OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

生蕎麦

2012年06月27日 | 書道・筆文字
高林五峰は昭和初期まで生きた名の知れた書家だが、写真にある「生蕎麦」の看板が残る。
いまは「生そば(楚者)」と書いているものがほとんど。
老舗に残るいい看板である。
三時過ぎに入っても店はほぼ満席、海老天二尾付きの盛りそばを頼む。

夕刻は、池袋西武アートフォーラムの土屋典康作陶展、第35回記念のオープニングパーティへ。

日本に帰化した鬼怒鳴門さんも駆けつけた。30年前から土屋さんの作品を買っているそうである。
キーン先生も好きだという土屋さんらしい鉄砂釉の角蓋物を私もいただく。

だれでも売れた陶芸の時代は去り、本物しか残れない時代になった。(売り込みの上手いのも残るか、そりゃどこも同じだ)
気力が大事だ!

「体力がないと気力もなくなる」と気を引き締めているような土屋さん。
土屋さんの勝負していると思われる作品の品格ある佇まい。そこを私も追及しなくてはいけないと思う。




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ガシャ

2012年06月26日 | 書道・筆文字
時間がなくても成立するのが書の特性でもある。
失敗や成功と判断しなくても、その時、は、その時、でしかない。
あからさま、を表すのも、書。
ガシャ、と書きたい気分であり、構成をしたくない気分であった。
偶然もいいだろう。

書というより、墨痕、であったり、筆あとそのものだったりするもともある。

そして、そこから、何かの加工が行われると、そこから思わぬ成果が表れたり、尚、みじめになったり…。

今回は、藍染めの風呂敷のコラボのための仕事。
最終章は、「ガシャ」書きである。
染めも、破綻するほどのものでいい、と依頼。
藍、そのものが、やわらかいので。

瓶覗き、浅黄、藍……グラデーション……いやいや「ガシャ」だ。
白い布に書いただけで成立しているものもあるが、今回はあえてそれも染める。
失敗でもいい。失敗もいい。
失敗もみたいのだ。

それが一年後、いいと思えたり…。
そこいらにあるものを、あえて作ることもない。
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琴玉香

2012年06月22日 | 文化・芸術
琴の音に 峰の松風 通ふらし
  いづれのをより 調べ初めけむ

琴の音に、峰から吹く松風が和して奏で合っているらしい。
いったい、峰の尾から吹く松風か、
琴の緒(弦)の音かどちらか先に調べを合わせ始めたのでしょうか。


釜山で行われた香席「琴玉香」のレジメから引用。
そこにはまた、正倉院に残る新羅琴、高田松原の一本松と韓国の松林だろうと思われる画像の3つがあった。

「鶴」の思いだけではなく、ここにも一本の松を通して、つなげようとしている思いがあった。

琴の音が先か、松風の音か、呼応、阿吽の呼吸…
それは震災のとき真っ先に援助に駆けつけてくれた韓国の方への感謝の意もあったとか。


写真は通度寺につづく松林である。



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通度寺

2012年06月20日 | 文化・芸術
きょうは、大塚。小楷を書く。
下では、韓国イベントの編集作業がなされていた。ごくろうさんである。

今回の旅の全体像がよくわかる写真がたくさん。

だが、アランさんと私しかしらない一日が、写真の通度寺(トンドサ)の旅である。

釜山の地下鉄終点から郊外バスに40分ほど揺られる。
釜山北のとなりまちにあるが、慶州観光で必ずよる仏国寺よりもいい。
人も少ないのだが、その時は観光客よりも信仰でいらしている方が多かった。
実際に修行しているお坊さんも100人くらいいるらしい。

バスターミナルから山門まで100メートルほど。そこから1キロくらい川に添って松林を行くとやっと中心地へ。
そこも相当広い。周りの山を見渡すと、そこが全部トンドサの敷地とか。

唐の太宗もそこに来たとかで中韓の歴史書にあるとか、そこに本尊はなく、仏舎利が安置されている。前はそこは見学不可だったそうだ。

建物は色もさめているものも多いが、本当に古いのは土台。石に歴史がある。

たまたま一週間に一度、案内ボランティアに来ているという朴さんという方が日本語も出来て、私たちを案内してくれた。
朴さんは東大で日本文学を学んだそうだが、当時、本郷に住み、お風呂屋さん通いだったらしいが、その銭湯にアランさんも同じ時期、通っていて、番台の人までお互い覚えていて、二人で盛り上がっていた。

「番台に若い男の人がいるなんて、信じられない」という朴さん。

トンドサの逸話に、女が虎になって愛した僧をさらい、結果は安部定事件のような話があるのだが、
「…岩の上には、連れ去られた僧が死体となっていましたが、男性の大事なところが切りとられたていました」と流暢な日本語で語る朴さんであった。



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ボランティア

2012年06月17日 | 日記
ボランティア、の捉え方っていろいろな考え方があると思う。

しばらくのぞいていなかった「児童養護施設支援の会」ブログを拝見。
頭が下がる。

誰がどう思うと、目の前のことをやる。困っていることや人があれば、そこに添ってあげる。
誰のためでもない、そうしているだけだ。といっているような集合体である。

自分の生き方と照らし合わせてみる。

なかなか太刀打ちできない。

今の日本の欺瞞よ、欺瞞大国日本よ、ここより学べ!
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この葉なんの葉、気にならない葉

2012年06月14日 | 文化・芸術
「遊びま書Ⅱ」の親子向けクイズの一つに、
京都冷泉家の七夕行事「乞巧奠(きっこうてん)」の時に、四方に紐をめぐらせ、そこに吊る植物の葉は何の葉?
という問題をだした。
難しそうな質問だが、三つの植物の葉を並べて、それをとってもらうだけ。

ヤブランの葉、コウゾ(カジ)の葉、トチノキの葉の中から。

答えは、梶の葉。楮の葉。

梶と楮は学名は違うものの、今は違いを見出せない。
もし違いがわかるという方がいたら、教えてもらいたい。

梶の木の皮の繊維は機織りに使われた。
楮の木の皮の繊維は紙になる。
「こうぞ」を小川などでは「かず」というのも「かじ」の訛りからか。

七夕は、技芸の巧みを祈る行事でもある。
「棚機」と書いて「たなばた」とか。機織りの行事であったというのも頷ける。

今は、里芋の葉のしずくで磨った墨で短冊に願い事を書く、ことさえ昔話か。

写真は、楮の葉。
クワ科なので、そのままにして成長すれば、桑のように実もなる。
近くで撮影。あまり気にならない葉である。

来月は「この木なんの木、気になる木」を観に行く予定である。
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家族会議

2012年06月14日 | 書道・筆文字
教えているところの子どもの10月以降半年分の内容を提出する期限が過ぎた。

某放送協会関連の年一回のコンテストがある。
今回はそれにしっかり取り組むつもりで予定を組むつもりだ。

だけど、コンテストで何が大事なのか、考えながら進めていきたい。

課題は、基本的に自分で決めるか家族会議で決めてもらおう。

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遊びま書Ⅱ

2012年06月13日 | 書道・筆文字
まだ私は釜山の残像のなかでいきている。

その間にも、原発再稼働とか。原発もなにも現実的に生きている人の論理で進んでいる。
首相が小物になって久しいが、志はどこにあったのか、取り繕うだけで、人間の崇高さはどんどんしぼんでいるようである。
変わらなくてはいけない、変われる、との思いがまたしぼんでいく。

即効性はないかもしれないが、文化や芸術といったものの、思いの力、が必要なのだと思う。そんな気の長いことは日本には通用しないのか、文化や芸術の力をこの国はさほど大事にしているように思えない。
経済優先。それも自国のことだけ。せめてアメリカになびくだけの日本なのか。

今日は先週土曜のワークショップ、親子で書と戯れる「遊びま書Ⅱ」のアンケートが届く。
おおむね楽しんでもらえたようだ。
小4生「はじめてしゅうじがたのしかった」と。
ある親御さんは、
「書」というとなかなかとっつきにくく、又、美しく正しくと思っていましたが、とても楽しく、リラックスした時間を親子のコミュニケーションも深めることもできてよかったです。
と。満点回答だ。リラックスした時間となったらうれしい。

今回、ちょっと大きな筆で大きな紙(段ボール)に書いたが、たまにはいい。二年前はハガキ大作品だったので。
親が子の、子が親の作品を当てるゲームは、ちょっと面白い。
クイズを考えるのは楽しい。

今回は小学生も男の子、親御さんもお父さんの割合が前回より大幅アップ。
もっとゆっくりいろんな話がしたかったけど、一生に一度のご縁の人もいるわけで、一期は貴重で愛おしい。
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イチオシ

2012年06月11日 | 文化・芸術
辛恩珠さんのダンスカンパニーは、伝統を重んじながら、現代的で、そうとう久しぶりに観た韓国舞踊だが、感激。30年ほど前、高麗神社で観たサムルノリ、何年前になるかな、個展時に演奏してくれたキムさんのカヤグムなど韓国はすごいもんだ。
けっこう辛さんのダンスカンパニーファンは多くなった。7月の神戸公演はすでに予定あり、残念。
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書道オールスターズ

2012年06月10日 | 書道・筆文字


韓国側 学芸員さんの親戚の子どもの一筆 VS 日本側 各界で活躍する方々の一筆 



奉納


薬師寺の塔のモデルともいわれる石塔の残る感恩寺跡 VS 曲がっているので有機野菜か「四季の野菜」

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