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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ソ連の移植カニが今のノルウエーに莫大な富をもたらしている”スターリンの赤軍”Красной армией Сталина

2021-02-02 18:58:42 | 日記

2021年02月01日

リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ソ連の移植カニが今のノルウエーに莫大な富をもたらしている]

バレンツ海のタラバガニとズワイガニは、旧ソ連の1960年代に極東海域から移植され、2000年代に定着、繁殖を続け、ロシアEEZにおいて商業操業が開始された。

今年2021年バレンツ海ロシアEEZのTAC設定は、タラバガニ1万940トン、ズワイガニ(オピリオ)1万3,250トンで、ロシア全体のカニのTAC約1/4にまで成長している

FAOのデータによると、近年、隣接するノルウエーも年間約2,000トンのタラバガニをバレンツ海で漁獲しているが、スペイン紙”ラ・バングアルディア”はノルウエーの漁業者と環境保護団体が、生態系への影響、漁具被害を背景に警鐘を鳴らしていると報じた。

これに対し、ロシア漁業庁は、確かに1990年代半ば、ノルウエーのタラ漁業者らが”スターリンの赤軍”(Красной армией Сталина:クラスノイ・アルミエイ・スターリナ)等と呼び、これを批判する動きがあり、環境保護団体も同調したと指摘している。

しかし、2010年頃から、バレンツ海のタラバガニについて、ノルウェーは、堂々と”ノルウェーのタラバガニ”と称し宣伝、漁獲、販売しており、”ロシアの起源”であることさえ忘れているようで、このソ連時代からの”侵略者”への主張の変化が全てを表している旨をロシア漁業庁は説明した。

また、ロシア漁業庁は、FAOのデータを引用し、漁具のデザインの変化等で問題は解決され、”期待されたタラ資源の急激な減少”は実現しなかったと皮肉に言及、移植事業が、今のノルウエー漁業に莫大な利益をもたらしていると加えた。

 

(関連情報)

 

2021年02月01日 みなと新聞

[ノルウェー 20年 オピリオ対米数量8割増]

冬場に需要が高まるカニ。ズワイガニやタラバガニはカナダ、米国、ロシアでの漁獲が中心だが、“第4の漁場”として注目されているのがノルウェーだ。ノルウェー統計局の統計によると、2020年はカニ主要輸出品目の冷凍タラバ、冷凍ズワイ・オピリオは平均輸出単価が前年比1割高、活タラバも4%高といずれも上昇。昨年は特に米国が冷凍ズワイの輸入量を増加させており、米国への冷凍オピリオ輸出量は前年比84%増の823トンと伸長した。

20年の冷凍オピリオ輸出量は2%減の2418トンで、うち米国が約3分の1を占めたことになる。ロシアからの冷凍ズワイの輸入量を前年比で約9割増やすなど米国では冷凍ズワイの需要が高まっており、ノルウェー産についても伸長したとみられる。他はデンマークへが10%減の748トン、日本が76%減の109トンだった。平均輸出単価は全体が11%高の147・63ノルウェークローネ(以下クローネ)、米国が13%増の172・42クローネと上昇した。

活タラバの輸出量は14%増の1373トンで、うち韓国が15%増の612トンだった。商社によると、韓国向けの活タラバはほぼ全量が空輸とみられる。その他、香港が16倍の162トン、日本が4トン(前年は皆無)だった。平均輸出単価は全体が4%高の309・6クローネ、韓国が9%高の287・62クローネと上昇した。

冷凍タラバの輸出量は19%減の604トンで、うち日本へが10%減の156トンだった。米国への輸出は前年比105倍となる65トンと、前年の620キロから大幅に増加した。平均輸出単価は全体が12%高の391・6クローネ、日本が6%高の321・03クローネと上昇した。

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