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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

家庭のニオイ

2010-11-07 19:59:52 | 日記
 各家庭には住んでいる人には気づかない、ないしは、気にならない匂いがある。動物を飼っている家庭だとその匂いは、かなり強力だ。
 実家の建て替えが決まり、一時退避のため引っ越しを行った。家財道具の多くは引っ越し業者に運んでもらったが、何十年と床に敷かれたままだったカーペットや元の色も判別できないほど変色したカーテンなどゴミとして処分してしまおうというものが大量に出た。実家のある町では市営のゴミ処理場が、ウィークデイなら車で持ち込んだゴミを引き取ってくれる。わが家の自家用車にぐいぐいゴミを押し込んでゴミ処理場に運んだ。先週の金曜日のことだ。その時の車の中の臭いこと。何十年もの間、このニオイの中で暮らしてきたのか、と車の窓を全開にしてもなお鼻につく強烈なニオイに気が遠くなるような思いで車を走らせた。実家も犬を飼っている。20年前は猫を飼っていた。これが家出して帰ってこなくなってから犬を飼い始め、この建て替える家で3代目を今飼っている。この猫や犬たちの匂いと食事や生活の様々な匂いが融合して、鼻が曲がるような強烈な匂いをカーペットやカーテンに染み込ませたのだろう。自分ではわからないが、私自身もその匂いを体にまとって生きているに違いない。
 老人になると加齢臭がする、という。確かにある。高齢の男性が集まっている所には、見えないニオイシールドのような加齢臭ゾーンが存在する。他人事のように言っているが、私もすでにその高齢者の一人だ。若者や高齢者が一緒になって生活してその家庭の独特のニオイを作る。最近は何でも画一的な芳香剤の匂いで独特のニオイを隠そうとしているが、隠せるものではない。限度はあるにしても、ある程度許容範囲を広く独特のニオイを受け入れるべきだろう。ニオイもまた個性というものだ。

 加齢臭と言えば、同じカレイでカレーの匂いのことをふと思い出した。30年ほど前、通っていた大学が新宿界隈だったので新宿の紀伊国屋書店には、ほとんど毎日のように訪れては本を物色していた時期がある。この紀伊国屋書店の地下にカレー屋があり、絶えずカレーの香辛料のきつい匂いが地上階まで立ち昇って来ていた。似たようなカレーの匂いに出会うと一瞬にして当時の生活がまざまざと蘇ってくる。匂いと記憶はかなり密接に結びついているように思う。最近は新宿の紀伊国屋書店に行くこともなくなってしまったので、今どんな様子なのか今度行って確かめて来よう。
 
 実生活の記憶には、その場面の光景だけでなく、匂いが大きな位置を占めている。もちろん匂いだけでなく皮膚感覚もまた大きな位置づけを占めている。例えば寒い所で食べた味噌汁の匂いと立ち昇る湯気を顔で受けた感じは一体になって記憶に残っている。人の優しさもまた匂いや温かさと共に心に残る。さりげなく誰かの心に残る匂いや温かさを持った人物でありたい。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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