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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ハロウィンとネズミ」

2006-10-23 09:22:40 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 ハロウィンがケルトの大晦日にあたることは何度も記述したので、ここでは省きますね。農業国のお祭りなんだなーということは、年々あらためて実感する点です。

ハロウィンとネズミ。
 8月から10月にかけて様々な農作物の収穫が順々に進み、冬の始まりを意味する11月までにすべての収穫が終わります。また収穫といれちがいに、今度はすでに一部の種まきが始まります。こういうことは、都会育ちの私にはまったく想像外のことで。種まきといったら、年明けの早春から始まるものだと思っていましたから。

 たとえばウィンター・ホィートといって冬越えをする麦は、秋ぐちに種をまき、翌年の夏に収穫をするのだそうです。そっか、秋は収穫の時期でもあり、種まきの時期でもあるんだ。と、近年あらためて知った次第。

 10月に入って、ぐっと寒い日が増える頃、出るんですねネズミが。
 我家にも引っ越してまもなくの頃に、マークの部屋をネズミが横切って。幸い私は東京にいたときで、マークは私がアイルランドに戻る前に退治しなくちゃと大あわて。オーソドックスなネズミとりがいちばんと店ですすめられ、さっそくしかけるとあっという間につかまえられたそうです。

 そのときに驚いたのは、ネズミってチーズを好むと思っていたのですが、ネズミとりに一緒に仕掛けたのは、チョコレートのかけら。知りませんでした。ネズミって、チョコ好きなの!以来、念のためにチョコはしっかり蓋ものの入れ物にしまいます。

 それから約6年ほど、我が家でネズミを見かけることはなかったのですが。
 去年の10月、寒さが始まる頃に屋根裏を駆け巡る小さな足音を聞いてしまいました。うそっ感じ。夕方、かさこそって台所の屋根裏でささやかな音がして、夜が深まる頃には、走り回るのよー、屋根裏をすごい勢いで。昼間は庭で虫などをとってすごし、夜になるとヒーターで暖まった我家に帰ってくるわけです。

 ある夜、あんまり騒がしいので天井をどんどんって叩こうと思い、何か長いものを探したのですが、あいにくちょうどいいものが見つからず、愚かにもカウチの上に立って、ジャンプしながら何度か天井をぐーの字の手で叩いているうちに、バランスを失ってフロアに落ちて足をくじき、ひどい目に合いました。以来、ネズミは最大の敵です。

 ハロウィンの時期になると、あちこちで花火がすごいの。エスカレートするばかりなので、大きな花火には許可が要りますってポスターがいっぱい出るけれど、ほとんどおかまいなし状態。しかし、もしかすると、この時期の夜通しのお祭りは、種をまいた畑や、収穫した作物を保存する家や納屋に現われる小動物たちを追っぱらう意味もあるのかも。と、実感する田舎暮しの私です。

 今年の我家のネズミ対策は、近所のかわいい猫をときどきお借りして(キッドナップならぬ、キャットナップ)家をぐるりとパトロールしてもらうこと。さて、結果はいかに。もうカウチから落ちたくないからなー。


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