱き日傘さし」ですが材料が多くてすかっとしません。五七五の器では無理な素材でしょうね。

寝ても寝ても眠たい午後や梅雨末期 旗野茂子
<稲畑汀子選>
○自分のことを言われたような句です。梅雨どきはとにかく眠いんです。
●わかるんですが「梅雨末期」は説明的ですね、「梅雨深し」でいいんじゃないですか。

両の手ですくふ泰山木の花 清水宏晏
<稲畑汀子選>
●すくうのが泰山木の花というのは意外性があります。
○ふつう水などの液体です。
●水をすくうように泰山木の花を拾ったのでしょう。手を覆うような大きい花弁が見えます。工夫して実感を出しました。

ふるさとや土曜休みて田草取 日下徳一
<稲畑汀子選>
〇農業をやっている友人が平日会社勤めして休日このような生活をしています。たいへんだろうなあと納得しました。
●それはわかりますが報告に近いでしょう。つまりテレビなどですでに報道されていることを確認しているようなところがあって、前の泰山木の花のような手ごたえがないんです。

森の香は蝦夷春蟬の止みてより 中村襄介
<高山れおな・稲畑汀子選>
○高山先生、稲畑先生お二人の選に入った句です。稲畑先生が「蝦夷春蟬の鳴く声がやむと、辺り一面が森の香に包まれる。夏の到来のひとこまが見事に描けた」と評しています。
●北海道のことは知らなくてユーチューブでこの蝉の声を聴きました。独特の音色です。
森の香というのは芽生えでしょうね。芽が出る匂い。これを機にやっと森が動き出すのでしょう。いいところをとらえています。やや説明的なのが残念です。
〇どこですか。
●「止みてより」。<蝉が鳴き止む→森が香る>というふうの順序でダイレクト書けたらもっとよくなりそうです。現状をそう変えないのなら「森の香や」と切字を使うとかなりよくなると思います。
〇もっと芽吹きの匂いが来ますね。


撮影地:国分寺市、姿見の池
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なんとも静かな句会

2020-07-27 04:27:59 | 俳句


きのう小平市の小平元気村おがわ東で句会を催した。学校であった建物の第二会議室はわかりにくい2階にあった。
ぼくと木村弘子、飯嶋玲人は玄関付近で会いはじめて会う内田創太を待ったが姿が見えぬ。諦めて2階の教室へ行くとそこに彼がいた。俳句同様勘がいい。人が人に会うのはいつもスリリングである。

40名も入るような古い教室に4名というのは静かだ。4名で麻雀をやっても静かで盛り上がらないだろう。窓から雨が降る校庭が見やり句会をやるのはいい。句会は毎回会う人の顔ぶれが違い見る句も違う。
いつものように8句出しで4句選。
人数が少ないしコピー機を探すのも面倒にて句稿を回して句を筆記する方式を取る。その古典的文化を知らない弘子さんは面食らう。

2時間足らずで句会は終り一杯飲もうということになったが萩山駅付近に飲食店は寿司屋一軒。何もかも閑散としていた。

夕顔や馴染みの店に雨宿り 玲人
補助輪を外したる日の立葵 創太
姿見を雲横切つて更衣 弘子
号外を突きつけられし暑さかな わたる


使用料1500円ということであったが免除されて無料であった。ラッキー!


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ネイティヴ、オリジナルとは何ぞや

2020-07-26 06:20:02 | 身辺雑記



草も人も名を得て帰化す姫女苑 軽舟

鷹8月号に発表されたこの句はぼくにいろいろなことを考えさせた。
まず「姫女苑」も帰化植物であること。北アメリカ原産のこの植物は日本には1865年頃に観葉植物として導入されたとのこと。
セイタカアワダチソウは帰化植物と知っていたが姫女苑は漢字のイメージ、花の姿から日本原産のものと思っていた。セイタカアワダチソウも背高泡立草の字を当てればかなり身近になる。
こうなると日本を代表する花のベスト5の、桜、菊、梅、椿、藤は日本原産なのか、ということで調べると、ソメイヨシノは日本で開発したらしいが桜そのものはよその国にもありcherry blossomsという。
菊と梅は中国から来た。椿と藤は日本原産だそうだが同種のものは外国にもありそう。人はよそのものを品種改良して自国の美意識にふさわしくして取り込み手なずけてきた。
アネモネやマーガレットは菊や梅に比べると軽い季語だと思っていたがそう思う根拠が揺さぶられた。

「広辞苑」は「帰化」を以下のように解説する。
①ア:君主の徳化に帰服すること。イ:他の地方の人がその土地に移って来て定着すること。
②ア:志望して他の国籍を取得し、その国民となること。イ:人間の媒介で渡来した生物が、その土地の気候・風土に適応し、自生・繁殖するようになること。

②を問題にしているのだが、英語は「帰化」を「naturalization」というらしい。「naturalになること」という内容に驚いた。英語文化圏では人や植物、動物の移動がふつうのことでありそれを肯定する考えが根底にある。
ここが島国暮しのわれわれと根本的に違う心性であると再認識した。
地球環境保全の立場から外来種が固有種を駆逐するということが望ましくないという論議は日本のみならず全世界で興っているようだが、naturalizationなる考えは北半球の文明国には根付いていて他国から人が来ること(移民)にヨーロッパ、アメリカは寛容であった。(最近経済の悪化などから保守的になっているが)

最初にそこに住みついた人が後から来た人をよく思わないというのはどこでもあり、パレスチナ問題がその最たるものだが、わが国でも6世紀ころ、ネイティヴの物部守屋と新参者の蘇我が闘った。渡来人が先住民が駆逐するのは大昔から人や動植物で当然のようになされている。
カエサルがガリア(今のフランス)に遠征して土地の英雄、ウェルキンゲトリクスを葬った。ネイティヴ論争をすれば物部守屋とウェルキンゲトリクスが優勢だが現実は、蘇我とカエサルのほうが歴史に名前を残し後世への影響力も強い。

nativeネイティヴとはなんぞや、という問題に常に突き当たる。そういう難解な問題を突き詰めたくないので「諸行無常」などという便利な言葉に逃げるのだがこれも外来の仏教用語である。
新型コロナウイルスの原産地は中国の武漢で元は蝙蝠なのか。世界は入り組んでいて複雑怪奇。ネイティヴ、オリジナルは言葉という観念の中にしかないのではないか。
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