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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.8/続・ブラック・プディング&ホワイト・プディング」

2005-11-21 08:45:21 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 前回ブラック&ホワイト・プディングのコラムで「英国式」という表記を使いましたが、「イングリッシュ・ブレックファスト」とするべきでした。前回の記事も訂正しています。ご指摘いただいた方、どうもありがとうございます。

 「イングリッシュ・ブレックファスト」とすると、スコットランドとウエールズは、含まれないことになります。スコットランドの朝食にブラックプディングがあるようですが、ここはケルト圏なので、不思議はありません。ハギスもブラックプディングの一種といえますし。ちなみに、このブラックプディングは、前回も書きましたがケルト民族の伝統食です。

 ケルト圏といわれる、ケルト民族の住みついた場所は、アイルランドの他にスコットランド、ウェールズ、フランスのブルターニュ地方。それぞれ今は国も異なるので、変化はしているけれど、それでも食文化の共通項は見つけられます。フランスにはブラック&ホワイトプディングが存在し、クリスマスに食べる習慣のある地方があるそうです。スイスでもブラックプディングを食べると聞きました。ケルト民族はスイスの一部に暮らしていた形跡があるので、不思議はありません。ブラックプディングを食べる国をたどれば、ケルトの軌跡もたどれると、私は考えています。

 イングリッシュ・ブレックファストにもブラックプディングがのっていることがあると聞きましたが、それはきっとシェフかオーナーが、ケルト系なのではと推測。イングランドには、ブラックプディングの伝統はありません。と、きっぱり書きたいところだけれど、食べ物の歴史はあいまいで、民族間の交流の中で、いつのまにか食生活に取り入れてしまうことが多いから”絶対”は、ないのよね。だから面白いのだけど。

 先日、北アイルランドの朝食を食べに出かけたところ、「絶対」につくはずのソーダファールという伝統的パンが、お皿にのっていません。宿のおかみさん、ホリデー明けで「ごめんなさいねー、パン種を解凍するの、忘れちゃったのよー」と明るくひとこと。この国の、そういうユルさが好きです。


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1 コメント

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ケルトの概念は大きく変化中 (nanba)
2005-11-21 21:35:30
わざわざ訂正のコメントありがとうございます。

ただ、わたしの前回のコメントが意味不明になってしまいました(些細なことですが)。



さて、ハギス。現時点ではブラックプディングの一種と書かれていますが、血を使わない料理ですから、ホワイトプディングの一種といった方がよいのではないでしょうか?



そして、ケルト圏という書き方をされていますが、現在このケルトという概念は大きく変わりつつあります。大陸のケルトの遺跡から発掘された人々の遺伝子と現在のウェールズ、スコットランド、アイルランドの人々の遺伝子の解析から、現在島々のケルトといわれている人々は大陸のケルトの末裔ではないということがはっきりしたのです。つまり、大陸のケルトを前提とするとアイルランドやブリテンの島々にはケルトはいなかったのです。



大陸側には沢山のケルトの遺跡があります。これはなくせないし、ケルト人がいたというのは厳然たる事実ですから、”島々のケルト”については、今後、大きな変化があるものと思われます。注目されてはいかがでしょう。
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