遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

炎症は広がるもん

2012-07-12 21:18:06 | BIONEWS
日焼けの仕組みを科学的に解明(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
日焼けがヒリヒリするのは、まあ普通の人でも「炎症のせいだろう」というくらいは分かってらっしゃると思います。じゃあ、なんで炎症が起こるのか? その「なんで?」を考えるのが科学なのですよ。「日に焼けたら赤くはれて痛みを感じるのはあたりまえやん」で終わらせたらそっから進歩がないんですなぁ。
最初何が起こるか・・・・紫外線で死ぬ細胞が出てくるわけです。ネクローティックに死ぬやつもいるでしょうが、だいたいアポプトーティックに死ぬでしょうな。大事になる前に自爆スイッチを押すわけです。それで終わりかというと、その時周囲の細胞に「この紫外線やばいっす」と知らせる。死んでいく細胞は細胞内で特殊な非コードRNAを分解して周囲にバラまきます。これが「お知らせ」になる。通常、外からやってくるRNAはウィルス由来であることが多くて、それに対する受容体を細胞表面に持っているのだが、その受容体は紫外線で死んだ細胞の発した非コードRNAの分解産物も受け取ることが出来て、炎症反応を誘発する。
これをヒトの皮膚細胞に紫外線を当てて殺した死細胞を正常細胞の培養に添加することで証明しました。そのRNA受容体を持たないマウスを作って(作れるんよ・・・)、紫外線当てると日焼けの症状はほとんど見られなかった。

紫外線に対する感受性ってすごく個人差がありますね。仕事でよく使うのですが、ほんとに弱い人はすごく弱い。それが、どのメカニズムで差がついてるのか分かってくるといいなと思います。炎症反応に対する個人差は意外と薬のオーダーメイドの指標になったり、癌のような病気のリスク判断に利用できるようになるかもしれません。ならんかもしれんけど。(オイッ

上の写真は今年いけなかった石垣島明石エリアの空。美しいですねぇ。これだけ奇麗だと日焼けなんかものともせずに飛びますぞ・・・フライト中は長袖長ズボンが決まりですけど。w
写真を見ていただくと分かると思うんですが、明石浜の珊瑚礁は潮の引き方しだいで自然に外海と隔てられます。そうなると、希少な青珊瑚の生息するこの珊瑚礁は巨大な潮溜まりとなって、そこの海水温が外海より高くなりじんわりと上昇風が出続ける状態になります。そうなるとパラグライダーでいつまでもいつまでも飛んでられる天国極楽状態になるんですよ。すんばらすぃですぞぉぉぉ~。

ニューヨーク連銀、07年に英の金利操作問題を認識(朝日新聞) - goo ニュース
英国金融界で発症した炎症が米国に広がりました。
いろいろと興味を持ってヲチしてますが、意外と金融で働いている人のブログやツイートを拾うと、「なんでそんなんが問題やねん?」とか、「誰だ? 煽ってるのは!」ていう反応の方が多いです。もちろん、金融の世界がお花畑のように奇麗で爽やかだとは思ってませんが、一応、法とかルールとか信用とか建前のようなものもとっても大切な世界だと思ってたんですよ。そうでなかったら、誰が大事なお金を託しますか? 日本のバブル崩壊後の失われた10年(20年? え、25年になっちゃいそうなの??)の原因のひとつは金融機関の萎縮だと思うので、こういうスキャンダルが変に作用しなければいいがと心配してるのです。まあ、欧州経済低迷の長期化は鉄板ですがね。
今のところのポイントは政界が金利の不正操作に関与してたかどうかみたい。

本日のお酒:KIRIN 一番搾り + 立山 本醸造
コメント
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