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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「カントリーバター」

2007-06-18 23:11:36 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランドのバターは、市販しているものでも充分においしいのですが、最近のお気に入りはファームハウスの自家製カントリーバターです。

ジョンの売る自家製カントリーバター(右)。
 ファーマーズマーケットでラムを売っているジョンのガールフレンドがつくるバターが、すんごくおいしい。

 きれいなクリーム色(これが、ほんとうの“クリーム”イエロー!)で、市販のバターよりも、ふんわり、なめらかな舌触りです。

 パンと、このバターがあれば、他になにもいらない。と思えるほど。

 アイルランドでは、バターは冷蔵庫に入れず、台所の涼しい場所で保存するのが基本です。このカントリーバターも、そうしておいたのですが、だんだん熟成して、最後はチーズのようになっていました。

 賞味期限は2週間、と市販のものより短かいです。でも、チーズのようになったバターを味わってみて、そっか、そんなに長もちする方が不自然なんだっけと納得してしまいました。

 最近は、半分を外に出しておいて、半分は冷蔵庫に入れておき、それでも2週間以内には使いきります。このペースで、いつもいつも食べきっちゃうのはオソロシイので、買うのはたまに、ですが。

 カントリーバターをつくっているファームは、いくつかあって、今までも何度か買ってみたのですが、なかなか好みに合うものがなく、市販のものに比べてしまって、「ちょっと、もの足りないかな」と感じることばかりでした。

 それが、ジョンの売るバターは、塩気の少なさをまったく感じさせず、牛乳のまろやかなコクを存分に凝縮した味で「これぞバター」と、うなりたくほど。

 こういうおいしいバターを口にすると、この国になぜチーズの文化がなかなか育たなかったのか、わかるような気がします。

 乳製品は「フレッシュ」が命と思っているアイルランド人にとって、牛乳を熟成させるということに、魅力を感じなかったのでしょう。適度な寒さも幸いして、よその国よりも「フレッシュ」さを保つことができ、手間をかけてチーズにする必然性も薄かったのでしょう。

 バターは紀元前からつくられていたといわれ、パンのなかった時代は主食だったお粥、ポリッジにまぜていたようです。

 市販されている角張ったバターを見ると、これをポリッジに?と疑問でした。入れてみると、なるほどコクが出ておいしさは増します。が、ジョンの売るバターを食べて実感しました。ああ、昔の人たちは、こういうまったりとしたバターをポリッジにまぜてたのだろうなって。

 ジョンのストールは、ダンレアリとキルケニーに出ています。日本に持って帰ってくることはできないけれど、アイルランドにしばらく滞在される方は、ぜひお試しを!


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おいしそうですね! (mamakarin)
2007-06-20 17:39:56
こんにちは!いつも楽しく読ませて頂いています。
手作りのバター、本当に本当においしそう!
私は今カナダに留学していますが、6年前にアイルランド留学して以来、アイルランドは自分の第二の故郷だと思っています。乳製品は本当においしいですよね!ソーダブレッドにたっぷりバターを塗って食べたいなぁ...。
夜中なのにお腹がすいてきてしまいました☆^^

Unknown (SB)
2007-07-02 06:51:15
手作りバターはかなり魅力的ですね。
今アイルランドに滞在しているので
機会があればぜひ足をのばしたいのですが
ダンレアリもキルケニーもマーケットがいくつかあるようです。。

http://www.bordbia.ie/go/Consumers/Buying_Food/farmers_markets/fm_market_listing.html
私もたまに作っています。 (ELIM)
2008-02-11 15:25:39
アイルランドは牛乳自体がいいようなので、美味しいバターが出来るでしょうね。
私も、たまに生クリームが特売になった日等に、バターを作っております。バーミックスのビーターで2分位かき混ぜると、バターが出来ます。バターミルクもちょっと出来ますが、お菓子やパンに使えるほどの分量は、200ccパックのクリームからできるバターでは無理です。良く洗って、重量の1%位の塩を入れて、パンにつけて食します。
何時までも柔らかくて、塗りやすいですし、美味しいです。まあ、たまの楽しみですがね。

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