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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「アイルランドの海藻」

2007-07-09 21:57:43 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 海に囲まれた国なのに、アイルランドで海藻を食べる人は限られていました。ごく一部の人たちが、近くで採れるからとか、ローカロリーで健康にいいことを知って食べるくらいの、マイナーな存在で。主な活用法は、古いドキュメンタリー映画にあるよう、いい土をつくるための肥料にしたそうです。

アイルランド産の海藻“ドルズ”。健康食品屋で買えます。
 それが近年の健康ブームのアイルランドで、海藻は新たな注目をあびています。

 ヘルスショップには、カラギンモスやドルスといった自国産の海藻が、おしゃれなパッケージで売られています。

 カラギンモスは、かろうじて古くから食べられていたもののひとつ。寒天に似た使われ方で、あたためた牛乳にいれて、くず湯のようにして飲んだり、ムースのようなお菓子に使われていました。ドルスは、ゲール語でDillisk(デリスク・・・カタカナにしづらーい)とよばれ、乾燥させてスナックがわりにしたり、最近では粉にしてパンにまぜるのが流行りです。

 アイルランドにおいては、牡蠣と同じような立場にある海藻。

 採れるのにもかかわらず「え、そんなもの食べるの?」と、けげんな顔をする輩がいるのよ。インランド(中部)の人たちにとっては、長らくナゾの食材だったでしょう。

 そんな国で、虎視耽々と海藻料理を紹介する機会を待っていた人がいました。

 女医のプラニーです。彼女は、マークのいっぱいいる従姉妹のひとり。なので、長らく私は会う機会がなく、当のマークでさえ、何年も会ってない始末。

 それが、ひょんなことから、彼女の海藻料理本の撮影をすることになったのです。

 スライゴーに住むプラニーは、幼なじみで、サバ漁船の船長ジョニーと、小学校にあがったばかりの娘ケイトと、築200年の大きな家に住んでいます。

 「そろそろひき潮よ」のかけ声で、昆布や海苔を採りに出かけるのは幸せなことでした。私は、そこで初めて自分で岩海苔を採り、家に持ち帰って、佃煮にしました。

 しっかりと磯の香りがする、満足のできで、味見したプラニーも絶賛。

 彼女は後に、そのレシピを1日講習に招かれたバリマルーハウスで披露したのですって。たまたま受講されていた日本人の方が絶句されたとか。

 そうよねー、こんな遠くに料理を学びに来たのに、なぜに海苔の佃煮??

 世界は、こうして縮まっていくのです。

 海藻料理本の出版の予定はまだですが(アイルランドだもん)、このエピソードは、おいおいまたご紹介させてくださいね。


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