きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「維新」政治どうみる Q&A ③ 大阪でやってきたこと その1 「格差と貧困」の拡大

2016-09-21 22:08:16 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A ③ 大阪でやってきたこと その1 「格差と貧困」の拡大

Q 「維新」で大阪は改革された?

大阪でなぜ「維新」の支持率が高いのか。参院選で「維新」に投票した人は、その理由に「大阪を変えた」「変えてくれるから」などを挙げています。「身を切る改革」などの宣伝文句や「野党ポーズ」から、そんな幻想も出るのでしょう。
しかし、「橋下さんが知事になって以来の8年、大阪のくらしや景気は?」と問うと、「良くなった」より「悪くなった」という声が多く返ってきます。
いくつかの数字をみてみましょう。




「維新」は府知事・大阪市長ダブル選挙などで、「年率2%経済成長させる」と公約してきました。ところが実際は、橋下府政前と比べると、大阪経済は4・4ポイントのマイナスです。同じ時期、全国平均はプラス2・4ポイントですから、その落ち込みぶりは鮮明です。働く人の所得(雇用者報酬)などの指標も全国以上に悪化しました。
「子どもの貧困」は全国ワースト2位に陥っています(山形大学の戸室健作准教授の研究によると「子どもの貧困率」は大阪21・8%、全国平均13・8%)。
「維新」は「財政を立て直した」とも宣伝しますが、大阪府の借金残高は橋下氏の就任前の2007年度5兆8288億円から、14年度決算では6兆3751億円に増えています。
これらの数字は、貧富の格差を広げた「アベノミクス」をはじめとする国の悪政と同時に、大阪で「維新」がくらしの施策切り捨てを進めてきた結果です。
橋下・松井府政の8年に、学校警備員補助の廃止、特別養護老人ホーム建設補助の削減、国民健康保険への補助金削減など、総額1551億円を削減しました。そのうえ、子どもなどの医療費助成の窓口負担の改悪を狙っています。大阪市では橋下市長の4年に、地下鉄・市バスの「敬老パス」有料化、国民健康保険料連続値上げ、新婚世帯への家賃補助の廃止など、総額709億円がカットされました。いま、地下鉄・市バス民営化による市民の足の切り捨てが狙われています。
安倍政権の暴走によるくらし破壊に追い打ちをかけ、府民の懐を冷え込ませ、「格差と貧困」を拡大してきた「維新」政治の責任は重大です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月19日付掲載


大阪を「変えてほしい」と思って、橋下「維新」に投票したが、実際は自民の時より生活は悪くなった。
でも自治体の借金は増えているのだから、自民の時より無駄遣い?
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「維新」政治どうみる Q&A ② ルーツと狙い 行き詰まり大阪市解体へ

2016-09-21 11:58:35 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A ② ルーツと狙い 行き詰まり大阪市解体へ

Q 大阪の「維新」はどこから生まれ、何を狙っているのか?

ふりかえると前代表の橋下徹氏(元大阪府知事、前大阪市長)が率いた「維新」の台頭は、大阪の自民党・「オール与党政治」の行き詰まりが、どこよりも激しいなかでのことでした。
経済的には、「子どもの貧困」率がいまや全都道府県でワースト2位になるなど、全国最悪の形で「格差と貧困」が広がりました。関西財界がすすめてきた「関西空港・大阪湾ベイエリア開発」が破綻をとげて大阪経済と地方財政の巨大な「負の遺産」となります。これに代わるプランも示せなくなり、関西経済連合会は「関西経済は絶対的衰退の危機」とまで叫びます(1999年「関西再生シナリオ」)。
政治的には、自民党、民主党(当時)の支持基盤が崩れた大阪で、日本共産党を除く「オール与党」がどこよりも早く生まれました。しかし、府民との矛盾は消えず、2007年大阪市長選、08年府知事選では、従来の「オール与党」の枠組みではたたかえなくなっていました。



「大阪都」構想について訴える橋下徹大阪市長(当時)と松井[郎大阪府知事(左)=2015年5月、大阪市

この08年府知事選で登場してきたのが、自民・公明が推薦した橋下徹氏でした。茶髪の若手弁護士として民放テレビ番組に出演していた知名度と「大阪府職員は破産会社の職員」などの物言いで注目を集めました。彼が志向したのは、大阪の行き詰まりを「右から改革」することでした。
その姿が明確になるのが10年4月の「大阪維新の会」結成です。「大阪府庁の旧WTC(ワールド・トレード・センタービル)への移転」という提案をし、議会で否決されたものの、この案件への賛否を質草に、自民党のなかに手をつっこみ、知事が代表となる地域政党をつくりあげます。
そこでかかげた一枚看板が「大阪都」構想でした。大阪市をつぶし、その権限と財源を「大阪府」に吸い上げ、「1人の指揮官」でやりたい放題の「統治機構」をつくること企図したものでした。これと一体に、「なんでも民営化」路線を走り、「教育基本条例案」「職員基本条例案」を打ち出すなど、文字通り従来の「オール与党」政治にもなかった異質で危険な方向をたどります。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月17日付掲載


橋下さんのパフォーマンスが受け入れられたのも、元々の自民・オール与党政治がひど過ぎたから。
だからといって、やりたい放題、なんでも民営化は許されません。
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