湯めぐり四方山話

湯めぐりは 人・風物との出会い

菅野温泉(下諏訪)

2019-04-07 | 長野の温泉

御柱祭に沸く共同湯「菅野温泉」

七年に一度の大祭「御柱祭」で、下諏訪の街中が沸き立っていた2010年に、街の共同湯「菅野温泉」に入ってきた。

諏訪大社下社秋宮の前の通りを下って少し行ったところに、表に小さな掲示で「菅野温泉」とあった。

見落としそうだが、そこから横に入ると暗く狭いトンネル通路があり、その中に菅野温泉はある。

ガラス戸をひいて中に入ると木製の古い下駄箱や番台がある。

休憩室には座り椅子付きのお釜形ドライヤーもあり、大正か昭和の初期にタイムスリップした風情だ。


しかし意外にも、内部はとても明るい。

また、脱衣所、休憩室、浴室の洗い場などが、すべてゆったりと広い。

当然のことながら浴室の真ん中の惰円浴槽は源泉掛け流しだった。

「なんという贅沢!外観よりも中味が驚くほどいい」共同湯だ。

私が入ったのは、四月中旬の平日、午前十時から十一時頃。

入浴客は、脱衣所に二~三人、浴室には五人ほどいた。昼間にしては人が多く、皆が驚くほど朗らかによくしゃべっていた。元気な地元の人々の会話を聞きながら浴室に入った。

浴室は広く洗い場も一つずつが離れているので、人を気にしないで洗えてうれしい。やっと楕円形の浴槽に入ると四十二.五度くらいでやや熱めだが、湯めぐりをするうちに熱めの湯に慣れたのか、こんなのはほどいい湯加減に思えた。

泉質はしっとりスベスベで何より掛け流しなのが快適だった。

思わず、浴槽で隣に座っている人に「近くの方ですか?こんないい湯に毎日入れていいですね」と声を掛けたところ

「あんたは、どこから来たのか?」「下諏訪の御柱祭を知っているか?今年見たか?」と大勢から矢継ぎ早に、御柱の話ばかり聞かされる羽目になった。

ここ下諏訪では、四月九日~十一日の三日間「御柱祭の山出し(木落とし)」があり、たくさん客人が家に泊まりに来て、女性達は夜も昼もなく三日間ぶっ続けに、おもてなし料理を作ったという。

一大イベントも無事に終わり、次の五月連休明けの「里曳き」までの間、女性たちは一息して元気を吹き返すらしい。

それで、この時期、街の女湯は、平日の昼間から活気があり、解放感いっぱいなのだ。

一方、男湯はその逆の現象のようだ。入湯客が五~六人いたが、全員何かうつろな目をしており一言も話さない。魂の抜け殻のように、誰もがボーッと浴槽に浸かっているだけで薄気味悪かったという。

夫いわく「七年に一度の山曳きが終わり、下諏訪の男達は生きる目標を失しなったか?」

・・・・・・・2010年4月の訪問より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ★菅野温泉 (下諏訪温泉の共同湯) 温泉データー★

  住所) 長野県諏訪郡下諏訪町3239-2

 TEL:0266-27-6095

 (入浴時間)5:00-21:30(冬は5:30から)

 (休館日)  年中無休 

  (入浴料)  大人220円  子供110円  

 (泉質) ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉、  

(源泉の温度)   源泉の温度58.5

              成分総計1492mg。2つの源泉を引いている。

             (旦過第1源湯60L、旦過第2源湯380L     

 (交通アクセス)

    ・長野自動車道の岡谷ICを降りて、国道20号線を下諏訪町方向へ。      

    ・国道142号線との分岐「大社通り交差点」のすぐ近く。

    ・第3区事務所の脇の狭い通路を入る。

  (駐車場)

     裏手に市営駐車場が近い。

     駐車券に番台でスタンプをもらうと無料。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2010年以後、長らく行っていない下諏訪。また一度訪れたいもの。


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