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B型肝炎ワクチン ユニバーサル接種25年の実績(台湾より)

2012-06-21 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
B型肝炎ワクチンは、中年よりは、若者、若者よりはこども、こどもよりは乳幼児のほうが抗体のあがりがよいワクチンであります。
1992年にWHOが乳幼児のルチンワクチンとして位置づけましょうといった背景の1つ。

日本は乳幼児にすること、ワクチンの存在さえ啓発されていないため、結果としてその「機会を逃している」当事者・保護者が存在します。

感染を知ったとき、ワクチンが実はあったのだと聞かされて嘆く親御さんはB型肝炎ばかりではないのですが・・。


接種をしたあとに、poor response な人ががいることが知られています。
日本でも「ハイリスクな人」(医療従事者)などではもう1クールやりましょう、ということになっています。
(費用負担は誰かという問題あり)

何度も何度もやったりはしません。
Vaccine non responders


そのB型肝炎ワクチンですが、、、日本が母子感染にしぼったselective vaccinationに決めたのとは対照的に、universalを展開した台湾。
すでに25年のデータ蓄積があります。

20日のロイターの記事。

Hepatitis B vaccine protects for 25 years: study
ロイター 2012年6月20日


もとになった論文。
Minimization of HBV infection by a 25-year universal vaccination program
Journal of Hepatology 2012年6月4日

"The universal infant HBV immunization program in Taiwan has completed its 25-year follow-up and its efficacy in young adults is clear. The continued decrease in HBsAg prevalence suggests that the elimination of HBV infection is becoming a reality."


こちらは、子どもでの反応が悪かった、という報告
Low Immune Response to Hepatitis B Vaccine among Children in Dakar, Senegal
PlosOne 2012年


※ありとあらゆる想定質問に回答をつくっているCDCのQ&A

日本の問題は、HBVより稀なHPV感染の予防ワクチンは定期枠にはいるかもしれないが、HBVは現時点で任意のままいなりそうなこと、保護者がネットの情報などに気づいて接種希望者がちょっと増えると、すぐ在庫や流通の問題がおこること、です。
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