響けブログ

音楽コドモから「音楽コドナ」へちょっと進化。ドラムとバイオリンと小鼓を弾く、ヒビキの音楽遍歴。

ヤロン・ヘルマン、未来の語り方。

2009-04-16 | ピアノ


ジャズ・ピアノの新星、初来日! ってことで、CD聴いてよかったんで駆けつけた、という波ならぬ、いや並ならぬつう揃いのすみだトリフォニー。ジャズうさぎこと夫の大プッシュで、行ってまいりました。

キース・ジャレットだとあんなに高いチケットが、ヘルマンさん(YouTubeにアップされてたフランスのテレビでは思いっきりエルマンって言ってましたが)、たったの3,000円。信じられない。

しかもYouTubeでもたくさん聴けますよ。
Yaron Herman "Message in a bottle"
http://www.youtube.com/watch?v=gkLmlDzTDaE&NR=1


イスラエルのテル・アビブという街で生まれたというヘルマンさん、まだ20代という若さでこの活躍とあっては、「未来」としか言いようがないうえ、今回はピアノソロプログラムとあっては、「未来の語り方」なんぞは定石中の定石、同考多数のキャッチ(タイトル)と思われるのも無理はありません。

ですが、この人のコンテンポラリーぶりには、ほんとうに驚きましたです。

基本情報的なコンテンポラリーとして、まずはイスラエル。Wikipediaによれば国家としての面積は、だいたい岩手県と千葉県を足したぐらいの大きさ。Google Mapsによれば、彼が生まれたというテル・アビブから、エルサレムまで約30km、ニュースでよく出てくるガザ地区まで約40kmという近さです。

現在はパリ拠点で活躍しているとのことですが、なるほどフランス近代から綿々と続く現代音楽的不協和音の響きや、アドリブというかアクシデントというか、クラッシュ音というか、とっても現代音楽な響き──があるかと思えば、イスラエルといえば爆撃などもあるのだろうなあ、などとやや探っていると、本当に爆撃のような音が響いたり──かと思えば、繊細で感受性の強い彼のこと、日本滞在中に桜なんかも見て、さぞうす桃色のいろいろと不思議な気持ちになっただろうに違いないなどと憶測していると、ちらり(これはヒッキーのTravellingの「若さ ゆえに すぐに ちらり」の「ちらり」ですね)と伝統的な和なメロディーのかけらが挿入されたり。

最初に、ヘルマンさん、あなたは「未来の語り方」を示してくれているんですよね、と思ったのはいいけれど、それはただの思いつきだし、もっと言えば私が今知りたいことやりたいことを、たまたま舞台の上にいるあなたに当て嵌めただけなのに、ヘルマン氏はそれをどうしたことか、次々と論証していってしまうのであります。

この方は今後もいろいろ、音楽的に変遷されると思う。ぜひ機会を捉えて聴きに駆けつけてみてください。ちなみに今月18日にはなんと!ローマのコロッセオで、ピアノソロだそう。

ふう。コロッセオについてはまた機会をあらためて。

プロフィールなどはこちらから↓
Yaron Herman Web site
http://www.yaron-herman.com/


ヤロン・ヘルマン・デビュー
ヤロン・ヘルマン
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