岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「そり」遊び ①

2006-01-23 12:16:25 | いなか暮らし

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 赤や青のプラスチックのあの 「そり」ではなく今は見かけなくなった1㍍×1.5㍍もある木製の大きな「そり」。馬橇(ばそり)と言う馬に引かせた「そり」を少し小さくした「そり」

 小学校高学年か中学一、二年生の男の子がその頃、どこでも飼っていた牛を大人の居ないのを見計らって牛舎から連れ出す。首木と呼ばれる道具を牛の首にかけて牛に「そり」を引かせて遊ぼうと言う計画。沖縄の由布島の牛車の雪国版である。

 その頃から近所の子供たちが集まりだす。中には弟や妹を背負った子も居る。牛を引き出したお兄ちゃんは大得意で準備をする やがて小さい子から順に「そり」に乗せる ぎっちり7,8人も乗せてお兄ちゃんは手綱を握って「そり」に立ち、牛に声をかけると静々と歩き始める。車も走っていないから危ないと言うこともない。乗り物に乗るのは秋の花巻祭りに汽車に乗って以来だから子供たちは大喜び。

 Uターンして家に戻ろうとした所から事件が始まる。帰巣本能か家に向かった牛は猛然と走り出す。小さな子供は泣き出し、手綱を持つお兄ちゃんも怖い。何とか無事に戻って牛は平然としている。泣く子をなだめたお兄ちゃんも心臓が大きく鳴っている。牛を牛舎に戻して安心。

 そんなお兄ちゃんは当然、下の子の尊敬を一心に集める。 こんな光景が昭和30年代まであった。その時のお兄ちゃん、今も尊敬している。 

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