語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】偽装の背景 ~消費増税により偽装が拡大~

2013年11月03日 | 社会
 (1)「阪急阪神ホテルズ」が運営する8ホテルのレストランなど23店で、最長7年半、メニューが偽装されていた。
 「やわらかビーフソテー赤ワインソース」には、牛脂を注入した加工肉を使用・・・・

 (2)メニュー表示と異なった料理は47品。手違いで「誤表示」となったものもあるかもしれないが、明らかに意図的なものもある。
 <例1>高級食材の「九条ネギ」を単なるネギで代用。
 <例2>高級食材の「レッドキャビア」を単なるトビウオの卵で代用。
 <例3>系列の高級ホテルで、容器入りジュースを、生搾りを連想させる「フレッシュジュース」として1杯1,400円で提供。

 (3)現場では、表示のウソを知りながら、「まあ、こんなもんかな」と放置していた。
 関西で「阪急」は高級老舗ブランド。客は、食事だけでなく、ブランドに高いカネを払った。「裏切られた感」はとてつもなく大きい。

 (4)中部地方でも、10月、流通大手のイオンを捲き込んだ過去最大規模のコメ偽装が発覚。三重県警が日本農林規格(JAS)法違反容疑などで強制捜査に着手した。
 同県の米穀卸業「三瀧商事」が中国・米国産米を「国産」と偽り、イオンで偽装米が混入した弁当やおにぎりが大量販売されていた【注】。複雑な伝票操作で産地を入れ替える「ライスロンダリング」だ。

 (5)コメの偽装が後を絶たないのは何故か。
 コメの偽装はやりやすく、発覚しづらいからだ。コメのDNA鑑定では、品種しかわからない。品種が同じなら、産地まではわからない。古米も相当古いものであればわかるが、1年前のコメだと難しい。そのことを業者は皆知っている。

 (6)かかる偽装の背景に、外資参入による熾烈なホテル間競争や大手からの値引き要求があったらしい。
 懸念されるのは、消費増税だ。景気は良くならない。電気代や物価は上がる。こうした中、増税分を価格に転嫁できない食品業者や飲食店の経営はより厳しくなる。そうした業者が追い詰められたらどうするか。
 偽装が起こりやすくなる。
 
 【注】「【食】「イオン」の産地偽装 ~中国猛毒米~

□記事「阪急阪神ホテルズ、三瀧商事は「序章にすぎない」 ~“食品偽装”~」(「サンデー毎日」2013年11月10日号)
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