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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

労働講座 きほんのき③ 管理職 「経営者と一体的」が要件

2017-04-15 22:31:22 | 働く権利・賃金・雇用問題について
労働講座 きほんのき③ 管理職 「経営者と一体的」が要件

社会問題となっている過労死にかかわって、「管理職には残業代がつかない」などと言われることがあります。管理職とは一般労働者とどう違うのか、労働基準法の適用はどうなるのでしょうか。

労働基準法では、労働者とは、職業の種類を間わず、会社に使用され、賃金を支払われる者だとしています(9条)。「管理職」であっても、労務を提供して賃金の支払いを受けていることに変わりありませんから、労働者にあたります。
しかし、労基法では「監督もしくは管理の地位にある者」(管理監督者)は、労働時間、休憩および休日の規定を適用しないと定めています(41条)。
「管理監督者」とは、騒労働条件の決定や労務管理について「経営者と一体的な立場」(厚労省パンフ)にある者で、部長や店長などといった肩書にとらわれることなく、「実態によって判断する」(同)とされています。
具体的には、次の3点です。
①労働条件や労務管理について経営者と一体的な立場にあり、労働時間の規制を超えて活動せざるをえない重要な職務や責任と権限を有している
②労働時間について厳格な規制を受けず、自由裁量権を有している
③賃金について、その地位にふさわしい待遇がされている



管理監督者に関する厚労省の通達

名ばかり管理職
管理監督者に該当しないにもかかわらず管理職とされ、長時間労働をさせられたり、残業代を支払われないケースが多発し、「名ばかり管理職」として問題になったケースがたびたびありました。
日本マクドナルド事件の判決(2008年1月) では、店長に対して時間外労働に対する割増賃金の請求を認めました。
アルバイトの採用や時給決定などをしているものの、正社員の採用権限もなく、人事考課の最終決定にも関与せず、経営者と一体的立場にあったとはいえないとしました。
労働時間も、店舗営業責任者が確保できない場合は店長自らが担うなど実質的な裁量権限がなく、給与も管理監督者として十分なものとはいえないと判断したものです。
これを受けて厚労省は同9月、チェーン展開する小売・飲食業に対して通達を出し、管理監督者と認められない要素を示しました。
管理監督者の職務や責任・権限としては、採用、解雇、人事考課、労働時間の管理について実質的な責任と権限があることです。
店長であっても、営業中に店舗に常駐しなければならないなど実際には労働時間に関する裁量がほとんどない場合なども該当しません。賃金については、実際の労働時間数を勘案した場合に十分でない場合や、一般労働者の賃金と同程度以下である場合などは該当しないとしました。
その後も、「SHOPP99」などで「名ばかり店長」を告発するたたかいが広がり、見直しに追い込まれています。
また、金融機関の管理監督者についても、通達が出されています(1977年2月)。

課長も残業代を
管理監督者で適用が除外されるのは、労働時間、休憩、休日に関する規定だけであり、深夜労働の割増賃金や年次有給休暇を請求する権利があるとされています。7割以上の企業で深夜の割増賃金または定額の手当を支給しています。(財団法人労務行政研究所調査・2012年11月2日)また、管理職も労働者であり、組合を結成することや組合に加入することも可能です。
日本共産党の緊急提案「長時間労働を解消し、過労死を根絶するために」では、「“課長にも残業代を”1残業代が免除される管理監督者の規定を厳格に運用する」と打ち出しています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年4月15日付掲載


ファストフードやコンビニの店長など「名ばかり管理職」はもとより、正規社員の課長さんも経営に関する裁量権がないので管理者でない。残業代はでるってことです。
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