hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

角田光代、穂村弘『異性』を読む

2012年06月02日 | 読書2

角田光代、穂村弘著『異性』2012年4月河出書房新社発行、を読んだ。

河出書房新社のこの本の宣伝にこうある。(お二人の写真と対談が載っている)

角田光代と穂村弘の初の共演&競演でおくるのは、全く新しいタイプの恋愛エッセイ。
まるで往復書簡をやりとりするように、カクちゃんとほむほむが、それぞれ女の立場、男の立場から、恋と愛の24のテーマについて、とことん考えます。
ともに大学デビューで、さえない青春を送ってきたという2人だからこそ、もてる人ともてない人をわける理由を鋭く分析。
そのほか、男と女のすれ違い、勘違いについても、実体験をまじえながら考察していきます。
あなたの恋は錯覚? それとも幻想!?
恋愛中の人も今から恋愛予定の人も、そして過去の恋愛を成仏させたい人も、必読です!



表紙のイラストが「いいなぁ」と思った(宇野亜喜良さんと長崎訓子さんの競演)。



私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

ともかく打てば響く二人の掛け合いが男と女の違いを際立たせてくれる。恋愛考察エッセイなのだが、当人達が言うほどかどうかは別にして、両人共もてない辛い過去に基づく話になっているので、私にも安心して、笑いながら読めた。



以下、私のメモ

「女性は非日常体験を求めている」という角田さんの話を受けて、穂村さんは「イタリア旅行中に駅員からプロポースされた」という女性の話を思い出す。しかし、彼女にとっては生涯初の経験でも、駅員は下手したら毎日で、日常の振る舞いかもしれない。
女性が本当に求めているのは非日常体験によって証明されるはずの愛の温度なのだろう。もともとハイテンションな男性が日替わりの着ぐるみ姿でお姫様抱っこをしてくれても「愛が冷めていない」ことの証明にはならないから、やはり駄目なのだ。

「好きな人」しか目に入らないことの度合いが、男とは比較にならないほど大きいのは何故だろう。(穂村)
薔薇でもサンタクロースでも、お姫様抱っこでも、・・・たしかに、好きな人からでないと意味がない。どころか、意味が真反対になる。うれしくて死んじゃうかも、が、うげ、キモイ死んでくれ、になる。(角田)

「頑張ってお洒落してお化粧して可愛くしているんだから、デートの費用は当然男性が全部払うべきだと思います」



穂村弘(ほむら・ひろし)
1962年5月北海道生れ、名古屋育ち。北大入学し、すぐ退学し、上智大学入学。
卒業後、SEとして就職。
1989年第1歌集刊行。
2002年初エッセイ『世界音痴』
2005年『現実入門』
2008年結婚、『短歌の友人』で伊藤整文学賞受賞
2009年「 整形前夜


角田光代の略歴と既読本リスト

 

コメント
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