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HPV感染とワクチン  公明党とメディアの誤解

2010-08-17 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
抗菌薬の強い弱いという議論もしているワタクシタチではありますが、見渡せば世の中に、ハテナな感染症関連トークもあります。
地道に修正をしてまいりましょう。

8月13日の読売新聞の社説はじめ、大手メディアにしてHPVワクチンを「子宮頸がんワクチン」などとまだ書いてしまうあたり、社内にサイエンスチェック、メディカルチェックをする人がいないのかなと思うしかないですが。1社1社、記事ごとに、ほんとはこうなんですよ、というメールを送っています。

製薬会社がそう言うのは販売促進のためにあたりまえですが、メディアや行政には正確に表記していただきたいものです。

名前くらいいじゃねーか、ちっせーこというなよ、という人もいるかもしれませんが、大きな誤解につながる可能性があるのと、EBM上課題がありますので、専門家になる皆さんはご注意くださいね。

名前よりも問題なのは、8月16日のTBSの子宮頸がんワクチンに150億円の予算要求、の記事にもあるように、また、8月6日の公明党の記事にもあるように、

「がんを予防できる唯一のワクチン」

という明らかに誤った表記は速やかに修正をしていただきたいところです。
悪意でも、製薬会社の受け売りでもなく、ただの勉強不足だとおもいます。

公明党やメディアにお知り合いがいらっしゃいましたら、ぜひ伝えてください。

その際、B型肝炎ワクチンで肝臓がんを減らしましょう!ということもお伝えください。
HPVワクチンより安いです。防げたはずの水平感染もおきています。
母子感染対策だけでは不足ということは専門団体もいっているところですが、世の中にはあまり知られていません。
こちらもがんの予防とあわせて普及啓発をしていきましょう。
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2 コメント

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追加情報 (編集部 )
2010-08-17 14:18:57
公明党のホームページから意見や要望を送ることができます。
http://www.komei.or.jp/faq/
が、電話番号もあったので電話しました。
03-3353-0111です。

窓口のおじさんは熱心に聞いてくれました。
「これは記録されて党内でちゃんと回覧されるのか?」とたずねたところ、そのようになるが、副代表の松議員のオフィスに直接いったほうがよいということでしたので、永田町の事務所に電話。03-3508-8312 

予防接種というよりは、「女性特有」ということで展開している。
B型肝炎と肝臓がんんことはよくわかっていない模様。

ゆえに、「がんを予防する唯一のワクチン」という言い方の問題は気づいていない様子。

こどものワクチンの定期接種化も同じように要望しているのに、メディアはなぜかこちらをとりあげてくれない。
子宮頸がんに偏った報道はメディア側の問題。

・・・ふう。
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正解な知識が展開されてこその啓蒙 (luckdragon2009)
2010-08-19 10:08:34
単に情報を展開するだけではダメで、「正確な情報」を展開しないとマズいのですが、政治団体だと、そこまで気がついていないのでしょうか?
マスコミもそうですが、情報展開元として、それなりに権威がある政治団体として、少し考慮して欲しい気もします。
> 党としての主張

いずれにしても、お疲れ様です。
> 編集部 さま


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