数字が大きくまちがっていました。すみません。英国の専門家は、自分の子どもや友人の子がHPVワクチンを接種する際、9割がサーバリックスではなくガーダシルを勧めると回答。です。(1人→9人に修正)
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5例目の乳児死亡のニュース(産経)です。
関連性を検証しないまま、新型インフルの時のように、ほら1人、ほーらまた1人、と報道することの問題が懸念されます。
確率論や疫学を勉強するとすぐ気づきますが、
「交通事故にあったひとの共通因子を調べたら、なんと全員、その日の朝、ご飯を食べていた/珈琲を飲んでいた ことがわかりました」的な説明がヘンだなあというセンスは大事ですね。
身体症状の変化も、時間や症状の出方を検討すれば、それってそのせい?ということの整理ができます。
ワクチン接種「後」に死亡をした乳児の症例について、明日8日にHibと肺炎球菌のワクチンについての検討会議が厚生労働省で開催されます。
3月7日の17時まで、傍聴希望を受け付けていました。
会議のあとブリーフィングが予定されていますので、メディアがまた伝えて行くことでしょう。
ワクチンとの因果関係を明確に検討する事は難しいと思いますが、会議のあとに、どのように接種が再開されていくか、不安軽減や事務的な混乱を最小限にして平時にもどっていけるように関係者の努力が続けられると思います。
しかし。
過去の例をみると、対処そのものが混乱の原因をつくってもいるので、場当たり的なバッシング回避のやっつけ仕事にならないように関係者はウォッチしていく必要があります。
「子宮頸がんワクチン不足 無料接種で需要急増、生産追いつかず」???
産経新聞 3月7日
今のところ、英語のニュースやメーリングリストに、Cervarix shortage/delay情報はありませんし、製造工場地域の地元ニュースにもなっていないので、製造がおいつかない、のではなく、輸入手配がうまくいっていない、はないでしょうか。
厚生労働省は急遽対象を「高1まで」から「高2まで」に拡大することでしのぐという記事がYahooにありました。
予算は限定的ですし、これでまた「先に接種をしたウチの娘の分のお金をかえしてほしい」という問い合わせも増えるでしょう。行政の方はふりまわされっぱなしです。
この先どうするつもりなのか、併せて教えてもらえれば対応が準備できますが。
一般の人の予防接種の認知も大事なのですが、実はこの業務に関わる行政の人たちが「予防接種って大事だなあ」と思って、地味な業務に取り組む意義を信じてもらえることも大切なんです。
現場の負荷を考え、やはり早く予防接種の専門機関を作ることが必要だと思います。
そして、現場にも必要なマンパワーを増員するくらいの切り替えをするべき時期なのではないでしょうか。
サーバリックスでのdelayといえば。
米国での承認が遅れました。その一因にイギリス人の14歳死亡症例の報告がありました。もちろんGSKはワクチンとの因果関係はないと説明をしましたが、プロセスに遅れが出たのは明らかです。
その後、2009年に米国でも認可され、国のワクチンプログラムの選択肢となりました。
多くの国はガーダシルとサーバリックスを2つとも承認しており、希望者はどちらでも選択が可能です。
しかし、無料プログラム・学校での集団接種でどちらを選択するという話になると、4価のガーダシルのほうが費用対効果がよいのではないかということで選択されることが
多いようです。
学校での集団接種をしない米国では、かかりつけ医師で、保険会社がカバーする(指定する)ワクチンを接種することになります。
学校での集団接種プログラムにサーバリックスを採用したのはGSK本社のあるイギリスと、サーバリックスしか認可されてなかった日本です。
英国はガーダシルよりもコスト安ということが重視されました。
最近のニュースですが、英国では、Sexual Health の専門家らが、ガーダシルに変更する提案をしています。
英国の専門家の10人に9人は自分の子どもには自費でガーダシルを接種、友人にもすすめると回答。
実際に娘のいる専門家の61%は自費でガーダシルを接種。
Doctors demand schoolgirls be vaccinated against genital warts
2/13 Guardian
毎年英国では 91,000人がコンジローマを発症。さらに、70000人が再び治療が必要な状況になりあす。
子宮頸がんが減るかどうかは2025年まで検討できませんが、コンジローマはより短期間で介入効果を把握することができ、現時点でもイギリスの医療費削減を検証しやすいからです。
先日出たオーストラリアでの発生数の減少報告もあります。
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5例目の乳児死亡のニュース(産経)です。
関連性を検証しないまま、新型インフルの時のように、ほら1人、ほーらまた1人、と報道することの問題が懸念されます。
確率論や疫学を勉強するとすぐ気づきますが、
「交通事故にあったひとの共通因子を調べたら、なんと全員、その日の朝、ご飯を食べていた/珈琲を飲んでいた ことがわかりました」的な説明がヘンだなあというセンスは大事ですね。
身体症状の変化も、時間や症状の出方を検討すれば、それってそのせい?ということの整理ができます。
ワクチン接種「後」に死亡をした乳児の症例について、明日8日にHibと肺炎球菌のワクチンについての検討会議が厚生労働省で開催されます。
3月7日の17時まで、傍聴希望を受け付けていました。
会議のあとブリーフィングが予定されていますので、メディアがまた伝えて行くことでしょう。
ワクチンとの因果関係を明確に検討する事は難しいと思いますが、会議のあとに、どのように接種が再開されていくか、不安軽減や事務的な混乱を最小限にして平時にもどっていけるように関係者の努力が続けられると思います。
しかし。
過去の例をみると、対処そのものが混乱の原因をつくってもいるので、場当たり的なバッシング回避のやっつけ仕事にならないように関係者はウォッチしていく必要があります。
「子宮頸がんワクチン不足 無料接種で需要急増、生産追いつかず」???
産経新聞 3月7日
今のところ、英語のニュースやメーリングリストに、Cervarix shortage/delay情報はありませんし、製造工場地域の地元ニュースにもなっていないので、製造がおいつかない、のではなく、輸入手配がうまくいっていない、はないでしょうか。
厚生労働省は急遽対象を「高1まで」から「高2まで」に拡大することでしのぐという記事がYahooにありました。
予算は限定的ですし、これでまた「先に接種をしたウチの娘の分のお金をかえしてほしい」という問い合わせも増えるでしょう。行政の方はふりまわされっぱなしです。
この先どうするつもりなのか、併せて教えてもらえれば対応が準備できますが。
一般の人の予防接種の認知も大事なのですが、実はこの業務に関わる行政の人たちが「予防接種って大事だなあ」と思って、地味な業務に取り組む意義を信じてもらえることも大切なんです。
現場の負荷を考え、やはり早く予防接種の専門機関を作ることが必要だと思います。
そして、現場にも必要なマンパワーを増員するくらいの切り替えをするべき時期なのではないでしょうか。
サーバリックスでのdelayといえば。
米国での承認が遅れました。その一因にイギリス人の14歳死亡症例の報告がありました。もちろんGSKはワクチンとの因果関係はないと説明をしましたが、プロセスに遅れが出たのは明らかです。
その後、2009年に米国でも認可され、国のワクチンプログラムの選択肢となりました。
多くの国はガーダシルとサーバリックスを2つとも承認しており、希望者はどちらでも選択が可能です。
しかし、無料プログラム・学校での集団接種でどちらを選択するという話になると、4価のガーダシルのほうが費用対効果がよいのではないかということで選択されることが
多いようです。
学校での集団接種をしない米国では、かかりつけ医師で、保険会社がカバーする(指定する)ワクチンを接種することになります。
学校での集団接種プログラムにサーバリックスを採用したのはGSK本社のあるイギリスと、サーバリックスしか認可されてなかった日本です。
英国はガーダシルよりもコスト安ということが重視されました。
最近のニュースですが、英国では、Sexual Health の専門家らが、ガーダシルに変更する提案をしています。
英国の専門家の10人に9人は自分の子どもには自費でガーダシルを接種、友人にもすすめると回答。
実際に娘のいる専門家の61%は自費でガーダシルを接種。
Doctors demand schoolgirls be vaccinated against genital warts
2/13 Guardian
毎年英国では 91,000人がコンジローマを発症。さらに、70000人が再び治療が必要な状況になりあす。
子宮頸がんが減るかどうかは2025年まで検討できませんが、コンジローマはより短期間で介入効果を把握することができ、現時点でもイギリスの医療費削減を検証しやすいからです。
先日出たオーストラリアでの発生数の減少報告もあります。
先生のコメントに賛同いたします。会議で変な方向へ逆行するのではないかと本当に心配している一小児科医です。役人の方に納得してもらいやすく図を作ってみました。可能であれば、先生にご批評いただき、本日の予防接種の会議までに厚生労働省の方に見てもらえたらうれしいのですが、難しいでしょうか?
m3.comの資料共有広場にアップしているワクチンではいかに・・・というファイルですが、見ていただけると嬉しいです。
専門家の会議でのサスペンドは本当に残念でした。
毎日数人の細菌性髄膜炎の発症がある中、子どもたちの生命を守ることが最優先事項としてとらえられ、ワクチンが早期に再開されますよう強く祈っております。
今後とも専門家のお立場からいろいろとご指導をよろしくお願いいたします。