岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「産直・・」

2024-02-01 16:49:07 | いなか暮し

 菩提寺から年始に届くありがたいシールだが強すぎる粘着と残るシール跡に若い人たちは喜んでくれないので家の玄関はやめて、今年は田んぼの中の作業小屋の玄関戸に張り付けた「立春大吉」と「鎮防火燭」種々の災難から守ってくれるらしい。
 広い田んぼの中のポツンと建つ作業小屋だが数年前には古いパソコンとプリンターが盗られたことがあるから今年は守ってくれるかと思う。

 1月、買い物客でにぎわう近くの産直に立ち寄った。「今年はこれが高いんだ・・」「意外と安いなー」つい長年のくせで生産者目線になってしまう。
 つい2、3年前までは一介の生産者として産直に出いれしていた。田んぼ作業の合間、野菜作りの好きな老妻がわずかの野菜の出荷を楽しみにしていたが、定年になり専業農家になったのを機に、冬の間の空きハウス利用に農協の指導を得て寒締ホーレンソウ栽培を始めた。
 秋作業の終わるころに種を播いて晩秋の暖かさで成長を早め、12月に入ってからハウスを開放して外の寒さにあてるとほうれん草が急に甘みを増す、岩手の県北や遠野地方で栽培が多く年末年始を中心に出荷が盛んになる。当地でもそこそこ人気で産直出荷と併せ、東京市場や近くの温泉旅館からも注文を受けた。関東物が出回る2月中、下旬ころまでが旬。
 朝、産直開店前に売り場に値札を貼りつけてならべる・・開店と同時に売れはじめて、お昼前には産直からメールが入る「何時現在の売り上げ・・」時には売り切れ、補充できませんか?の問いもある。
 当日の売り上げ状態を見ながら夕方から翌日の出荷準備作業、包装作業は暖かな部屋で幼い孫たちとの楽しいやり取りを楽しみながらやるから忙しさもつい、忘れている。
 翌朝、時には凍てついた道を産直に向かうことも、何しろ朝が早いから車もそう多くは通っていない。
 そんな産直通いを20年ほども続けたろうか、年とともに凍てついた道も怖い、冬はもっと楽に楽しみたい・・・などと産直出荷をやめた。寒締めホウレンソーの出荷を続ける人も減り、「もうこれでおしまい・・」と言ったとき惜しまれたのが嬉しかった思い出として残る。
 長い冬、コタツでゴロゴロ、一日は長すぎる、売り上げ情報を楽しみに産直に通っていたころが懐かしい・・・・

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