2024年03月20日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[国際指名手配 ロシア極東のカニ王 アレッグ・カンはやはり死んでいたのか]
ロシア検事総局の訴えによる審理において、被告であり国際指名手配を受けている極東のカニ王と呼ばれたアレッグ・カンの弁護士は、本人が死亡しており、当該刑事事件を終了するよう求めた。
2023年2月には、膵臓癌によってロンドンで死亡、韓国で荼毘に付されたとの情報をミディアが一斉に伝えたが、司法当局は、未だに公式的な情報を確認していない。
しかし、ロシア連邦公証人役場の電子データベースには、フルネームと生年月日がカンと一致する人物の死亡に関する相続事案が実際に存在しており、2023年2月14日に死亡したことが記載されている。
アレッグ・カンには2014年から2015年、カニを輸出する際、製品価値を過小評価し脱税した疑いがかけられている。
製品はパナマの会社への通関価格で輸出申告されたが、実際には、はるかに高い価格で日本の企業へ輸出され、ロシア国家の損害は2億1,300万ルーブルと見積もられている。
また、アレッグ・カンには、2010年にウラヂオストクで殺害された同業他者ワレリイ・プヒデンコ事件への関与の疑いがかけられている。
アレッグ・カンは、1967年ネヴェリスク生まれで、日本との合弁企業を振出に、カニ漁業にかかわり、極東の“カニ王”と呼ばれるまでになった。
また、ウラヂオストクの大型商業施設を所有する実業家になったものの、かかる状況下、自身は海外に滞在しているとされていた。
2021年10月、アレッグ・カン創業の漁業会社“モネロン”(Монерон)について、クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス(Курильский универсальный комплекс:“КуК”:“クック”)に次ぎ破産宣言がサハリン州仲裁裁判所によって行われている。
当時“モネロン”社代表で、サハリン州議会議員、盟友となるドミトリー・パショフは2021年2月26日、出張中のハバロフスクで勾留され、2022年に有罪が確定、懲役4年半の判決を受け、現在、服役中となっている。