きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

検証アベノミクス 雇用・労働③ 劣悪な条件で求職者減

2016-06-18 10:43:41 | 働く権利・賃金・雇用問題について
検証アベノミクス 雇用・労働③ 劣悪な条件で求職者減

安倍晋三首相は、「有効求人倍率は24年ぶりの高い水準」と繰り返し、それがアベノミクス(安倍政権の経済政策)の成果であるかのように自慢しています。有効求人倍率が上昇している原因は、雇用の劣化による労働力不足です。アベノミクスの成果どころか、雇用破壊の結果です。
有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探している人(求職者)1人当たり企業から何件の求人があったかを示す統計です。実際に就職が増えたかどうかを示す指標ではありません。厚生労働省が集計して毎月発表します。4月の有効求人倍率(季節調整値)1・34倍は求職者100人に対して134件の求人があったことを意味します。

サービス10%減
現実に起きているのは、求人の増加と求職者数の減少です。厚労省の統計(一般職業紹介状況)で安倍政権発足直後の2013年1月と直近の16年4月を比べると、有効求人数は201万人から251万人に1・2倍に増えていますが、有効求職者数は239万人から187万人に2割減。職を探す人の減少が有効求人倍率を押し上げています。
直近4月の有効求人倍率を職業別でみると、高い職は建設・採掘(2・84倍)、サービス(2・67倍)です。さらに細かくみると、「建設躯体(くたい)工事」6・53倍、「接客・給仕」3・56倍、「生活衛生サービス」3・27倍などです。いずれも非正規が多く、賃金水準が低い職業です。サービス 職では求職者数が前年比で10%減。劣悪な労働条件で人が集まらなくなっているのです。しかし、これが有効求人倍率を押し上げる要素になっています。



職場に向かう人たち=東京都千代田区




採用控える中小
実際、ハローワークを通じて就職できた件数は、安倍政権下の3年間(13年4月と16年4月)で2万9000件減りました。しかも、正社員の就職は毎月4割程度です。正社員の就職件数は同じ3年間で約9000件減っています。正社員の有効求人倍率は16年4月で0・85倍。依然として求職者数を下回る求人しか来ていません。14年4月の消費税増税で消費の低迷が長引き、中小企業が新規採用を控えざるをえなくなっているからです。
民間信用調査会社、帝国データバンクの企業アンケートによると、16年度に正社員を採用する予定の企業は、大企業で6年連続増加し8割を上回る一方、中小企業では57・3%と6年ぶりに悪化しました。
中小企業が雇用する労働者数は日本の雇用の7割を占めます。消費税増税による経営悪化などで休廃業が増え、全国の中小企業数は12年から2年間で4万4000社減りました。アベノミクスは中小企業を疲弊させ、雇用の質も低下させています。
(この項おわり)(山田俊英が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年6月17日付掲載


求職者数が減っていることによる、相対的なもので、「有効求人倍率」が上がっている。
でもその中身が問題。
本当は働きたくないわけじゃない。正規なら働く気にもなる。
コメント
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