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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.10/ノリーンのパン」

2005-12-05 03:18:50 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 ひょんなことから、相棒のマークが、ファーマーズ・マーケットでパン屋さんの手伝いをすることになった。ノリーンがつくる自家製パンとケーキの店だ。キルデア郊外に工房を持つ、彼女のブラウンブレッドは、ホーム・ベーキングらしいあたたかさと、丁寧さがあって、とても気に入っていた。ニューブリッジではなかなか買えず、隣町のキルコリンに出かけたときなどに買っていたのだが、この数年はテンプルバーを始め、ファーマーズマーケットで売り上げを伸ばしていたという。週末は、4、5ヶ所で同時にマーケットが開催されるので、人手不足になっていたところ、マークに白羽の矢があたった。

ノリーンのクリスマス・プディング
ノリーンのパン屋を手伝うマーク
 マーケットを内側から見られるチャンスとばかり、彼の初仕事について行くことにした。しかし、無情にも幕開けは、大風に雨。開催されてまだ2週目のニューブリッジ・マーケットは、それでもレギュラーになりつつある、ふたつのオーガニック・ベジ(タブル)ショップ、シェリダンのチーズ、おかずパイを売るガーリック・キッチン、ジョンの肉屋などが、次々と屋台の準備をする。金曜日の朝9時前、マーケットは10時から始まる。

 ソーセージ屋のおばさんが、店の中央にビーチパラソルを立てようと苦戦しているところ、強い風にあおられた。傘にしがみつくおばさんは、さながらメアリー・ポピンズだ。クレープ売りのフランス女性は、テントが飛びそうになって、家に帰ることにした。青空マーケット、なかなかタフなことである。それでも、いいなと思ったのは、誰もが気楽に手を貸してくれ、困ったときはお互いさま、の雰囲気がマーケットに満ちているのだ。

 マークの、もといノリーンズのパン屋は、それでも彼女のご主人ヴィンセントがしっかりと屋台づくりをしてくれたので、店開きをした。

 そんな天気でも、アイルランド人女性たちは買い物にやってくる。ブラウンブレッドとアップルパイはすぐに売り切れた。意外に人気なのが、ペカン・パイだ。香ばしくて、お茶うけにぴったり。キャロット・ケーキもすぐに売りきれた。近所の人たちの食の嗜好が垣間見られて、興味深い1日であった。

 アイルランドでマーケットやフェアといった青空市場が人気なのは、人との出会いと交流にあるようだ。品物を売るのがメインにはちがいないが、客との交流そのものを楽しんでいるように思えることが、ここでは多い。

 面白いエピソードがたくさんあるので、また報告したいと思っています。


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