きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安倍政権 危険な経済政策「アベノリスク」⑥ 無限サービス残業地獄

2013-04-23 22:15:13 | 経済・産業・中小企業対策など
安倍政権 危険な経済政策「アベノリスク」⑥ 無限サービス残業地獄

「とにかく精神的にきつかった」。木下良樹さん(29)=仮名=が、正社員で働いていた会社を辞めた理由です。携帯電話用のゲームを提供する会社で、木下さんはゲームの企画を担当していました。

毎日終電に
急成長を続ける携帯ゲーム市場。その業界大手でした。「死ぬ気で働くか会社を辞めるかどっちかにしろ」。上司に追い詰められ、厳しい売り上げノルマが課せられました。月末になると社員たちは「ヤバイ」を連発。ノルマ達成のため、毎日終電まで12~14時間働き、家に帰っても仕事。土日も仕事。そんな日々がずっと続きました。
木下さんは「みんな余裕がなくて死にそうな感じ。もう何がヤバイかもわからない状態でした」と当時を振り返ります。
「プライベートはすべて犠牲にして仕事。心の休む暇がありませんでした」
上司から「仕事ができない、遅い」と責められ、うつ病になる社員も。入社時20人いた同期の社員は現在、4人しか残っていません。
「問題なのは長時間労働です。労働時間が長すぎて、社会生活を営めない」。『ブラック企業日本を食いつぶす妖怪』の著者、今野晴貴さんは若者の労働実態の問題点を指摘します。「正規も非正規も働かせ方に上限がない。どう歯止めをかけるのかが大事です」



携帯電話用ゲーム画面

命に関わる
しかし、政府は「解雇の自由化」など、労働規制緩和を議論しています。労働時間と賃金の関係を切り離し、定額で何時間でも働かせる労働時間の適用除外制度の導入も狙われています。今野さんは「命に関わる問題」だと警告します。
「規制緩和されれば、企業はいつでも首を切れると脅迫してサービス残業を強要する。いじめ・パワハラが横行して無限サービス残業地獄になります。うつ病が深刻化し、過労死がもっと増えて自殺者も出るでしょう」
今野さんは、憲法との関係でも危うさを感じるといいます。「この間、働けるのなら最低賃金以下でもいいだろうというような、最低限の保障を破壊していく思想が著しい。働く権利を保障する憲法の理念から一番離れた危険な思想です」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月22日付掲載


僕も、ソフトウェア派遣のCSK(当時)に勤めていたので、長時間労働や休日出勤の実態はよく分かります。でも、「月60時間以上の残業(休日出勤含めて)は規制しよう」という雰囲気がありました。実際は、月100時間の残業もありましたが…。
ゲームソフトの会社と言えば、CSKの子会社だったSEGAでしょうか?それとも、コナミ、バンダイでしょうか?
何はともあれ、人間らしい職場ではないでしょうね。
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安倍政権 危険な経済政策「アベノリスク」⑤ 「解雇自由」で職場崩壊

2013-04-23 22:01:07 | 経済・産業・中小企業対策など
安倍政権 危険な経済政策「アベノリスク」⑤ 「解雇自由」で職場崩壊

アベノミクスの「成長戦略」は「解雇自由」社会の実現を狙います。
「うちの会社が、いち早くアベノミクスを経験しているのかもしれません」。日本IBMでソフトウエアエンジニアとして働く近藤雄司さん(47)=仮名=は職場の状況を吐露します。
日本IBMは昨年、従業員に対し突然解雇通告し、その日のうちに職場から追放する「ロックアウト解雇」を強行。多くの労働者が解雇されました。



日本IBM本社=東京都中央区

退職を促す
近藤さんは「ロックアウト解雇の怖さは、より迅速に確実に退職に追い込まれるところ」といいます。「ロックアウト解雇」は会社がいったん、解雇通告を出し、その後、割増金を支払うという形で自主退職を促すやり方です。応じなければ普通解雇となります。自分で辞めるか、解雇されるか。とにかく「退職」という選択肢しかありません。
「ロックアウト解雇」の恐怖から、従業員は労働条件について何も言えない状態です。文句を言えば即リストラ対象になるからです。
「成長戦略」を策定する産業競争力会議では、大企業経営者が中心となり、より解雇をしやすくするため、解雇規制緩和の議論を行っています。
「雇用維持型の解雇ルールを労働移動型ルールに転換」するとして、経済同友会の長谷川閑史代表幹事が、「解雇自由の原則」を法律に明記することを提案しています。

物言えない
近藤さんは、「今の状態が法的に認められたら恐ろしい。従業員はますます物が言えなくなって、経営者は非常に楽になるでしょうね」と指摘します。
日本IBMは過酷な成果主義と自己責任で、職場崩壊を起こしているといいます。一人一人個別に分断され、人にも仕事を教えないようになり、チームワークもありません。自分がリストラされないように、全員が年中競争に駆り立てられています。過重労働で体を壊す従業員が後を絶ちません。
アベノミクスが狙う「解雇自由」社会はこうした職場崩壊に拍車をかけます。「労働者は使い捨てですよね。解雇自由だから。使い捨て。そんな社会に未来はないですよね」。近藤さんは断言します。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月20日付掲載


アベノミクスの狙う「雇用の流動化」。「「成熟産業」から「成長産業」へ雇用を流動化させる」と言えば、良いように聞こえますが、要するにリストラです。
実際は、正社員から派遣や非正規への置き換えで、労働コストの削減。労働者にとっては、労働条件の悪化と賃金ダウンです。
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