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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

伊勢志摩サミット 問われる課題② 軍事的台頭どう解決

2016-05-25 11:21:42 | 国際政治
伊勢志摩サミット 問われる課題② 軍事的台頭どう解決

南沙諸島での人工島造成やレーダー設置、西沙諸島でのミサイル配備など、中国は南シナ海での軍事的台頭を強めています。ロシアは2014年3月、ウクライナへの軍事介入の末に、クリミアを編入しました。地域の平和と安定を脅かす「一方的な現状変更」にどう対応するか、伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の主なテーマとなっています。

対中、対ロシア
中国による南シナ海の一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動は、中国がASEAN(東南アジア諸国連合) と締結し、「紛争を複雑化あるいは激化させ、また平和と安定に影響を与えるような行動を自制する」と規定した「南シナ海行動宣言」(DOC)に反する行為です。ロシアによるクリミア編入は侵略行為そのものです。
いずれも事態の平和かつ公正な解決が求められています。
しかし、実際、こうした「一方的な現状変更」に対する日米両国の対応は、軍事的対応が中心です。
米国は中国が造成した人工島周辺に米軍艦を派遣する「航行の自由作戦」を継続。日本の海上自衛隊は、戦争法施行(3月29日)を受け、南シナ海で戦略的な寄港や訓練を活発化させています。南シナ海の領有権を中国と争うフィリピンへの自衛隊機の貸与ももくろんでいます。
軍事的挑発にたいし軍事で構えたら、軍事対軍事の悪循環に陥るだけです。いま国際社会に求められるのは、ASEANによる「南シナ海行動規範」(COC)実現に向けた粘り強い努力のように、対話による解決を促すための外交努力です。



太平洋上を米ミサイル駆逐艦「ストックデール」(左)とともに航行する海自大型ヘリ空母「いせ」(米海軍のホームページから)

当事者そろわず
伊勢志摩サミットには、日、米、英、仏、独、伊、加の7力国首脳がつどいます。いずれも日米安保条約と北大西洋条約機構(NATO)で結ばれた米国の軍事同盟国です。
1998年にロシアが正式参加しG8となったサミットは、ウクライナ問題を契機に2014年のブリユッセルサミットから、ロシアを除く現行のG7に逆戻りしました。
政治、経済、安全保障の面でも国際的影響力を強める、中国などの新興国はメンバーではありません。
「力による一方的な現状変更」がテーマに挙げられているものの、サミットの議論に参加するのは、一方の当事者のみ。問題解決にむけた当事者間の対話ではありません。
「基本的価値を共有するG7」―。サミットを形容する言葉として多用される表現です。しかし、共有する「基本的価値」とは、米国とその同盟国が共有する一方の「価値観」ともいえます。
異なる価値観をもった体制や文明が、それを相互に尊重し、共存することが大切な時代となっている現代の国際社会。テロや「一方的な現状変更」などをどう解決するか―。政治・外交をめぐる議論では、G7サミットの存在価値が間われます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月24日付掲載


ロシアのクリミア半島編入は許されるものではありませんが、それだからといってロシアをサミットから仲間外れにするのは間違ってるのでは…。
当事者がそろわないサミットでは、おのずから限界があります。

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