数ある感染症のうち、エイズには特別に定期的な「発生動向委員会」があり、四半期毎に数字をプレス発表しています。
エイズで見つかる人が増えた(遅い診断)、母子感染が報告されたというニュースがありました。
気づいてもらえない、は2つあります。
1つは感染している人自身に「気づいてもらえない」。もうひとつは医師に「気づいてもらえない」。
感染している人に気づいてもらえないパターン。
まず、「おお、まさかジブンが感染していようとは!」の青天の霹靂の人。
しかし、よくきけばコンドームを使わないセックスがあります(多くの成人には心あたりアリでしょ?)。でも、検査に行かなかった理由は、世の中にある啓発情報が届いていない、届いていたがゆえに検査しなくていいと思えたから。
日本の広報がマズイでしょ、という話。
次に「怖くて検査できませんでした」という人たち。
(恐怖を煽れば検査行動に出るだろうという浅はかコミュニケーションも問題)
「ヤバイってわかっていましたからねえ」検査先送り群です。
このような人は、医療機関で医師に勧められたときに「やっと検査してもらえた」と語ることがあります。
なかには、HIV鑑別キーワードを医師に小出しにしていたのに、医師にスルーされてしまった、もっとすごいのは「HIVとかじゃないですかねえ・・」とまでいったのに、「そんなことはないでしょ」と否定されてしまったひともいます。(外国ではきっと訴訟になりますね)
医師に気づいてもらえない例としては、医師が普段の診療の中で、「もしかしたらHIVかなあ」と考えるアンテナがまず脳内にないことです。
一度研修を受けると、「これで検査しないとアウト」から「これでみつけたらホームラン」までパターン認識をすることができますので、近隣でHIV早期診断セミナーがあったらぜひ参加してください。
日本のHIV感染症の対策の運命を握るのは専門病院ではなく実はプライマリケア部門なんです。
秋の日本感染症学会・東日本大会では、関連のセミナーを青木編集長とその仲間達が企画中で、無料公開します。学生さんも他の職種の方もぜひご参加ください。
最後に母子感染。母子感染の手前には、妊娠可能年齢女性でのHIV感染の広がりがあります。
HIV流行地域出身の外国籍妊婦は別枠として、「日本人で妊婦でHIV陽性」の増加は公衆衛生上大問題なわけです。
妊婦はもともとコンドームをはずした女性のサンプルといえます。
プレバレンスが低くとも、1例の母子感染を予防するために公費でHIV検査をする理由があります。
母子感染リスクとして、妊婦健診を受けない人の増加、妊娠中のHIV感染の問題があります。前期は陰性だったのに、出産するときに陽性だった!という例です。
適切な対策をとれば母子感染率は1%以下の時代です。
まだ数は少ないですが、諸外国のように、東京・大阪のような高流行地域では前期後期2回検査をするか、コンドームを継続使用するように説明する、パートナーへの教育・検査推奨をすることも選択肢でしょうか。
急性HIV感染の妊婦の相談例が増えるようになったら大変なことです。
Frequent detection of acute HIV infection in pregnant women.(AIDS 2007)
地道に予防/早期診断の大切さを説明していきましょう。
エイズで見つかる人が増えた(遅い診断)、母子感染が報告されたというニュースがありました。
気づいてもらえない、は2つあります。
1つは感染している人自身に「気づいてもらえない」。もうひとつは医師に「気づいてもらえない」。
感染している人に気づいてもらえないパターン。
まず、「おお、まさかジブンが感染していようとは!」の青天の霹靂の人。
しかし、よくきけばコンドームを使わないセックスがあります(多くの成人には心あたりアリでしょ?)。でも、検査に行かなかった理由は、世の中にある啓発情報が届いていない、届いていたがゆえに検査しなくていいと思えたから。
日本の広報がマズイでしょ、という話。
次に「怖くて検査できませんでした」という人たち。
(恐怖を煽れば検査行動に出るだろうという浅はかコミュニケーションも問題)
「ヤバイってわかっていましたからねえ」検査先送り群です。
このような人は、医療機関で医師に勧められたときに「やっと検査してもらえた」と語ることがあります。
なかには、HIV鑑別キーワードを医師に小出しにしていたのに、医師にスルーされてしまった、もっとすごいのは「HIVとかじゃないですかねえ・・」とまでいったのに、「そんなことはないでしょ」と否定されてしまったひともいます。(外国ではきっと訴訟になりますね)
医師に気づいてもらえない例としては、医師が普段の診療の中で、「もしかしたらHIVかなあ」と考えるアンテナがまず脳内にないことです。
一度研修を受けると、「これで検査しないとアウト」から「これでみつけたらホームラン」までパターン認識をすることができますので、近隣でHIV早期診断セミナーがあったらぜひ参加してください。
日本のHIV感染症の対策の運命を握るのは専門病院ではなく実はプライマリケア部門なんです。
秋の日本感染症学会・東日本大会では、関連のセミナーを青木編集長とその仲間達が企画中で、無料公開します。学生さんも他の職種の方もぜひご参加ください。
最後に母子感染。母子感染の手前には、妊娠可能年齢女性でのHIV感染の広がりがあります。
HIV流行地域出身の外国籍妊婦は別枠として、「日本人で妊婦でHIV陽性」の増加は公衆衛生上大問題なわけです。
妊婦はもともとコンドームをはずした女性のサンプルといえます。
プレバレンスが低くとも、1例の母子感染を予防するために公費でHIV検査をする理由があります。
母子感染リスクとして、妊婦健診を受けない人の増加、妊娠中のHIV感染の問題があります。前期は陰性だったのに、出産するときに陽性だった!という例です。
適切な対策をとれば母子感染率は1%以下の時代です。
まだ数は少ないですが、諸外国のように、東京・大阪のような高流行地域では前期後期2回検査をするか、コンドームを継続使用するように説明する、パートナーへの教育・検査推奨をすることも選択肢でしょうか。
急性HIV感染の妊婦の相談例が増えるようになったら大変なことです。
Frequent detection of acute HIV infection in pregnant women.(AIDS 2007)
地道に予防/早期診断の大切さを説明していきましょう。