響けブログ

音楽コドモから「音楽コドナ」へちょっと進化。ドラムとバイオリンと小鼓を弾く、ヒビキの音楽遍歴。

ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ・パーカッション・オーケストラ@関内ホール、私が知ってるのとは何か別のもの

2008-05-20 | ドラム・パーカッション
ドラムおじさんN氏のお勧めもあって、セネガルの初めての人間国宝というDOUDOU N' DIAYE ROSEさんが率いるパーカッションのステージを関内ホールへ聴きに行った。

共演は「ヒダノ修一スーパー太鼓プロジェクト」という、和太鼓のグループにスネアドラムの石川直さんが加わったユニット。まず前半は和太鼓のステージだったが、のっけからPA不要の大音声に包まれ、お客さんもかなりノリノリの雰囲気である。そして休憩をはさんだ後半が、ドゥドゥ・ニジャエ・ローズさんのパーカッション・オーケストラのステージだった。

ドゥドゥ・ニジャエ・ローズさんの予備知識がまったくないまま、カタログを眺めていると、セネガル初の人間国宝で……

「76歳を迎えた現在でも、飛び跳ねるように指揮し、オーケストラを鼓舞する姿は変わらない。」

とよく理解できないことが書いてある。

いよいよ幕が上がると、アフリカン・ドラムにはいろんな種類があって、しかも片方の手にスティックを持ち、もう一方は素手で叩いていて、しかもひとつのドラムで実にさまざまな音色、音程を出すことができるらしいことがわかる。その分解能のすさまじい高さもさることながら、演奏と踊りが不可分であり、ドラムなり音楽ということが、私の知っているそれとはどうやら根底から異なっているようだ。

コンサート詳細情報を掲載しているサイトによれば──

“私たちアフリカ人は太鼓をひとつの宗教としてとらえています。現実的な悩みを解決するための手段として、太鼓は欠かせないものなのです。雨乞いをしたり豊作を願ったり様々なパターンがありますが、ある希望に向かって進めるのは太鼓だけだと信じています。”

そして、演奏がやや盛り上がったところでドゥドゥ・ニジャエ・ローズさんが登場するのだが、登場した途端に──しばらくはほとんど演奏しないにかかわらず──何かが激しく鼓舞されて、演奏にエネルギーがつぎ込まれるのを、演奏者も観客も感じたと思う。
「踊りのキレがすごい」
と夫は言っていたが、彼の身のこなしで演奏が次に何処へ行くかが明々白々という、そういう指揮なのである。
「え? あれが76歳なの?」
と夫は帰り道で訝っていたが、確かに高齢であることはまったく感じられない。そして演奏者の力量を見抜いてさっさとソロを回していくのも、さすがマエストロだ。

そこには確かに「音楽」が感じられるものの、全体としては私たちが知っているそれとはいささか異なるものなので、親たちはかなり傍観していたところ、おやおや、ヒビキだけは隣の席でのりのりにリズムを叩き出しているのだった。クラシックイタチには到底そのリズムのキモのようなものは掴まらなかったのに、ヒビキはかなり面白がって、帰り道でも歌っていて、ごきげんであった。
「パパはちょっと寝てたけどね」
「だって耳が痛くなっちゃったんだよ」

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