ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

稚内港カンボジアFOC船火災とカニ密漁事件"TAIGAN"=”SeaDream”船長に賠償を求める

2015-07-03 12:11:44 | 日記
2015年07月03日
サハリン発
[稚内港カンボジアFOC船火災とカニ密漁事件"TAIGAN"=”SeaDream”船長に賠償を求める]
サハリン州コルサコフ市検察当局は、カニの密漁を行ったカンボジアFOC船”SeaDream”の船長に対して、天然資源の損害賠償約1,800万ルーブルを求めている。
“SeaDream”は、2012年、ロシアFSBサハリン国境警備局の洋上検査により、同年5月30日から6月2日までの間、東サハリン海域、ロシア排他的経済水域において、カニ6万4,225個体、41,554kgを違法漁獲していたことが判明、当局により拘束された。
これらの製品の内、活カニは当局により、速やかに生息地へ海中還元されたが、“SeaDream”の行動による天然資源への損害は1,889万9,590ルーブル相当と見積もられていた。

(関連過去情報)

2013年05月24日
一般社団法人北洋開発協会 国際漁業対策事業部 原口聖二
[稚内港で火災を起こした"Тайган"に関するその後のロシア報道]
稚内港で火災を起こした"Тайган"(タイガン)に関するその後について、サハリンのメデイアが、次の点を伝えている。
①生存した乗組員が札幌のロシア総領事館に対して帰国を求めている点。②この対応に領事館アタッシェのВалерий Каминский(ワレリー・カミンスキー)があたっている点。③領事館によると書類手続きに数日かかり、帰国は6月上旬となると予想される点。④死亡し、火葬されたサハリン在住の乗組員の遺骨は、5月28日、稚内からフェリーでコルサコフへ送られる点。⑤ДВМКロシア極東海洋船舶船長協会の代表オシチャンスキーがカンボジア、ベリーズ等のFOC船によるカニの密漁密輸が横行していると指摘している点。⑥“Тайган”が何度も船名を変えており、直近は“SeaDream”だった点。

IMO 7533240 カンボジアFOC船"Тайган"(タイガン)の船名の変遷等 
Vessel’s particulars:
Name Taigan Flag Cambodia DWT 351 Hull Type Single IMO 7533240
Type Fishing (General) GT 497 T
Status Live
Year of build 1976(建造 1976年)
Contact Fericirea Corporation
Name Taigan since: Before 25 Apr 2013(新しい“タイガン”という船名は2013年4月25日以降)
Name History Vessel Name From Until(この船の船名の変遷)
Taigan Before 25 April 2013(2013年4月25日から“タイガン”)
Sea Dream Before 06 December 2012 Before 24 April 2013
(2012年12月6日から2013年4月24日まで“シードリーム”)
Edelweiss Before 01 June 2011 Before 05 December 2012
(2011年6月1日から2012年12月5日まで“エーデルワイス”)
Nereus Before 22 June 2008 Before 31 May 2011
(2008年6月22日から2011年5月31日まで“ネレウス”)
Grant After 01 January 1977 Before 21 June 2008
(1977年1月1日から2008年6月21日まで“グラント”)
Eiko Maru-95 After 01 September 1976 31 December 1976
(1976年9月1日から1976年12月31日まで“第95えいこう丸”)
Aichi Maru-90 After 01 January 1976 31 August 1976
(1976年1月1日から1976年8月31日まで“第90あいち丸”)

2013年05月18日
一般社団法人北洋開発協会 国際漁業対策事業部 原口聖二
[稚内港で火災を起こした"Тайган"に関するロシア報道]
稚内港で火災を起こした"Тайган"(タイガン)に関してロシアのTV等メデイアも、事件後、大きく取り上げ伝えている。
ロシア人のTVクルーが稚内で、現場の様子とともに、入院中の病室にまで入り乗組員のインタアヴューをとっています。また、モスクワのキャスターが、ウラヂオストクを中継でつなぎ、ДВМКロシア極東海洋船舶船長協会の代表オシチャンスキーがインタアヴューにこたえる絵を繰り返しています。既報のとおりオシチャンスキーは、①"Тайган"(タイガン)が、密漁密輸船の可能性が極めて高いこと、②カンボジア、ベリーズ等のFOC船によるカニの密漁密輸が横行していること、③サハリンの密漁グループは北海道を目指し、ウラヂオストクのグループは釜山に向かうルートが多いこと、④密漁密輸を行うFOC船の乗組員の大半がロシア人、ウクライナ人であり、その船主の多くもロシア人、あるいは韓国人であること、⑤密漁密輸を行うFOC船はほとんどの場合、船主が保険等の手続きをしておらず、死亡した船員の遺族は満足に補償を受け取ることはできないだろうこと等を指摘している。これを受けたモスクワのキャスターは、その実態を知り、社会的問題の側面も含め伝えている。複数局が取り上げているが、その一つは次のアドレスでみることが可能。
http://www.vesti.ru/only_video.html?vid=508323

2013年5月17日付 北海道新聞
稚内港カンボジアFOC船火災とカニ密漁事件"TAIGAN"=”SeaDream”
消火11時間 船体無残
貨物船6人死亡 ハッチに板 被害拡大か
【稚内】16日未明、稚内市の稚内港天北2号埠頭に停泊中だったカンボジア船籍の貨物船「TAIGAN(タイガン)」(497トン)ビタリー・サルタガノブ船長(47)ら乗組員23人=で乗組員とみられる6人が死亡した火災で、稚内署は17日にも現場検証を行い、船長から事情を聴くなど原因究明と身元確認を急ぐ。17日午後には国土交通省運輸安全委暴会の事故調査官2人も現地調査を行う。関係者によると、乗組員23人の内連絡がとれないのは、ロシア3人乗組員の男性6人で、機関士イーゴリ・チェルポフさん(35)、甲板長ミハエル・カザンチェフさん(50)、乗組員ウラジーミル・バラノフさん(47)、機関士ビクトル・ベズコドブさん(48)、乗組員セルゲイ・パシコさん(23)、乗組員アレクサンドル・グラチェフさん(31)。救出されたのはロシア人の機関士(45)、調理人(53)とウクライナ人の乗組員(49)の3人。このうち2人が頭やのどにやけどを負った。残りの14人は自力で脱出した。船内救助に当たった複数の関係者によると、船の寝室など居住スペースの上には通常、ドアのほかに出入り口のハッチが付けられているが、出火した船ではそこに板が張ってあったという。こうした構造が被害を大きくした可能性があり、稚内署は現場検証でさらに原因を調べる。代理店の海運会社などによると、貨物船はタラバガニ53トン、アブラガニ2トンの計55トンを積んで14日午前8時ごろ入港し、16日に出港する予定だった。
カニ密漁で昨年罰金刑
稚内港で火災を起こしたカンボジア船籍の貨物船「タイガン」は、過去にロシアの海域でカニを密漁したとして、当局に拘束され裁判で罰金刑を受けていた。同船は、昨年12月にサハリン州コルサコフを出港しており、稚内に入港するまでの動向ははっきりしていない。コルサコフ港の当局者によると同船は昨年12月20日に同港を出た記録が残っているといい、その時の船名は「シー・ドリーム」だったという。シー・ドリームは昨年6月、サハリンの東側のロシア海域内でズワイガニ約41トンを密漁したとしてロシア国境
警備局に拘束されコルサコフ港に係留され、同船のロシア人船長は3月にコルサコフ市裁判所から罰金60万ルーブル(約180万円)の判決を受けていた。関係者によると、同船は当局に没収された後、昨冬ごろまでに競売にかけられたとみられ、購入者が船名をタイガンに変更したとみられるという。シー・ドリームとタイガンの船長や乗組員が同一かどうかは確認できていない。ロシア漁業庁などによると極東でのカニの密漁は、ロシア人が所有し主にロシア入船員が乗るカンボジアなど第三国船籍の漁船によってロシアや日本の海域で行われ、カニは稚内や紋別などに運ばれるケースが多いという。漁業関係者によると、第三国船籍の漁船が使われるのは「漁獲物を港に水揚げする際、税関に関する書類の提出が不必要なため」とみられている。(ユジノサハリンスク・相内亮)
高温、有毒ガス救助阻む
【稚内】16日未明、稚内市の稚内港天北2号埠頭に停泊中だったカンボジア船籍の貨物船「タイガン」で発生した火災は、ロシア人乗組員とみられる6人が死亡するという最悪の惨事となった。同僚を気遣い、緊張した表惰で消火作業を見つめていた乗員たちの祈りは届かなかった。「タイガン」の後ろに停泊していた別の貨物船の乗組異アレクサンドル・ディハノブさ
ん(41)=サハリン州コルサコフ=は「最初は火が小さかったが、乗組員の1人がドアを開けた途端に爆発した」と出火当時の状況を話す。「同郷の人が亡くなったのは悲しい。私たちも心配している」と目を潤ませた。稚内署や稚内消防署などによると、火災は長さ約50メートル、幅約9メートルの船内をほほ全焼し、鎮火は発生から約11時間後の16日午後1時ごろ。一度に大量の放水をすると船が沈没する恐れがあるため、消火活動に時間がかかった。鎮火後も船内の高温や有毒ガスの影饗で、遺体収容は午後5時近くまでずれ込んだ。発見された遺体のうち、1人は船尾付近で窓から身を乗り出すようにして亡くなっており、残る5人は船底で見つかった。午前5時ごろ、搬送された3人のうちウクライナ入男性(49)の救出作業に携わった、稚内港の港湾関係会社に勤務する納谷隆一さん(44)は「岸壁側の船窓で男性がぐったりとしているのが見えた。とにかく助けたかった」と切迫した救助活動を振り返った。船内は白い煙が充満し、火災の熱でブリッジ周辺の船体はゆがみ、「無残な状況だった」という。ロシアから稚内港への活カニ輸入は昨年夏ごろから増加傾向。日ロ間で合意した密漁・密輸防止協定が近く発効することを控えた「駆け込み輸入」との見方もあった。地元関係者からは「好調だった輸入実績がペースダウンするのでは」との声も出ている。

(以下“SeaDream”事件) 一般社団法人開発協会 国際漁業対策事業部 

2013年03月25日 サハリン発
[カニ密漁カンボジアFOC船船長に20万ルーブルの罰金]
コルサコフ市裁判所は、カニの密漁を行ったカンボジアFOC船のロシア人船長に対して、刑法256条3項(水棲生物資源の違法漁獲)に基づき60万ルーブルの罰金を科す判決を下した。
このカンボジアFOC船は、“SeaDream”で、昨年2012年、ロシアFSBサハリン国境警備局の洋上検査により、同年5月30日から6月2日までの間、東サハリン海域、ロシア排他的経済水域において、カニ6万4,225個体、41,554kgを違法漁獲していたことが判明、当局により拘束されていた。
なお、これらの製品の内、活カニは当局により、速やかに生息地へ海中還元されたが、“SeaDream”の行動による天然資源への損害は1,889万9,590ルーブル相当と算出されている。

2012年06月25日 サハリン発
[サハリン国境警備局がカニ密漁等3隻のカンボジアFOC船を拘束]
ロシアFSBサハリン国境警備局は、2012年6月期、カニ等を密漁した3隻のカンボジアFOC船を拘束したと発表した。
この3隻のカンボジアFOC船“SeaDream”“Tron”そして“Арктик”(アルクテイク)は、東サハリン海域ロシア排他的経済水域で当局によって発見され検査を受けた。
最初の2隻からは、違法に漁獲されたズワイガニ(オピリオ)計82.5トン、また、3隻目からはカニの餌向けと考えられる冷凍スケトウダラ5トンに加え活魚水槽が発見された。

2013年05月17日
ウラヂオストク発 インターファクス通信
[日本の港で火災を起こした船舶乗組員は密漁をしていた]
日本の港で火災を起こした船舶"Тайган"(タイガン)のロシア人乗組員6名の死亡が確認されたが、非常に高い確率で彼らは密漁を行っていたと、“Дальневосточной ассоциации морских капитанов (ДВМК)”ロシア極東海洋船舶船長協会の代表Петр Осичанский(ペテル・オシチャンスキー)は、インターファクス通信のインタアヴューにこたえた。
オシチャンスキーは、"Тайган"が非常に高い確率で、オホーツク海においてカニを密漁し、その製品を陸揚げするため北海道の稚内港へ入港したと考えると語り、火事は、老朽化した船の配線、電気装置等が原因で、乗組員の過失の可能性もあると言及した。
また、オシチャンスキーは、密漁船が最小限の人員で活動していると加え、ほとんどの場合、船主が保険等の手続きをしておらず、死亡した船員の遺族は満足に補償を受け取ることはできないだろうと指摘した。
なお、"Тайган"はカンボジア旗で活動を行っていたが、実際の船主は、ロシア人、あるいは韓国人ではないかとされている。

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